ノーミーツ、リアルタイムでひとつの物語を紡ぐ世界同時演劇劇『Lost and Found』を上演

ストーリーレーベル「ノーミーツ」が、2022年8月28日（日）に、実験公演として世界同時演劇『Lost and Found』を公演することを発表した。

ノーミーツは、言語や国境、文化の違い、数万kmの隔たりを超えて、リアルタイムでひとつの物語を紡ぐ"世界同時演劇"という新しい試みを実施する。

本公演では、日本を中心に世界の出演者が各国現地からオンラインで参加し、ひとつの物語を作り上げていく。さらに世界へ向けて、多言語の字幕を付け同時に生配信を行い、オンライン演劇だからこそできる国際的なエンターテインメントをおくる。

テーマは、「なくしてしまったものと、どうしたってなくならないもの」。国と国との行き来が難しくなり、つながりが絶たれてしまったかに見えた世界で、それでも私たちから取り上げられないものとは何なのか。東京と世界を繋ぎながら、脚本家・小御門優一郎が脚本・演出を務め、上演する。
また、世界各地の方を巻き込んだ演劇にするべく、6月14日～21日にかけて世界同時オーディションの応募も受付開始する。

8月28日、世界をつなぐ一夜限りの実験公演。楽しみにしよう。

脚本家・⼩御⾨優⼀郎　コメント

本作の脚本・演出を務める⼩御⾨優⼀郎です。

2020年、新型コロナウイルスの流⾏によって世界中で劇場や映画館が閉ざされ、
新しい作品の創出が難しく思われた頃、
ノーミーツは演者、スタッフが⼀度も会わずに作る「フルリモート演劇」というものを作り、
ネット上の仮想空間にて、⽣配信で上演してきました。
「いま・ここ」の⼀致が演劇であるための条件であるなら、
演者と観客がそれぞれ別の場所にいる中で上演される「フルリモート演劇」は、
「演劇」そのものであるとは⾔えないでしょう。
我々も、最初は代替のつもりでした。
しかし、たとえ上演場所が仮想空間であり、通信技術によって擬似的に再現された「いま」であったとしても、
上演中に感じた、瞬間を共有し繋がり合えた感覚はたしかなもので、
劇場で感じていたそれに⽐肩するものでした。

オンラインの⼒を借りれば、「物理的距離」という隔たりを乗り越えることができる。
それならば海の向こう、我々とは別の国に住む⼈々と⼀緒に⼀つの作品を作ることができるのではないか。

その気づきから始まったのが今回の企画です。
国境を超えた作品を作り上げていく過程で、距離以外にも乗り越えるべき障壁はたくさんあることでしょう。
普段使っている⾔語が違うかもしれないし、⽣活圏のタイムゾーンが違うかもしれない、
創作に対する⽂化、⼼構えの部分でギャップを感じることもあるかもしれない。
それらの隔たりと⾔えるものたちを、フィクションの都合でなかったことにするのではなく、
⼀つひとつ向き合い、乗り越えながら、共に作品を作り上げていきたいです。
この⽂章を、どこの国で、何語によって綴られたテキストでお読みになっているかはわかりませんが、
我々の想いに共感していただけたのなら、ご応募いただけると幸いです。