Mr.ふぉるて『RUSH BALL 2022』ライブレポートーー焼きついて離れない、朝一番のまばゆい夏フェスの風景
Mr.ふぉるて 撮影=渡邉一生
『RUSH BALL 2022』Mr.ふぉるて
今年の泉大津フェニックスを目覚めさせたのは、昨年12月に待望のメジャーデビューを果たした東京発の4人組のMr.ふぉるて。早々に「トライアングル」のサビは狼煙となり、観客が手拍子をしながら続々とステージ前へと集まり始め、稲生司(Vo.Gt)の<スーパーマンはいないけど Mr.ふぉるてがここに来た!>のアドリブが轟けば、たくさんの手が彼らに向かって伸びる。
Mr.ふぉるて
するとそれにこたえるように思春期の焦燥感や寂しさ、その瞳に映る理不尽、そして音楽への愛を、時にダークかつエッジーに、時に叫びを交えて「君守歌」や「さよならPeace」にのせ、会場のボルテージを上げていく。そこに軽快なギターと心躍らせるメロディで駆け抜ける「夢なずむ」がまばゆい青春を描けば、オーディエンスの数はみるみる倍増。
Mr.ふぉるて
また「踊れる曲、持って来たぜ!」(稲生)と、「暗い部屋の中、明るいテレビ」で煽れば、追いかけるようでも掛け合うようでもあるアンサンブルと稲生の口早なボーカルにクラップはやむことなく続き、人々の手は左右に揺れて夏フェスらしい光景が。これを見た稲生は、「この景色を見て勝手に幸せになってたんですけど、両想いになりたいんで、みなさんが幸せになるような曲を!」と、ラストにはスローナンバー「幸せでいてくれよ」をチョイス。ファルセットとせつない旋律が心をつかみ、マーチングドラムのなかで繰り返される幸せへの祈りは余韻たっぷり。朝から想像の上を行く充足感を残してくれた。
取材・文=服田昌子 撮影=渡邉一生
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