山口乃々華×奥村佳恵×和田琢磨 初共演の3人が語る、オリジナルミュージカル『SERI〜ひとつのいのち』出演に向けての意気込み

2022.8.9
インタビュー
舞台

ーー本作は楽曲が全部で27曲あります。台本を読んだときに、ミュージカルとドラマの共存のバランスをどうやって取ろうと思いましたか?

和田:素晴らしいミュージカルは世にたくさんあると思います。ただ自分はあまりミュージカルの経験は多くはないので、会話だけのシーンと音楽が乗ったときの質感の差が出れば出る程面白くなるんじゃないかなと思っていて。オリジナルミュージカル作品なので、約束事がある中でもトライアンドエラーで深く掘り下げていけたら、今までに観たことのない質感の面白い作品になるんじゃないかなと。ものすごくハードルが高いことなので、自分自身に戒めのように言っているんですが・・・・・・(笑)。

和田琢磨

山口:出来上がっている楽曲を聴かせていただいたら、比較的に明るい雰囲気で、いろんな音が聞こえてきて楽しい音楽でした。ただ、その中でも美香さんが悩んでいるときの音楽は激しく、すごくギャップもあります。私自身はこの作品の中でほぼ言葉を発しないので、身体表現を使ったり、日常生活をマイムで表現していくことになるのですが、多様な表現でいろんな角度から見せられるものがあると思います。言葉だけじゃなく、目でも耳でもわかるし、いろんな方向から投げかけられるような作品になるんじゃないかなと。

奥村:個人的にはここまでミュージカルで自分が歌う機会はなかったので、自分の中では挑戦です。例えばミュージカルを見慣れていない人だと「え、ここで歌うんだ!?」と驚く人も多いと思います。でもそうはなりたくないので、いかに芝居と繋げて歌を歌えるか、そこに違和感を感じさせずに自然と「あ、歌になってた」と気付いてもらえるくらい、シーンの中にうまく溶け込んだまま歌に入れたらいいなあと思っています。それは自分の努力次第のところもあると思いますので、一生懸命練習したいです。

ーー作品を通して伝えたいメッセージや、見どころを教えてください。

和田:いろいろな観方があると思っていて。母親の方が観たとき、男性が観たとき、人によって印象が変わる作品だと思います。だから、正直何かを伝えたいということはあまり考えていなくてですね。本当に台本と音楽に素直に向き合って、どう感じていただけるかというのが私自身も楽しみです。台本の中で、自分一人で葛藤したり夫婦で意見がすれ違ったりというシーンがあるんですけど、そういったことが観ている方の事情とリンクする瞬間もあると思うんですよね。自分の役、そして作品に対して極力嘘がないように向き合っていきたいです。

山口:私の役でいうと、千璃は実体と魂があります。魂の方では身体表現を用いていくので、そこで感情を伝えられたらいいなと思っています。この物語は障害と家族と一緒に生きていく話で、特別な例に感じるかもしれないけれど、これはあなたの物語でもあるんだよというメッセージがあります。こうして素直な気持ちで安心して毎日を生きられているのは、周りの人たちが支えてくれているからだよね、と。私自身も本当にそうだなと思っていて。誰かがいつも見てくれているから、支えてくれているから、こうしていられるんです。作品を通してそんなメッセージを伝えられたらいいなと思っています。

奥山:見どころとしては、身体表現やリアルな芝居のシーンや歌のシーンがあるので、いろんな要素があるということ。会話だけのお芝居は誇張せずリアルにやって、歌のシーンは音楽に合わせて普通に喋っているときとは違う響き方でお客様に届けるシーンになると思います。シーン毎にいろんな観方があるだろうし、それぞれ楽しんでもらえたらと思っています。作品を通してのメッセージは、乃々華ちゃんが話してくれたものが本当に大きなメッセージになると思います。美香という役としては、「逃げない」ということが一つあるのかなと。途方もないことに押しつぶされそうになっても、逃げずに戦い続けることで得られる光や温かさがある。負けないで戦うぞという気持ちが、役のメッセージとしてはあると思います。

(左から)和田琢磨、山口乃々華、奥村佳恵

ーーお稽古はこれからということですが、公演に向けて体力作りや健康面で気をつけていることはありますか?

奥村:最近、暑過ぎてクーラーをガンガンにかけているんです。でもやっぱり喉が乾燥するという弊害があるなと思ったので、もう少し涼しくなったらクーラーを止めたいと思います。今回は声を潰しちゃうということが一番怖いので、喉のケアは励もうと思っています。

山口:私は身体表現をさせていただくにあたって体力が必要になると思うので、ダンスレッスンを週に1回、3時間。今はバーレッスンとかアップをして、そのあとに振り付けというレッスンに通っています。なるべく動ける身体を作っている途中です。

和田:私は舞台の作品で体を動かすことは多いので、日常的に特別気をつけていることはないんです。今年に入ってからはパーソナルジムで個人レッスンを受けて、トレーニングで体を鍛えるようになりました。最近は筋トレにハマっていて、毎日腹筋ローラーで家でコロコロと。今回の作品の中で脱ぐシーンはないと思いますけどね(笑)。

(左から)和田琢磨、山口乃々華、奥村佳恵

取材・文・撮影=松村 蘭(らんねえ)

公演情報

conSept Musical Drama #7『SERI〜ひとつのいのち』
 
[上演日程]
東京 2022年10月6日(木)~10月16日(日)博品館劇場
大阪 2022年10月22日(土)~10月23日(日)松下IMPホール

料金(全席指定・税込、東京・大阪共通)
SS席:11,500円、SA席:10,500円、A席:9,000円、C席:7,000円

出演:山口乃々華 奥村佳恵 和田琢磨
植本純米 小林タカ鹿 樋口麻美 辰巳智秋 内田靖子 長尾純子 小早川俊輔 

原作:倉本美香『未完の贈り物』
脚本・作詞:高橋亜子
作曲・音楽監督:桑原まこ
演出・振付:下司尚実

演奏:桑原まこ(Key.)、成尾憲治(Gt.)、山口宗真(Reed)、平井麻奈美(Vc.)
アソシエイト・プロデューサー:川村徹也
プロデューサー:宋元燮

後援:一般社団法人未完の贈物 / 製作支援:杉本事務所
企画・製作:conSept / 主催:conSept、関西テレビ放送
(C)2022,conSept LLC

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