あずみとあの仲間たちにまた会える!『AZUMIニューイヤーパーティー』 川栄李奈インタビュー

インタビュー
舞台
2016.1.2
川栄李奈 (撮影:岩村美佳)

川栄李奈 (撮影:岩村美佳)

2015年9月に上演されて、演劇界の話題をさらった『AZUMI幕末編』。主役のあずみを演じた川栄李奈をはじめ、華やかな顔ぶれでの熱い舞台は記憶に新しいが、そのメンバーたちが『AZUMIニューイヤーパーティー』というかたちで帰ってくる。
 
本編の再現を含む殺陣のショーや、会場を沸かせる小学生クイズコーナー、そして当時の苦労話や裏話を語るトークコーナーなど盛り沢山の内容に、日替わりのサービスコーナーでは、「12月31日みんなでカウントダウン」「1月2日もちつき大会」「1月3日羽子板バトル大会」「1月4日仕事初め大千秋楽」などが賑やかに繰り広げられる予定だ。
 
その『AZUMI幕末編』であずみ役を演じて鮮やかな舞台デビューを果たした川栄李奈に、このイベントと『AZUMI幕末編』公演を語ってもらおう。
 
川栄李奈 (撮影:岩村美佳)

川栄李奈 (撮影:岩村美佳)

仲が良いカンパニーでお互いに成長できた公演
 
──『AZUMI幕末編』は作品も素晴らしかったですが、川栄さんも輝いていました。
ありがとうございます!
 
──初めての岡村(俊一)さんの演出はいかがでしたか?
それまで舞台経験がなく、映像のお芝居とは違うこともあって心配でした。それに舞台の演出家の方は怖いイメージがあったのですが、岡村さんは優しくて、私の持っているものや、自分が素直に表現したものを生かしてお芝居を作ってくださるので、すごくやりやすかったです。
 
──本番になってからも岡村さんは見ていたようですが、アドバイスやダメ出しなどありましたか?
それがあまりなかったんです。私が友達の舞台を見にいったときは、昼と夜の公演の間にダメ出しされていたりしたので、そういうことがあるのかなと思っていたのですが、特にそういうことはなくて。基本的に優しくて、やりやすいようにやっていいよとおっしゃってくれたので、とてもありがたかったです。
 
──共演者のみなさんはいかがでしたか?
みなさんもすごく優しかったです。例えば早乙女友貴くんは、殺陣を私がやりやすいようにわざわざ変えてくれたり、私が間違えても間違えていないように見えるお芝居をしてくれるんです。他の方たちも優しくて、とても仲が良いカンパニーで、お互いに教え合って、みんなが成長できた公演だったと思います。
 
──龍馬役の浅香航大さんとの組み合わせもよく似合っていました。お芝居の呼吸などどうでしたか?
私の芝居に合わせてくださったり、いろいろフォローしていただきました。みなさん優秀な方ばかりで、たくさん助けていただいて本当にありがたかったです。
 
──舞台と映像の芝居は違うということでしたが、具体的にはどんなことが?
舞台は間違えてもやり直しができないので、台詞を噛む日はものすごく噛んだりしてしまって、大変でした(笑)。でも毎回違うことができますし、お客さんの雰囲気も毎回違います。それが舞台の良さなのかなと思います。
 
──アドリブのシーンも多かったようですね。
真面目なシーンで、西郷さん役の須藤公一さんがアドリブで犬の人形を連れてきたりするんです(笑)。台詞量がとくに多くていつも噛むところで、必ず笑わせてきて、犬をわざわざ顔の前に置いたり、メイクで笑わせてきたり(笑)。その笑いに耐えるのが本当に大変でした。
 
川栄李奈 (撮影:岩村美佳)

川栄李奈 (撮影:岩村美佳)

感情の上げ下げが激しいあずみを生ききって
 
──この舞台を経験してよかったなと思うことは?
台詞の量が尋常ではなかったので、普通の台詞をすぐに覚えられるようになりました(笑)。台本をいただいて長いなと思っても、『AZUMI~』よりはましだなと思うようになって(笑)、覚えるのも早くなりました。
 
──あずみという役については、どんなことを感じましたか?
自分と似ているところもあったりするので、気持ちが入りやすかったです。感情の上げ下げが激しい役ですから、昼夜2公演の日は、体力的にも精神的にも疲れきっていました。2回分生ききっていましたから。でも朝起きたら回復していました(笑)。
 
──すごいですね。手応えとかやって良かったと思うことはありますか?
まず楽しかったこと、それから殺陣をやらせてもらえる機会はそんなにないと思いますから、それを長い期間できたのはすごくいい経験になりました。でも、すべてがやって良かったことです。
 
──岡村さんの言葉で、「舞台はあの子があんなことをできるのかという役者の鮮度が重要だ」と。川栄さんにはその鮮度があって、やってのけるところを見たかったそうです。
そうですか! 稽古場で岡村さんが一番笑って、一番泣いていらしゃったのを覚えています。
 
