木村拓哉が1万5千人の前に降臨した『ぎふ信長まつり』『レジェンド&バタフライ』トークでは伊藤英明との前夜の行動も明らかに(写真9点)
左から、伊藤英明、木村拓哉 『岐阜市産業・農業祭~ぎふ信長まつり~』信長公騎馬武者行列
11月6日(日)、岐阜県岐阜市で行われた『岐阜市産業・農業祭~ぎふ信長まつり~』に映画『レジェンド&バタフライ』の主演の木村拓哉と共演の伊藤英明が参加。木村拓哉が“織田信長”、岐阜生まれの伊藤が濃姫の侍従“福富平太郎貞家”と、それぞれが撮影時に着用した衣装に身を包み、『信長公騎馬武者行列』に参戦した。
新型コロナウィルス感染拡大の影響もあって、3年ぶりの開催となった『岐阜市産業・農業祭~ぎふ信長まつり~』。『信長公騎馬武者行列』出発地点の岐阜市文化センターには“信長”と“貞家”の他にも騎馬武者行列に参加する岐阜市の中学校・高校に通う学生たちや東映京都撮影所の俳優など総勢83名が集結した。そして、かつて信長が長篠の戦いで武田軍に打ち勝つために取り入れた火縄銃鉄砲隊に扮した人々や、祭りを鮮やかな音色で彩る音楽隊が先陣を切って登場。その後、“信長”と“貞家”が満を持して降臨した。“信長”木村拓哉が「皆の者、出陣じゃ!」と、威風堂々の発声から大行列の士気を上げ、騎馬武者行列がスタート。
木村拓哉 『岐阜市産業・農業祭~ぎふ信長まつり~』信長公騎馬武者行列
伊藤英明『岐阜市産業・農業祭~ぎふ信長まつり~』信長公騎馬武者行列
映画のロゴがあしらわれた横断幕や幟旗、織田家の家紋である織田木瓜が入った幟旗がはためく中、織田軍の行軍さながらの大迫力の騎馬武者行列を見るべく、沿道の観覧席には1万5,000人の観客が詰めかけた。沿道の観客からの「信長様~!」といった歓声に、木村が手や扇子を振ると、さらに大きな大歓声が。また、岐阜出身の伊藤も地元の人々から温かく迎え入れられ、木村同様に手を振って応えていた。そして、最終地点に先に到着していた伊藤がオオトリを務めた木村を待ち迎え、盛大な騎馬武者行列を二人揃って終えた。
『岐阜市産業・農業祭~ぎふ信長まつり~』信長公騎馬武者行列
『岐阜市産業・農業祭~ぎふ信長まつり~』信長公騎馬武者行列
その後の『レジェンド&バタフライ』公開を記念したトークイベントは、信長ゆかりの地である岐阜市にて開催。こちらには、木村と伊藤に加え、メガホンをとった大友啓史監督も登壇した。ステージに3人が登場すると、割れんばかりの大きな拍手が起こり会場は岐阜市民の熱気に包まれる。
左から、伊藤英明、木村拓哉、大友啓史監督 映画『レジェンド&バタフライ』公開記念トークイベント
騎馬武者行列を終えたばかりの木村は、「先程無事にパレードを終えることが出来て、本当に良かったなと思っています。そしてすごく感謝しています。一つの大きな山場を終えて二人で部屋で抜け殻みたいになっていたのですが、会場に入られる皆さんの様子がモニター越しに見えて、もう一度自分もヒデ(伊藤英明)も覚醒してここに立たせて頂いております」と挨拶。さらに、地元への凱旋となった伊藤が「ただいま!」と大きな声で挨拶をすると、会場からは地元のスターに対する大きな拍手が鳴り響いた。伊藤は続けて、「このような大きなイベントが成功して感無量です。沿道にいらっしゃった方々の喜ぶ顔を見て、本当にこのイベントを開催出来て良かったと思います。まさか現場のセットの片隅で木村先輩と話していることが現実となって……本当に……すみません」と、言葉を詰まらせながら喜びをあらわに。さらに、「東映70周年という大きな作品で、間近で木村先輩の強い想いや背負っているものを感じました。この映画を何としても成功させて、また第二の故郷として“信長拓哉”に帰ってきて欲しいなと思います」と、新たな野望を明かした。
