あのケンシロウが帰ってきた!ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』制作発表レポート

2022.9.7
レポート
舞台

平原綾香「この経験は一生忘れることはできない」

May'n、大貫勇輔、平原綾香(左から)

ーーキャストの皆様にお伺いします。稽古場での様子や、この作品を通して伝えたいことを教えてください。

大貫勇輔(以下、大貫):こうして1年経たずに再演ができることになって本当に嬉しく思っています。たくさんの方に支えられて今があると思っているので、それをまず責任を全うして全力で挑みたいなと思っています。

そして稽古場はですね、初演から続投の人もいながら、新しい人も入って、新しい演出が加わり、本当にバージョンアップしたものが着々と出来上がっているなという実感が毎日積もっています。

(初演から)まだ1年経っていないですけど、世界的にも時代的にもいろいろな変化がありました。ケンシロウが最初に「地獄のようなこの時代に、一体何ができるんだ」と言うんですよね。それがすごく自分の中で突き刺さって。僕がこのケンシロウをやる、この時代にやる責任というものをまた感じています。

子どもたちや先輩方にいろいろなことを教えてもらいながら、この時代にこの作品をやる責任をしっかりと全うしなくてはいけないなと日々思って過ごしてます。

平原綾香(中央)

平原綾香(以下、平原):私はまだお稽古に3回しか参加できていないので、あまり偉そうなことは言えないのですが……私はまたこの作品に出演できることが嬉しくて。お稽古場に行くたびに、皆さんのパワーをいただいて、一生懸命短い時間ですけれども、お稽古させていただいております。

この『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』の初演のときは、私にとって一番つらいときに、自分の命を懸けて没頭した作品です。この素晴らしい作品が、私の胸を何度も引き裂いて、何度も抱きしめてくれた。この経験というのは一生忘れることができないと思います。

私、今まで『北斗の拳』という作品を見てこなかったんですね。こんなにいい作品で、こんなに泣ける作品なんだということ。このミュージカルを通して知ることができました。ユリアという役を通して、何ができるかなって。できればケンシロウがやりたかった。

大貫:やる……? Wキャストで(笑)。

平原:(笑)。ケンシロウは何かに打ち勝って、成長していく役なんですよね。それがとても羨ましかったんです。ユリアはある意味最初から完成されている女性で、常に待ち続ける。そして誰よりも月のように太陽のように見守っている役なので、難しかったんですが、一歩一歩稽古を重ねていく所存ですので、皆さん楽しみにしていただければと思います。

May'n(前列右)、永井大

May’n:「戦い」が大きなテーマの作品。稽古のステージに入ると、すごくエネルギッシュで、集中して、パワーが漲っています。でも一旦離れると、皆さん気さくで、すごく楽しい稽古場だなと思います。

ユリアはケンシロウのほか、シンやラオウとセリフを交わすシーンが多いので、初演から出演しているキャストはもちろんですけども、永井(大)さんとたくさんお芝居の稽古をやらせてもらっています。普段はこんなに柔らかくて、爽やかな永井さんが、真正面に目を合わせると、素で後退りしてしまうぐらい迫力がすごくて!衣装をまとってメイクをされた永井さんと舞台上で対峙するときがとても楽しみです。

毎日、選択の連続だと思うんですね。いろいろなことに直面して、自分の意思で選んで進んでいく。これでいいのかなと迷う中、日々を過ごしていると思うんです。でもとにかく自分自身の心のときめきや心の動き、大切な人を信じる気持ちで、毎日を過ごしていきたいなと思っています。

ユリアも最初からいろいろな選択を迫られますけれども、愛を信じる強い気持ちを大事に、私自身もお芝居をお届けしていきたいなと思っています。

小西遼生「気弱な僕にトキはぴったり」

小西遼生

小西遼生(以下、小西):稽古場に初めて参加したとき、ちょっと怖かったです(笑)。先ほどお話しされていた石丸さんのエネルギーの強さ、心の強さがキャスト全員、スタッフ全員に伝染していて、元いるメンバーの熱量が半端ないです。

僕、高校生のときにね、バスケ部に入ろうと思っていたんですよ。でも、あまりの怒号に体育館の扉をそっと閉めて、バスケをやらなかったんです。今の稽古場は熱量があって、そのことを思い出しました(笑)。1週間ぐらい慣れるまでは様子を見ながら、少しずつ上げてあげて、ようやく一緒の空気を吸えるようになりました(笑)。

トキという役は、熱い男たちの中でも、静かなる闘志といいますか、秘めた想いが強い役柄ですので、気弱な僕にはぴったりなんじゃないかなと思っております。

現場に流れている空気というのは、たった数公演をやるというエネルギーではなくて。中国の公演はなくなってしまいましたけど、大貫くんも事あるごとに「世界が見ても恥ずかしくないと本気で思って、シーンに挑んでいる」と。石丸さんも「どの国でも届けられるようなエネルギーを秘める作品だ」と。そういった確信を持ちながら稽古をやっているので、僕自身もまずはそのエネルギーを届けたいと思います。役柄としては、見守る愛とか託す愛とか、そういうものを伝えていけたらと思います。

伊礼彼方「ものすごい陽なんですよ」

伊礼彼方

伊礼彼方(以下、伊礼):今回、遅れて現場入りしましたけれども、非常に本がブラッシュアップされていて、分かりやすく面白くなっております。

初演はですね、ゼロから作る面白さがありましたけど、再演というのは続投組の熱意がもう込められているものですから、新しいメンバーはそこに付いていくのは最初は大変だったんだろうと思います。小西くんの話を聞いても多分相当嫌だったんだろうなと(笑)。

非常に素晴らしいメンバーが集まりまして、蓋を開けたら、みんな暑苦しいというね。個人的には、さっき石丸さんが仰ってましたけど、僕が前回演じたレイとジュウザのシーンがまぁ良くなっているんですよ!

石丸:あなたのおかげです。

伊礼:僕のおかげですか?初演のときは思いつかないもんですね。よかったね、三浦くん!三浦くんがまた素敵なのよ。羨ましくて嫉妬しちゃう!なぜあのシーンを僕にやらせてくれなかったのか!亜子さん!......そんな思いでいますけど、本当にね、分かりやすくなっております。

僕、今ベトナムでアメリカンドリームを掴んでいる最中で、途中こちら世紀末に来る。ベトナムの役もテンション高いし、ジュウザもテンションが高い。前回はね、レイとジュウザ でバランスがとれていたんですけど、今回はものすごい陽なんですよ。迷惑かけているんじゃなかなと思いつつね、暗い男たちの話でしょ?ジュウザが出てきたときは、素敵な箸休めになるよう楽しんでいただければなと思うので、楽しんでください!

上川一哉

上川一哉(以下、上川)):初めて出させていただきます。よろしくお願いします。僕も初めてお稽古場に参加させていただいたときは、皆さんの熱意に圧倒されました。

でもそれだけ皆さんの作品にかける思いや愛が詰まっているんだなと思ったのと、作品の中にたくさんのメッセージがあるんだなと改めて感じることができました。たくさんの先輩方の背中を見ながら、一つ一つ学んでいき、裸になってチャレンジしていけたらなと思っております。

たくさんのメッセージがこの作品には詰まっているなと思っております。この作品を通して、見ていただいている方の何かのきっかけになったり、明日を生きる力になってくれたらいいなと思っております。精一杯務めさせていただきます。

伊礼:本当にキャラが違いすぎて(笑)。これがWキャストの楽しみです。ぜひ味わってください(笑)。