落合陽一演出で「古楽器、メディアアート、パフォーマンスアートのための作品」を世界初演
『HUMAN /CODE ENSEMBLE ヒューマン・コード・アンサンブル』
2022年11月3日(祝・木)、4日(金)、神奈川県立音楽堂にて、メディアアーティストの落合陽一、古楽器奏者の小川加恵、パフォーマンスアーティストのステラークによる『HUMAN /CODE ENSEMBLE ヒューマン・コード・アンサンブル』が、英国在住の日本を代表する作曲家 藤倉大とタッグを組み、世界初演となる「古楽器、メディアアート、パフォーマンスアートのための作品」を発表&ライブパフォーマンスを披露する。
PV撮影時の様子
PV撮影時の様子
これまでもポストコロナ時代における人間の身体性や、アートの祝祭性について問い直す芸術的取り組みを続けてきた落合陽一が、本公演では「近未来の新たなヒューマニティの具現化」、「人間の身体性、共感覚性の再考」をテーマとして、これからを生きる人間の在り方や、「ヒューマニティ」はどのように変化・変容を遂げていくのかーそれらの問いを人々に投げかけ、思考を促す芸術的試みを行う。
本公演で使用される古楽器は、18世紀〜19世紀に製作されたオリジナルの楽器もしくはその複製楽器で、「チェンバロ」及び「フォルテピアノ」と呼ばれる鍵盤楽器だ。バッハやモーツァルト、ベートーヴェン、ショパンらが使用した同タイプの鍵盤楽器が数々登場し、当時の人類の智慧、知的好奇心を物化させたレガシーとしての存在意義を放つ。
「チェンバロや、フォルテピアノを感情表現のための人間拡張器具」と捉える古楽器奏者の小川加恵は、東京藝術大学、オランダ、デン・ハーグ王立音楽院に学び、数々の国際古楽コンクールで入賞、欧州の古楽音楽祭や国内のコンサートホール、メディアにも多数出演するなど、近年の活躍が目覚ましい。今回演奏する18世紀〜19世紀に書かれた作品の多くは、人間の喜怒哀楽の感情に焦点が充てられた作品で、時代を経ても変わらない人間の普遍性を、情緒豊かに表現する。
(C) Peter Chen
「人間の身体は廃れている」をステートメントとして活動するオーストラリア人のパフォーマンスアーティスト、ステラークは、1970年代からおよそ20年にわたり日本でもアーティスト活動を展開。1985年に開かれた「科学万博つくば'85」ではソニーが出展したジャンボトロンを使用してパフォーマンスをするなど、人間の身体拡張表現において、後世のパフォーマンスアーティスト、メディアアーティストらに多大な影響を与えたレジェンド的存在だ。
藤倉大 Photo:Yuko Moriyama_otocoto
これまで様々な分野のコラボレーション作品を手がけ、斬新なインスピレーションを与え続けてきた藤倉が、新しい時代の着想をもって古楽器に息吹を吹き込む。そして時代を経ても変わらない人間の普遍性とテクノロジーによって変化・変容する人間の特殊性が混在し、調和する世界ー落合のデジタルアートがそれらを紡ぎ合わせ、近未来におけるヒューマニティの新たな可能性を提示する。