さまざまな“フェチ”をテーマにしたアートが集い、コスプレイヤーも登場 『フェチフェス20』レポート
フェチフェス20
2022年9月18日(日)、『フェチフェス20』が東京・日本橋の綿商会館にて開催された。万全の感染症対策のもと、来場者と出展者は“ジャパニーズフェチ”の祭典を大いに楽しんだ。
フェチをテーマにしたアートが集う
SWEETRUBBERBERRY(GENk)
フェチフェスにはさまざまなフェチをテーマにしたアートが集う。SWEETRUBBERBERRYのGENkは、オカルトと血をモチーフに幻想と狂気を奇妙で愛らしく表現する。2022年10月には、愛知県gallery DRで個展『DAISY/RIPPER SRBGENk SOLO ARTSHOW』を開催予定だ。
ふるさと(タマ)
世直し屋(竜右衛門)
フェチフェス初出展のアーティストも熱い。ふるさとのタマは児童画にフェチ要素を織り交ぜる。「普通の顔が好き」と語るタマが描く人物と風景は、見る者に懐かしさを感じさせる。世直し屋の “ダーク日本テイスト” なイラストは女性から大好評。竜右衛門は、「夢で見た風景が忘れられず、そこに帰りたい」という思いから、無限に続く城と地上の神々を描く。
M井
福岡から初出展したM井は、「日常に違和感を」をテーマに、唇モチーフのブローチやイヤリングなどを製作する。和室の床の間に唇がポンとあるような、「えっ?」と驚くシーンを可愛らしく表現する。
アーニトル
asagomi
アーニトルのブースには、カニやエビなどをモチーフとした可愛らしいグッズが並ぶ。隣のasagomiのブースに並ぶマグネットなどは身体の一部がモチーフだが、こちらも可愛らしい。
フェチなファッションアイテムと出会う
巡
フェチなファッションアイテムとも出会える場がフェチフェスだ。和風な装身具を製作販売する巡は、真珠と蝋を使ったアクセサリーを扱う新ブランドを展開。フェチと関わりのない年齢層にも着実にファンが増えている。
思春期マーブル
思春期マーブルは、マンガ家のチキコがデザインした新作Tシャツを販売。マンガ家やイラストレーターに自由に描いてもらうTシャツのイラストは毎回、思春期を懐かしむ20~30代の女性の心をつかんで離さない。
DR.FEELGOOD
Romelo
最近、女性が購入して男性にプレゼントするアイテムとして「首輪」が静かなブームなのだそうだ。DR.FEELGOODは、アクセサリー作りから派生して、大人向けの首輪やチョーカーなどを制作する。購入者が男女半々で、若者からの人気が高い。Romeloの首輪は「ペットに付ける感じのデザインを人間に付ける」がコンセプト。革素材の角が当たらないよう工夫して手縫いされた逸品の数々は、お洒落なデザイン性からチョーカーとして普段使いもできる。
ResinDamascus
ResinDamascusはレザーを使って首輪やランジェリーを製作販売する。レジャーランジェリーは、コスプレイヤーの女性が撮影用に買っていくことが多いという。
かける堂ツノ支店
角カチューシャが並ぶかける堂ツノ支店では猫などのお面も展示されていた。「動物になりたい」という要望から、被るタイプのお面を作ったら評判が良かったそうだ。
フェチカルチャーの最先端に触れる
C-ROCK WORK
冨榮智会朝川総合病院
フェチカルチャーの最先端が熱い。C-ROCK WORKは、新刊写真集『UDON IMPACT』で「うどん×プロレス」という新境地を開拓。組写真の手法で時間の流れを意識できるのもユニークだ。同フロアの冨榮智会朝川総合病院は、リアルで合法的な医療フェチを目指す一方で、臓器モチーフのタンブラーなども製作販売する。現在はギプスフェチとのコラボ撮影も進行中だ。
身体改造(ケロッピー前田)
身体改造ジャーナリストのケロッピー前田は、16ページを加筆して復刊した『モドゥコン・ブック 増補完全版』を販売。前田が「どうしても欲しい人のために作った」同書は、サスペンションやスプリット・タンなどを網羅する身体改造のバイブルだ。一般書店では入手不可の同書を求めて、全国からファンが訪れた。
駕籠真太郎(似顔絵のモデルはみみずく)
特殊似顔絵が大盛況だったのは奇想漫画家の駕籠真太郎。久しぶりの似顔絵で不安もあったが、女性からの依頼が多く、新しいファンが増えている実感もあったという。フランスで『SHINTARO KAGO PUZZLE』が出版されるなど、世界的にも注目される駕籠の活躍から目が離せない。
はちんこすろっと(はち)
はちんこすろっとのブースでは、ハリドル(鍼灸アイドル)はちによる施術体験が人気だった。初めての鍼灸で身構える人たちも、はちの施術で鍼灸に対する痛さや熱さなどのイメージを払拭できて、「鍼灸を利用しやすくなった」と感謝していたそうだ。はちは「鍼灸の間口が広がってほしいです」と語る。
TOKYO ZENTAI STYLE
ゼンタイガールとの交流や立体バキューム体験を楽しめるのはTOKYO ZENTAI STYLEブース。従来は触感や見た目が重視されてきたゼンタイだが、近年は着用者に内面変化をもたらす効果も確認されているという。最初はゼンタイを着ることに抵抗のあった女性が、一歩踏み出して着てみたら本当の自分に気づいた、という事例が後を絶たない。ゼンタイの可能性は無限大だ。
10周年でさらに進化するフェチフェス
歴代キービジュアリストのフライヤー展示
2013年1月に初開催されてから20回目を迎える今回は、歴代キービジュアリストのフライヤーが特別に展示された。これまでテレビ番組などでも取材され、フェチブームを巻き起こしてきたフェチフェスの歴史に、来場者も出展者も興味津々だった。
2023年に10周年を迎えるフェチフェスは、さらに進化していくことだろう。
文・撮影=みみずく