戦争の悲惨さ、愚かさを伝える 朗読劇『青空』に益岡徹、横山由依、モロ師岡、石黒賢ら
-
ポスト -
シェア - 送る
2022年11月1日(火)~13日(日)博品館劇場にて朗読劇『青空』が上演されることが決定した。
毎年、「戦争」をテーマにした作品を上演し続けている方南ぐみ。2018年から毎年上演されている本作『青空』は、戦中を生き抜いた少年と犬と猫の青春物語。戦時中の少年が国の命令に逆らってでも、遊び相手の犬と猫の命を守ろうとする姿を描くことで戦争の悲惨さ、馬鹿らしさを訴える「あたっくNo.1」に次ぐ方南ぐみの代表作品だ。演出を務めるのは、劇団旗揚げから現在まで方南ぐみ企画公演作品の作・演出を全て手掛けてきた樫田正剛。ドラマの脚本や作詞なども手掛ける樫田がエンタメを通して、戦争の記憶を後世へと繋いでいくと同時に、同じ過ちを今なお繰り返し、同じ悲劇を引き起こしている現代において大事なことは何かを改めて訴えかける。
語り部、少年、犬、猫役の4名のみで物語を紡ぐ本作。出演には、確かな演技力に定評のある益岡徹、石黒賢、安田顕、前川泰之、柳瀬大輔、松田悟志、良知真次、東貴博、小池栄子、湖月わたる。近年活躍の幅を広げている若手の横山由依、瀬戸利樹、平野良、蒼木陣、加藤大悟、健人、校條拳太朗、立花裕大、松島勇之介。さらには過去に出演経験のある石倉三郎、モロ師岡、村田雄浩、舘形比呂一(THE CONVOY)、梶原善、渡辺いっけい、水谷あつし、太田将熙、高橋ひとみ、凰稀かなめ、大塚寧々、飯島直子、佐藤日向、2021年に第42回松尾芸能賞 新人賞を受賞した歌舞伎役者中村米吉、歌手として活動する丘みどり、声での魅せ方を得意とする声優の平田広明、小宮有紗といった個性豊かな層のキャストが揃い、9組の組み合わせで上演される。
作・演出 樫田正剛ならびにキャストを代表して小池栄子、渡辺いっけいよりコメントが到着した。
作・演出 樫田正剛(方南ぐみ) コメント
あの時代、戦争という悲惨な時間があったことを…そして今も。
終戦記念日の八月になると毎年のように耳にするのは「戦争体験者が減ってきています」というニュースコメントです。この言葉の意味が気になりだしたのはこの十数年ぐらいでした。誰かがあの悲惨な時代を伝えなければならないのなら自分もそのひとりになろう…そう考えはじめました。戦後生まれのぼくに当時のリアルは伝えることは出来ないが、それでも、そのひとりになりたいと。
今も世界では戦争が起こっている。
武器を持たない民間人や動物たちが泣き叫んでいることを伝えたい。
一人でも多くの人に戦争はくだらない時間だということを伝えたく、ぼくは舞台や絵本を武器に叫ぶことにしました。
小池栄子コメント
このお話は戦時中に生きる親子と、共に生きる犬と猫のお話です。
お国の為。という理由で幾人もの命が散っていくなか、非国民と罵られても必死に生きる道を探す親子の姿と、彼等の為に寄り添い、守り、共に闘う犬と猫。言葉は通じないが目にしている景色、耳に響く音、鼻に届く匂いは同じなのです。生きてるもの全て命は平等で尊いものだと。
彼等の姿を通して、改めて戦争がもたらす惨たらしさに怒りと悲しみを憶え、今この劇をやらなくてはと強く感じました。一言一言に平和への願いと祈りを込めて、大切に演じさせて頂きたいと思います。
渡辺いっけいコメント
また「青空」に参加出来る事、大変嬉しく思います。
本番でいつも何かしらの発見があり、新たなる課題も見つかる「青空」・・やる度に緊張し、感動し、ヘトヘトになる「青空」・・自分にとって「青空」は最早単なる朗読劇ではなく、仕事を超えた何かです。現在の厳しい世界線の中で紡ぐ「青空」からは今迄になかった新しい感情が生まれる予感がします。
皆様、どうぞお楽しみに。劇場にてお会いしましょう。
あらすじ
大和少年の遊び相手は柴犬の麦と野良猫の小太郎。
1937年昭和十二年、支那事変。昭和十四年ノモハン事件。
翌年日独伊三国同盟。昭和十六年、真珠湾攻撃と共に太平洋戦争に参戦。
この頃の日本は戦争が日常で、戦争をやれば景気が上向くと誰もが浮かれていた時代だった。
アメリカの猛反撃がはじまるとアジアの小さな島国・日本は瞬く間に劣勢に立たされたが、
国民は日本に神風が吹くと信じていた。
政府は鉄砲の弾を作るために国民から鍋やヤカン、鉄などを徴収する「金属類回収命令」を発動し、
寒い地域で働いている兵隊の毛皮を作るために「犬と猫を差し出せ」と命令した。
お国の命令は「絶対」であり、逆らうことは許されない時代。
軍国少年として成⾧した大和にとって、その命令は苦渋の選択となった。
そして大和少年が下した結論は、国の命令に逆らってでも犬と猫の命を助けることだった。
これは、少年大和と麦と小太郎の青春物語です。