──自分で自分の能力に驚いたり、自信を持った部分などもあったのでは?
私はいつも何も考えていないんです。ここまでなんとなくうまくきてしまったというか、全然出来ないということもなかったし、出来なくても目立たずにきたという感じなので。この舞台も、最初は出来なくても目立たないでやれるんじゃないかとか、何とかなるだろうみたいな気持ちだったんです。そんな自分が偉そうなことは言えないというのが正直な気持ちです。
 
──稽古で追い込まれたりしましたか?
稽古は大変でしたが、楽しかったので嫌だとか逃げ出したいとかいうことは、一度もありませんでした。私はお芝居が好きなので、お芝居ができるなら何でもいい、がんばってみようという気持ちなので。
 
──落ち込むことはないのですか?
落ち込んでもすぐに忘れます(笑)。
 
──AKBのみなさんもこの舞台を観にいらしたようですね。
みんなきてくれました。100人ぐらいきたと思います。たくさん来てくれて嬉しかったです。
 

懺悔は殺陣で何度も切ったしまったこと
 
──この『AZUMIニューイヤーパーティー』が行われると聞いたときはいかがでしたか?
 
何をやるのかなと思いましたが、殺陣をやると聞いて、また頑張らないといけないなと。真面目に作ると聞いているのですが、きっとふざけた感じで終わるんだろうなと(笑)。でも楽しくできたらいいなと思っています。
 
──岡村さんが「川栄李奈のおかげで10年ぶりに『AZUMI』が復活できた。この先に繋げるためにも『AZUMIニューイヤーパーティー』をやろうと思った」とおっしゃっていますが?
私にとっても、小さい頃に映画で観た上戸彩さんの『AZUMI』を、自分が舞台で演じることができた。そのことは本当に嬉しかったです。『AZUMIニューイヤーパーティー』もがんばりたいと思っています。
 
──千秋楽を迎えるとカンパニーが解散してしまいますが、また仲間に会えますね?
きっと楽しいでしょうね。またいろいろいじられるのだろうなと(笑)。
 
──懺悔コーナーがあるそうですが、懺悔することはありそうですか?
えーっ!怖いですね。何かあったかな…公演中に殺陣で何度も切ったことかな(笑)。相手役に刀をあててしまって申し訳なかったです。
 
──セリフを忘れたりすることは?
それはなかったです!
 
──AKB時代にはバラエティで「おバカ」キャラにされていましたが、記憶力もいいのですね。
いえ、勉強はできないんです(笑)。
 
──小学生漢字ドリルもあるそうです。
えー?がんばります!(笑)
 
─年をはさんでの仕事になりますが、去年はAKBで紅白出場というイベントもありましたね。
紅白とCDTVに出演させていただきました。年末年始は歌番組が多いので、へとへとになっていました(笑)。今年はちょっと違う年末年始になりそうですし、楽しみです。
 
川栄李奈 (撮影:岩村美佳)

川栄李奈 (撮影:岩村美佳)

お芝居が好きなので舞台でも映像でもなんでも!
 
──そんな2015年を振り返って感じることは?
短い期間でいろいろなことがあったし、すごく充実した1年でした。ひとつひとつが身になったと思います。
 
──このあと、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』への出演も決まっていますが、女優としての夢ややりたいことはありますか?
お芝居が大好きで、ずっとお芝居がやりたかったので、舞台でも映像でもなんでも出させていただきたいです。まだ経験は浅いのですが、やったことがない役をいただくと新鮮な気持ちになりますし、すごく嬉しくなります。
 
──憧れの俳優さんはいますか?
満島ひかりさんがすごく好きです。以前一緒にお仕事させていただいたのですが、お芝居が本当に上手な方で、満島さんみたいになりたいと思っています。
 
──最後に2016年の抱負を聞かせてください。
いつも「楽しく生きる」と言っているんです。2016年も楽しく生きます!
 
──では『AZUMIニューイヤーパーティー』で、そしていつかまた本編の『AZUMI』で会えることを期待しています。
ありがとうございます!がんばります!
 
川栄李奈 (撮影:岩村美佳)

川栄李奈 (撮影:岩村美佳)


 
かわえいりな○神奈川県出身。女優。女性アイドルグループAKB48の元メンバー。主な出演作はTV『マジすか学園2』『マジすか学園3』『So long!』『SHARK』『セーラーゾンビ』『ごめんね青春!』『マジすか学園4』、映画は劇場版『私立バカレア高校』、舞台は『AZUMI幕末編』。2016年4月からNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』に出演。

 

【取材・文・撮影/岩村美佳】

〈公演情報〉


斬新カウントダウンスペシャル
『AZUMIニューイヤーパーティー』
原作◇小山ゆう(小学館刊)
構成・演出◇岡村俊一
脚本◇チーム渡辺(渡辺和徳 他)
出演◇川栄李奈 浅香航大 渡部秀 久保田秀敏 早乙女友貴 町田慎吾 佐藤迅 岡本あずさ 細貝圭(12月31日のみ出演) ほか 
司会◇須藤公一 久保田創
●2015/12/31~2016/1/4◎Zeppブルーシアター六本木
〈お問い合わせ〉東京音協 03-5774-3030(平日11:00~17:00)
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