「相当ハード」なアクション、新展開に期待大！　舞台『COLOR CROW -神緑之翼-』日向野祥・阿部快征・高本学・内田裕也インタビュー

――今作には山田ジェームス武さん、五十嵐啓輔さんが演じる敵対組織「SPIX（スピックス）」のメンバーも登場。COLOR CROWたちにとっては、候補生である白瀬礼音（遊馬晃祐）の加入も大きなポイントになりますね。

阿部：後輩キャラではあるんですけど、絶対に影は持っているはずなので気になっています。

日向野：COLOR CROWになるための素質としてある、黒い部分はなんだろうと。

阿部：礼音を演じる遊馬くん自身はかなり素直な方なので、どういうお芝居の作り方をしてくるのか今はすごく気になっています。

高本：稽古では裕也さんが持っている礼音のバックボーンも皆で共有できると思うので。

日向野：礼音のキャラクター自体もそうだけど、COLOR CROW側に新メンバーが加わったことによってどう変化していくんだろうね。今は4人だからバディは固定だけど、もし５人になった場合はどうなるんだろう？

阿部：そこのところ、どうなんですか？

内田：まだ言えない部分もあるんですが（笑）、礼音と4人のCOLOR CROWが出会ったからこそ新しく生まれてくるものもいっぱいあるはず。その部分は、僕もお客さん目線で眺めていこうと思っています。明らかになっていないバックボーンについても、小説のように書き出した文章を遊馬くんに送っています。それをどう噛み砕いて稽古に持ってきてくれるのか、とてもワクワクしていますね。

――ストーリーの主軸を担う聖護と三月のバディは、今作ではどんな空気感になりそうですか？

日向野：映画の『緋彩之翼』で特に感じたことなんですけど、僕のイメージとしては三月は弟のような存在なんです。

阿部：うん、そうだよね。

日向野：聖護には弟がいる設定なので、三月にはどこか重ねている部分もあるのかなって勝手に想像しています。だから、より一層お兄ちゃんっぽいまとめ役をやってるのだろうかと。

阿部：三月は家族を全員亡くした過去もあって、自分に寄ってきてくれる人を毛嫌いするように見えるんですけど……実は、内心めちゃくちゃ嬉しがっていると思うんです。そういう部分を、聖護とのやり取りでどこまで出していこうかというのは結構考えているところですね。

高本：今作は特に三月にとってチャンスだよね。

阿部：チャンス？

高本：1作目の『蒼霧之翼』の時点ではまだ一般人だったじゃん？ 三月にとっての絶望を舞台で見せているからこそ、今作で聖護にツッコんだりやり合ったりする姿はこれまで見てきてくれたお客さんにもグッときてもらえると思う。俺も『緋彩之翼』を試写で見たとき、三月が聖護とやりとりしてる姿に感動したんだよね。

阿部：へー、嬉しい！

高本：3作目でより深まるだろうし、シリーズだからこそ見えるキャラクターの成長がすごく面白いなと思った。今回は2人のバディによって生まれる物語だから、今度は聖護がどう成長していくのかっていうシリーズとしての展開が楽しみです。

――聖護は緑、三月は青、煉は赤とCOLOR CROWはそれぞれ自分の色を持っていますが、演じるキャラクターの色についてどんなイメージを持っていますか？

日向野：緑でパッと思い浮かぶのは森。木でも林でもなく、もっとみんなを大きく包み込むイメージが浮かぶので、本当に聖護らしい色だなと思っています。

高本：赤といえば炎ですね。煉は熱い男なので、もうストレートに炎しか浮かばないです。

阿部：僕は空ですね！　青空のイメージだし、演じてる僕の名前が "かいせい" と読むので！

日向野：あ、下の名前 "かいせい" っていうんだ？

高本：（笑）。

阿部：ねえ、なんで今知った風にリアクションするの（笑）？

――内田さん演じる椿泰親のカラーというと……？

内田：椿はね、透明です。

日向野：あれ、ブレスレットって何色でしたっけ？

内田：衣裳としては白をつけてるんだけど、色としては実は透明という設定なんです。なので、あえていうなら水のイメージですね。氷にもなれて、気体にもなれる。その性質でみんなを包み込んでいくイメージです。

――最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

日向野：舞台の『蒼霧之翼』、映画の『緋彩之翼』を経てパワーアップした、より深い部分を表現していく作品にします。今作のタイトルが『神緑之翼』と“緑”が入っているように、今作で明らかになる聖護の過去が他のキャラクター……今回は特に三月にも影響してストーリーが展開されていきます。ビシッと締まった作品にしていきますので、ぜひ劇場でお待ちしております。

阿部：まだ観劇が難しい状況なので、前作の舞台や映画を見ることができなかった方もいらっしゃるかもしれませんが、『神緑之翼』だけ見ても十分楽しめる内容になっています。この作品を見て“COLOR CROW”が気になった方は、ぜひ過去の作品にも触れていただけたら嬉しいです。多くの人に“COLOR CROW”の魅力を伝えられるような舞台を目指しますので、気軽にお越しください！

高本：“COLOR CROW”の一番の魅力は、アクションと熱い人間ドラマ。シリーズである以上、前作は絶対超えなくちゃいけないので、今作でもこれから熱く稽古していきます。パワーアップしたアクションと細かな心情表現を重視しながら、皆で一致団結して取り組んでいきます。ぜひ、劇場にお越しください。

内田：これまでは完全無欠、非の打ちどころのないまとめ役だった聖護の、少し弱い部分が今作では描かれています。新たに生まれる人間ドラマを、ぜひ劇場でご観劇いただけたら嬉しいです。

取材・文＝潮田茗、撮影＝荒川潤