Hump Back『RUSH BALL 2022』ライブレポートーー「音楽は恋と一緒やから」全ての年代の少年少女に響く、エモーショナルな言葉と音楽で心を掴む
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Hump Back 撮影=渡邉一生
『RUSH BALL 2022』Hump Back
2日目のトップバッターを飾ったのは、『RUSH BALL』初登場、大阪出身のHump Back。SEから大きな歓声が沸き起こった。林萌々子(Vo.Gt)が、<あぁ もう泣かないで>と「拝啓、少年よ」の歌詞を歌いながら、「たくさん我慢してきたよな、僕らそれでも乗り越えてきたんだよな」と語りかけるようにギターを奏でる。「今日はでっかい声で歌おうな! いっぱい乗り越えてきた! 胸張って言うわ! ライブは戻ってきたんじゃない、うちら進んでるんや!」と声の出せるライブが出来る喜びを叫ぶ。
Hump Back
「ティーンエイジサンセット」では、ぴょんぴょんジャンプしながら笑顔でベースを弾くぴか(Ba.Cho)に「ぴーちゃん今日何回跳ぶん?」と林が問うと「5,000回」とぴか。「ぴーちゃんより早よ跳べる奴おる? 見せてくれよ! 後ろ揺らしていこ!」と観客の心に火を点けた。パワフルな美咲(Dr.Cho)の高速ビートにクラップで食らい付いた「僕らの時代」を経て、MCでは主催GREENSの英断について「勇気もいるなぁ。うちらじゃ想像つかへんような大変な話し合いとか、いっぱいあったんちゃうかなと思う。それでも、ライブのいっちゃんおもろいやつ、歌うということ、GO出してくれてありがとうございます!」と林が大声で感謝を述べる。「僕らに要るのは愛とロックンロール! それと友達だけなのさ。不安なことどうしようもないこと、いっぱいあるけど、今日、うちらにできるのは、貰ったもん、全部楽しむだけ!」と改めて高らかに声を上げる。その姿はとても輝いていた。
Hump Back
Hump Backのライブの魅力は、もちろん楽曲と3人の演奏力にあるが、林の放つ言葉の力も非常に大きい。「がらくた讃歌」の前に林が言った「うちらは少年少女に歌ってる。うちらの歌は少年少女にしか響かんようになってるから。響いてしまったのはそういうこと」という言葉に射抜かれた大人も多いのではないだろうか。林の言葉は本当に嘘がない。その時感じたそのままを飾らずに届けてくれる安心感。夏空のようにスコーンと直球で心に向かってくるのだ。「恋と一緒やから。出会はときめいてもうたら、そこが終わりやしそこが始まりや。これからよろしくお願いします!」と、私たちのこと好きになったやろ? とみせる人懐っこさも魅力だと思う。
アンセム「番狂わせ」を投下した後は、「僕らは今日も車の中」、「LILLY」と加速度的に楽曲を披露。そして最後に「もう1曲やるわ!」と「宣誓」で締め括った。 ものすごいパワーを孕んで歌い終わると、やり切った! と言わんばかりにステージに寝転がる林。トップバッターにふさわしい、エモーショナルで爽やかな、力強いライブを見せてくれた。
取材・文=ERI KUBOTA 撮影=渡邉一生
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