木村拓哉 映画『レジェンド&バタフライ』公開記念トークイベント
大友監督は、「実は皆さんと一緒にワクワクしながら沿道から二人を見ていました。この映画は信長と濃姫の物語で、岐阜が結構なウエイトを占めているんです。この映画の撮るにあたって最初に岐阜城や信長ゆかりの地を訪ね、まず岐阜の魂を感じることから映画作りを始めたんです。なので、こういう形で信長様と貞家様と共に岐阜に足を運ぶことが出来て、とても嬉しく誇りに思っています」と、本作と岐阜の繋がりに触れながら喜びを語った。
信長公騎馬武者行列で、織田信長役そして福富平太郎貞家として岐阜の町を歩いたばかりの木村と伊藤。今日の日をとても楽しみにしていたという二人は、パレードに参加した感想も明かしている。木村は「京都にある東映太秦スタジオから映画の撮影でもお力添えをいただいた役者の方々や、岐阜の中学生や高校生など沢山の方と参加しました。実は騎馬武者行列の前にこの場所で出発式を行ったのですが、その際に素敵な応援パフォーマンスを拝見して、それから表に出させていただきました。皆さんの高い志を沢山頂いたうえで街中に出させていただいたので、非常に心強かったです。そしてびっくりするほどの雲一つない空の下を歩くことができたのは非常に嬉しかったです。沢山の方の笑顔や気持ちを受けることが出来たので、早くこの作品をお届けしたいなという気持ちでいっぱいです」とコメント。これには伊藤も「(前回参加した時とは)規模が違いますね。今日も京都から映画に携わっていたスタッフが来て2時間も前から準備していただきました。このまま撮影にいけるんじゃないか、というくらいの規模でした(笑)」と話すと、木村は「撮影現場に赴く際に自分たちに施してくれた汚しや着付けをしていただきました。映画の中のからそのまま飛び出してきたような状況でした。馬も実際に劇中に登場した馬なんです」と、作品の細部に施されたこだわりを明かした。
伊藤英明 映画『レジェンド&バタフライ』公開記念トークイベント
木村と伊藤の二人が参加した『ぎふ信長まつり』は、岐阜のまちづくりに貢献した織田信長を称えて開催される秋祭り。木村と伊藤は、イベント前日(11月5日)に岐阜の街を回ったという。その時のことを、伊藤は「夜の岐阜城にロープウェイで登り360度パノラマの景色を見たのですが、二人とも一足先に完成した映画を観ていたので、とても感動しました。横を見ると先輩がもっと感動していて、二人で見た岐阜の景色は忘れられないものとなりました」と語る。すると木村も、「きっと当時は、今のような街の瞬く光はなかったと思うんですけど、天守閣から見えるこの風景を信長も見ていたんだろうなと。人工的な明かりがなかった分、天守閣から見える星は綺麗だったんだろうなという想像に浸っていたら、彼にも濃姫にも、もう少しだけ、二人の時間を持ってもらいたかったなという思いが湧いてきて、凄い感傷的になってしまいました」と、信長と濃姫に想いを馳せながら、天守閣からの景色を眺めていたことを明かした。
改めて、完成した作品について聞かれると、木村は「(信長を)演じさせていただき、すべての関係者の皆さんには感謝しかありませんでした。時代劇というものの感覚やイメージはお持ちかと思うのですが、この作品を観終わったあと皆さんの中には、本当に切ないラブストーリーだったという感情が間違いなく残ると思います。だからあの二人にはもう少し共に生きていて欲しかったという思いになると思います。『人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり』というように彼は敦盛の一節を愛して口にしますが、この作品は夢でも幻でもなく、映画という作品の中に登場することが出来た2時間48分という現実になっていると思いますので、その現実を体感して欲しいと思います」とコメント。
