帝国劇場、ビル再開発のため2025年に一時休館
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2代目帝国劇場(外観)
2022年9月27日、東宝株式会社演劇部は、2025年に「帝国劇場」を一時休館することを発表した。また同日、東宝株式会社より「帝劇ビル」の再開発決定も別途発表された。現段階で解禁されたのは、以上の情報のみ。詳報は後日改めて発表の予定。
初代帝国劇場(外観)
2代目帝国劇場(内観)
また、東宝株式会社演劇部、東宝株式会社より下記プレスリリースが届いたので、紹介する。
2025年 帝国劇場一時休館に関するお知らせ(東宝株式会社演劇部)
1911年(明治44年)、日本初の本格的な西洋式大劇場、初代帝国劇場は近代日本の文化芸術のフラッグシップとして現在と同じ東京・皇居前に誕生しました。施設・制度・演目のすべてにおいて演劇界に革新をもたらした帝劇は、1940 年(昭和15年)以降からは弊社直営劇場として、お客様に上質な娯楽である演劇舞台を国民に届け続けました。1955 年(昭和30年)には時流の変化に応じて日本初のシネラマ上映館に転換、1964年(昭和39年)映画「アラビアのロレンス」の上映をもって惜しまれつつその幕を一時閉じました。
1966 年(昭和41年)に開場した現在の2代目帝国劇場は、弊社専務取締役の任にありながら国民的劇作家、“東宝演劇中興の祖”菊田一夫の陣頭指揮により、名著『風と共に去りぬ』の世界初の舞台化を想定して建設されました。初代帝劇から継承した進取の精神のもと、国内において類を見ない大規模な舞台機構、最新鋭の音響照明設備を有し、『屋根の上のヴァイオリン弾き』、『王様と私』、『ラ・マンチャの男』、『マイ・フェア・レディ』といったミュージカル路線の推進とともに、歌舞伎から大衆演劇まで幅広いジャンルの演劇興行に邁進してまいりました。その後、大作ミュージカルのエポック・メイキング『レ・ミゼラブル』(1987年初演)と『ミス・サイゴン』(1992年初演)、『エリザベート』と『MILLENNIUM SHOCK』(現『Endless SHOCK』)(ともに 2000年初演)といった現在に至るまで再演を重ね続けている人気レパートリーに加えて、『ローマの休日』『マリー・アントワネット』『レディ・ベス』『王家の紋章』などオリジナル・ミュージカルの成功により、帝劇は最新かつ最高峰のミュージカル発信地と知られるようになりました。本年は日本アニメーションの不朽の名作『千と千尋の神隠し』の舞台化が大きな話題を呼び、来年には人気コミック『キングダム』、『SPY×FAMILY』の上演も控え、帝劇のラインナップは益々広がりをみせ、更なる発展の可能性に満ちております。
当社演劇部が標榜する、〝大衆性と芸術性の融合〟のモットーの元、110年を超える帝劇の灯を絶やさず、輝ける未来に向かって進化する新帝劇をお客様にお届けすることが、私たちの大きな使命となります。現帝国劇場の 2025年大千穐楽まで、どうぞ変わらぬご支援を賜り、新劇場の誕生をご期待くださいますよう心よりお願い申し上げます。
帝劇ビル 再開発決定に関するお知らせ(東宝株式会社)
当社は、本日開催の取締役会において、当社が所有する千代田区丸の内3丁目の「帝劇ビル」の閉館及び建て替えについて、下記のとおり決議しましたのでお知らせいたします。
「帝劇ビル」は、当社経営の「帝国劇場」を擁し、竣工から約56年が経過しており、この度、共同所有する公益財団法人出光美術館(以下「出光美術館」)様及び隣接する「国際ビル」を所有する三菱地所株式会社(以下「三菱地所」)様と共同し一体的に建て替えることを決定いたしました。
当社グループは、本年4月に「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」を公表し、創立100周年に向けた成長戦略に取り組んでおります。その具体的施策として、様々な成長投資を推進していく予定であり、本案件は不動産関連投資と演劇事業拡大における中心的な取り組みとして、中長期的な収益基盤の強化を目指します。また、本再開発事業を通じて、共同事業者である三菱地所様や出光美術館様と共に「有楽町エリアの魅力ある街づくり」にも貢献してまいります。
現在の「帝国劇場」は、1911年に近代日本の文化芸術のフラッグシップとして開設された後、1966年に建替え竣工した2代目であり、日本を代表する演劇・ミュージカルの聖地として、長年の間、多くの観劇ファン・俳優から愛されてまいりました。建替え後のビルにおいても、お客様に愛される新たな「帝国劇場」の再開を予定しており、今後、その具体的な計画について、関係各位のご協力を得ながら検討を進めてまいります。
なお、当ビル及び「帝国劇場」は 2025 年を目途に閉館する予定です。新ビル並びに新劇場の施設計画やスケジュール、事業計画等の詳細につきましては、決定次第、改めてお知らせいたします。