神はサイコロを振らない『RUSH BALL 2022』ライブレポートーー愛と笑顔に満ち満ちた一生忘れられない夏

『RUSH BALL 2022』神はサイコロを振らない

「神サイ」こと神はサイコロを振らないの幕開けは、イントロが頭上の曇天によく合う「タイムファクター」。クールに疾走するグルーヴィなサウンドは、畳みかける柳田周作のボーカルと「『RUSH BALL』！」のシャウトを武器に会場を加熱させる。続く「揺らめいて候」では鋭利なスラップベース、ギターの速弾き&キレッキレのカッティングと、力強い4つ打ちキック、艶ある歌声でよりパワーを高めて観衆を攻め立てる。

十分に引き込んだあとは「夏、始まるぞ！」（柳田）と「クロノグラフ彗星」でポップへ舵きり。柳田はカメラ目線でスマイルを爆発させ、さわやかな時間には気持ちいい風もそよぎ出す。そして柳田が「一生忘れられない夏フェスにしましょう！」と観客を誘い、次はラッパーのRin音とコラボレーションした曲「六畳の電波塔」へ。伸びやかな歌も、小気味良いラップも、しなやかなメロディもすべて浸透力が高く、後方エリアで座って観ている人たちまでもがクラップに参加。

加えて「僕らはこの世界を愛に満ちあふれさせることができると思います」（柳田）という言葉から鳴り出した、7月リリースのラブソング「カラー・リリィの恋文」のセンチメンタルな質感でも心を揺さぶる。少しだけハスキーになる声や美しいギターの音色を経て、最後に＜響け愛のメッセージ＞と歌えば、柳田は笑顔になって、「愛をこの夏にぶちまけて帰ってください」と「LOVE」からスパート開始。スイートなボーカルと軽やかなプレイはハートウォーミングな空気を生んで、柳田仕切りで全員が手を振ってライブを満喫すると、そこに「1on1」と「巡る巡る」のダンスチューン2連発という楽しさ満点のとどめが。メンバーは舞台を端から端へと移動するとファンと目を合わせるようにして大サービスし、もちろん観客も大いに弾けて力を使い切り最高潮でフィニッシュ。ラストには「みんなが大好きです！」という柳田の愛の告白も会場に轟いた。

取材・文＝服田昌子　撮影＝田浦ボン

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