Klang Ruler『RUSH BALL 2022』ライブレポートーー新世代アーティストが夏の野外でみた希望
Klang Ruler 撮影=河上良
『RUSH BALL 2022』Klang Ruler
Teleに続き、『RUSH BALL』のような夏の野外イベントには初の出演となったKlang Ruler。トラックメイカーのyonkey(Vo)を中心に、かとたくみ(Ba)とSimiSho(Dr)らとともに結成され、2021年夏にアーティストでファッションデザイナーのやすだちひろ(Vo)とサポートギターだったGyoshi(Gt)が正式加入、現体制となった。ASOBISYSTEM所属の、それぞれが高い専門スキルを持つクリエイティブ集団だ。
「『RUSH BALL』の皆さん、こんにちは。まもなくKlang Rulerのライブが始まります」と案内人の超高性能会話型AIシステム「ハル」が挨拶。まるでアミューズメントパークのアトラクションのようで、期待感が高まってゆく。色違いのフレッドペリーのポロシャツをキュートに着こなしたメンバーが登場。小気味良いリズムとトラックが響き、「先生!」とメンバー全員が誓うように左手を挙げ「ちょっと待って」でライブスタート。タイトなリズムとスタイリッシュな演出で、早くもオーディエンスの心を鷲掴みに。サビではジャンプによる一体感が生まれていた。8月26日(金)に配信されたばかりの新曲「Set Me Free」ではさらにダンサブルに会場を踊らせ、FM802ヘビーローテーションに選ばれた「ジェネリックラブ」では、哀愁を感じさせる高音のシンセとGyoshiのギターサウンドがゆったりと包み込み、ツインボーカルのハーモニーが世界観を作り上げた。
Klang Ruler
MCではやすだちひろが「私たち今日が初めてのフェスでございまして。コロナ禍になってからこの体制になってデビューしたので、去年1年間はライブが本当にできなくて、先をどう見ていいかわからない時間を過ごしていた記憶があるんですけど……。運営の方や集まってくださる音楽ファンの皆さんのおかげで、先の未来がすごく明るく、希望を持って頑張っていけるなという気持ちに今すごくなっています。ありがとうございます!」と笑顔で想いを語った。
そして90年代の音楽グループ・ブラックビスケッツの人気曲「タイミング 〜Timing〜」をカバー。yonkeyとやすだちひろがステージの前に出てハンズアップで盛り上げ、応えた会場は大きくジャンプ! 世代ど真ん中のファンにとっては懐かしく、Klang Rulerと同世代のファンにとっては新しい。「レイドバックヒーロー」では楽器とサンプラーでメンバー全員で華麗なキメを披露する場面もあり、終始ダンサブルにオーディエンスを踊らせ、彼らの世界観をしっかりと提示しつつも、確実に来場者の熱量を引き上げて魅了した。最高のメロディセンスと華やかなステージングは中毒性がある。また早くライブが観たい。純粋にそう思わせてくれるステージだった。
Klang Ruler
取材・文=ERI KUBOTA 撮影=河上良
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