THE 2『RUSH BALL 2022』ライブレポートーー向こう見ずな狂気を持ちながら、大衆にぶっ刺せる凄み
THE 2 撮影=渡邉一生
『RUSH BALL 2022』THE 2
ボーカルの古舘佑太郎の顔のみがデザインされた着ぐるみから手足だけがニョキッと出ているメガフルタチが、彼らの出番前から古舘を始めとするメンバーに連れられて会場内を練り歩いている。本番前から、そんなリラックスした行動で観客たちを喜ばせる彼ら。前のバンドで出場したのは、もう早いもので11年前。ヤングボーイだった古舘も酸いも甘いも経験して三十路になった。円熟味は増したものの向こう見ずなのは、そのまま。
THE 2
1曲目「ルシファー」のド直球な疾走感と躍動感で心臓と脳天を貫かれる。そのまま「ケプラー」、「ニヒリズム」と突っ走り、今日はノンストップだなと興奮していたら、古舘が「今日は休憩無しで、記憶無くなるくらいに駆け抜けたいので宜しく!」と宣言。ある程度のキャリアもあり、そして、この暑さで、そんな向こう見ずな事をやってくれるなんで、嬉しすぎるし、だから、ずっと好きなんだなと再認識する。新人バンドみたいな勢いだなんて何気に思ったが、彼らは2022年2月2日に2からTHE 2と改名した新人バンドと言っても全くおかしくない存在。とにかく跳ねるビートが気持ち良いし、いつの間にか吹いている涼しい風も相まって最高に気持ち良い。
THE 2
「恋のジャーナル」では、メガフルタチも舞台に登場して古舘の横で踊りまくる。そして、特筆すべきは9月7日(水)配信で、それもミドルテンポの「ミスサンシャイン」で締めた点。ハンドマイクで歌われる古舘の声は、それまでの駆け抜ける楽曲たちとの対比もあり、より一層際立つ。真っ直ぐな歌が僕らに突き刺さる……、もう流石でした。古舘の才能はTHE 2で完璧に開花している。
取材・文=鈴木淳史 撮影=渡邉一生
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