伊藤も「大友監督の監督としての解釈や、木村さんと綾瀬さんの演者としての解釈やバランスが素晴らしいです。監督が仰ったように岐阜が力強く、綺麗に描かれているので岐阜県人として誇りを持てる作品になっていると思います。岐阜を制すものは天下を制すということで、この作品は岐阜から天下を目指していきたいですし、日本中・世界中に広がっていく作品だと思いますので皆さん楽しみにしていてください」と力強くアピールした。
左から、柴橋正直岐阜市長、伊藤英明、木村拓哉、大友啓史監督 映画『レジェンド&バタフライ』公開記念トークイベント
ここで、現岐阜市長である柴橋正直氏が登場。柴橋市長は「私の役目は40万の市民を代表して木村さん、伊藤さん、大友監督にお礼を申し上げることです! 皆さんと一緒にパレードを歩いた学生さんたちはこの三年の間に入学式が延期になったり、部活動の練習が制約を受けて出来ない時期があったりと苦労して学生生活を歩んできました。そんな彼らが岐阜の町に生まれて良かったと思えるような瞬間を皆さんに作っていただいたことありがとうございます。お二人が来てくださると発表されてから市民の皆さんも『岐阜の町が明るくなったね』と言ってくださいました。本当に明るくなりました!それだけの希望と力をお二人が私たちの町に持ってきてくださいました。ありがとうございました」と感謝の言葉を伝えた。
これに、伊藤も「木村先輩ならやってくれると思っていました。(お祭り出演が)決まる前、木村先輩以外の関係者さんは無理だと思っていたらしいです(笑)。その提案を面白いと思ってくれたのが木村先輩」と続く。さらに、木村が「皆様の気持ちが今回のお祭りに向いたということが逆に他の地域の方たちまで伝わるようになって、これまでに沢山のニュースで今回のお祭りを取り上げていただいて、ただのお祭りだけではない、人の熱意の伝わり方をしているなと本当に感謝しています。あの時(ヒデ)がパスを出してくれなかったらこうゆうことになってなかったので伊藤英明ありがとう!という気持ちです」と感謝の言葉を伝えると、会場から伊藤へ割れんばかりの拍手が向けられた。
イベント終盤には柴橋市長から木村、伊藤、大友監督に岐阜の伝統工芸品である“岐阜和傘”がサプライズでプレゼント。木村は「和傘の内側には織田木瓜が浮き上がって、帰蝶と呼ばれた濃姫の存在も描かれていて素晴らしいです」と和傘を客席へ向けながら、笑顔を見せた。
最後に、伊藤は「このような歴史的イベントが成功したのは皆さんのおかげです。岐阜を制すものが天下を制す!この作品が全国の皆さんに届くように応援してください!」と決意を語り、大友監督も「信長は実際に生きた人なので、失礼のないようにということをスタッフ一同とても大切にしてきました。我々の歴史の上に実際に居た人たちということを大切にした作品です。先人たちの魂を今の時代にどのように伝えていくかをみんなで知恵を絞りました。岐阜の皆さんには深く、深く届く映画になっていると思いますので宜しくお願い致します」と話す。そして、木村が「(信長は)しっかり左右を見分けることの出来る丘としてこの地を“岐阜”命名したのですが、その場所から“天下布武”を掲げて前にしか進まなかった。この作品もこの岐阜から全国に、世界中に伝わっていったら嬉しいなと思っております。皆さんには自分のホームグラウンドの話だと思っていただけると思います。この『レジェンド&バタフライ』という作品を受け取って欲しいです」と作品に込めた思いをメッセージにのせ、イベントは幕を閉じた。
『レジェンド&バタフライ』は2023年1月27日(金)全国公開。