初共演の眞島秀和と吉高由里子が語る、岩松了の新作舞台『クランク・イン!』は映画製作の現場を舞台にした悲喜劇
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――お二人とも久しぶりの舞台出演とのことですが、今回の稽古に期待すること、楽しみなことはどんなことですか。
吉高:眞島さん、舞台は何年ぶりなんですか。
眞島:2年ぶりかな。
吉高:全然、久しぶりじゃないですよ。私なんか、6年ぶりですから。
眞島:それは久しぶりだね。舞台って、役者さんが実際に揃って、そこから稽古がよ―いどんで始まっていくというのが、すごく面白い作業になると思っていて。たとえば出来上がった舞台を観客として観に行った時に「これって、稽古場ではどういう風に作っていったんだろう?」ということが気になったりするんですよね。それを、自分が出演する舞台では味わうことができるわけで。それが、いつも稽古に対して楽しみな部分でもあります。
吉高:最初のうちは、作品がどんなものかもわからないし何も見えていなかったものが、稽古が進むにつれてどんどん形になっていく。そうやって自分の役のことを理解していく過程というか、知っていく、わかっていく過程が楽しみです。今回もぜひ、そうやって役をわかる瞬間があってほしい。「なんだったんだ、この役?」では終わりたくないなと思っています。
――眞島さんは映画監督の役、吉高さんは女優の役、どちらも身近に感じられる職業かと思いますが。
眞島:僕の場合は、携わった作品での映画監督の方々を想い出して、「この場面ではあの人のこういう部分を」とか「ここは、こういう言い方をしてみよう」とか、自分の中から引っ張ってくることになると思うので、それが楽しみだなとは思っています。
吉高:私の場合、お芝居の中で、芝居をする人の芝居をするっていうことになるわけで(笑)。
眞島:ハハハ、そうだね。
吉高:なんだかちょっと、こんがらがりそうな役どころではあるんですが。とりあえず、ものすごく勝気な女優の役じゃなければいいな。
――勝気じゃないほうがやりやすいですか?
吉高:そうですね、気が強い役って演じていて体力を使うので。どこに着地していいかわからなくなっちゃいそうですし。
――今、冒頭の部分だけは台本がお手元にあるとお聞きしました。その短い部分だけではありますが、感触としてはいかがでしたか。
眞島:本当にさわりの部分だけなんですけど、会話がとても面白い。やっぱり会話劇になっていくんだろうなという感触がありました。続きが楽しみです。
吉高:眞島さん演じる、映画監督がもしかしたら最低なんじゃないかと私は勝手に想像しています。実は、登場人物全員と関係を持っていたりして。
眞島:アハハハ。ひどいね、それは(笑)。
吉高:それで誰かに言い寄って、誰かに新人女優を殺させたのかもしれない、そのくらい最低だったら面白いな、なんて思いながら読みました(笑)。自分の役どころは、まだ本当にちょっとだけしか出て来なかったんですが、なんとなく思っていた性格とはちょっと違うみたいなんですよね。この先、どうなっていくのだろうと考えている最中です。自分より、他の人の役のことを想像しているほうが楽しいですね。
――稽古に入るにあたって、何か準備しようと思われていることはありますか。
吉高:いざ始まってしまったら毎日稽古、稽古でそのまま本番まで、ずずずずん!と進んで行くと思うので。準備をするというより、今のうちに遊んどこう!って感じです(笑)。
眞島:遊んどこうというのは、確かにそうだなと思いつつ(笑)。僕はちょっと、軽く体力づくりでもしておこうかなというところです。
吉高:体力いるんですか、舞台って。
眞島:まだ若いからわからないだろうけど、いずれわかるよ。体力は、いると思う。
吉高:そうなんですか。いろいろ、学んでいこうと思います(笑)。
――では最後に、お客様に向けてお二人からお誘いの言葉をいただけますか。
眞島:僕は映画監督役として、この錚々たる女優陣の中でどういう風に存在できるかというところにかなり苦労はすると思いますので、ぜひそこを観に来てくださるとうれしいです。
吉高:きっと不思議な物語にはなると思うんですよね。本多劇場という、ほぼ全員のお客様の顔が見えるくらいの劇場で、出ているこちらもおそらく不思議な気持ちになる空間だとは思いますけど……その空間をぜひ一緒に楽しみましょう!
ヘアメイク:渕直志(kief)
スタイリスト:momo
■吉高由里子
ヘアメイク:RYO
スタイリスト:藤本大輔(tas)
衣装クレジット:
Y.M.Walts(MARVIN&SONS/03-6276-9433)
CHARLOTTE CHESNAIS(EDSTROM OFFICE/03-6427-5901)
DIANA(ダイアナ 銀座本店/03-3573-4005)
取材・文=田中里津子 撮影=中田智章
公演情報
作・演出:岩松了
出演:眞島秀和、吉高由里子、伊勢志摩、富山えり子、石橋穂乃香、秋山菜津子
公式サイト:http://mo-plays.com/crank-in/
主催・製作:㈱M&Oplays
【東京公演】
公演日程:2022年10月7日(金)~30日(日)
会場:本多劇場
ほか、静岡、大阪、愛知公演あり
お問合せ㈱:
㈱M&Oplays 03-6427-9486(平日11:00~15:00)http://mo-plays.com/crank-in/