まもなく開幕! どこを切っても愉快なメロディに溢れたオペレッタ『天国と地獄』~その見どころを紹介
2019年公演より舞台写真(撮影:三枝近志)
東京二期会オペラ劇場 オペレッタ『天国と地獄』がいよいよ2022年11月23日(水・祝)から日生劇場にて上演される。
『天国と地獄』は、ギリシャ神話をオッフェンバックがパロディ化した作品だ。もともとは、吟遊詩人オルフェウス(オルフェ)が、毒蛇にかまれて死んだ妻エウリュディケ(ユリディス)を取り戻すために冥府の王のもとに向かい、2人はあともう少しで現世に戻れるというところで、ある過ちから永遠の別れを迎える……という悲話だが、オッフェンバックはパロディや風刺の要素を多分に取り入れ、どこを取っても愉快なメロディに満ちた喜歌劇に作り変えた。オッフェンバックの最高傑作という声もある、人気の高いオペレッタだ。
2019年公演より舞台写真(撮影:三枝近志)
今回の上演は、2019年に好評を博したプロダクションの再演となる。演出は2004、2010、2016年に読売演劇賞最優秀演出家賞を受賞し日本の演劇界の第一線で活躍を続ける鵜山仁。これまでにも東京二期会で『ラ・ボエーム』『ナクソス島のアリアドネ』の演出を手掛けており、『天国と地獄』ではとりわけフランス文学に造詣が深い鵜山が自ら日本語台本を書き下ろしている。
演出:鵜山仁
指揮は原田慶太楼。2014年『チャールダーシュの女王』三ツ橋敬子、2020年『メリー・ウィドー』沖澤のどか、2021年『こうもり』川瀬賢太郎と、これまでにも日生劇場での東京二期会のオペレッタ公演で、日本の若手指揮者が登場してきたが、原田は本公演が二期会デビューとなる。2020年アメリカジョージア州サヴァンナ・フィルハーモニックの音楽&芸術監督、2021年4月東京交響楽団の正指揮者に就任、NHK交響楽団との共演を果たすなど今もっとも勢いに乗るフレッシュな才能の一人の指揮に期待が高まる。また、市川浩平、下村将太、湯浅桃子、冨平安希子らをはじめ、若手からベテラン、実力派など多彩な歌手との共演にも注目したい。
指揮:原田慶太楼(c)Shin Yamagishi
出演者
『天国と地獄』の代名詞ともいえるのが、フィナーレ近くで演奏されるギャロップ風の曲だ。昔からフレンチカンカンや無声映画にも使われており、誰の耳にもお馴染みのメロディだろう。日本では、運動会でのBGMや1960年代から長く放映されたCMでも親しまれている。オペレッタは、ほぼ全編が歌でつづられるオペラと違い、セリフが多用され、コミカルな演劇的要素も大きく、「ミュージカルの元祖」とも言われている。親しみやすく愉快なメロディに溢れたこの作品は、オペラ初心者の方やミュージカル派にとっても「オペラの入口」として楽しめるに違いない。
2019年公演より舞台写真(撮影:三枝近志)
公演情報
《⼆期会創⽴70周年記念公演》
東京⼆期会オペラ劇場 NISSAY OPERA 2022提携
オッフェンバック『天国と地獄』
オペレッタ 全2幕 ⽇本語訳詞上演(歌唱部分のみ⽇本語字幕付き)
公演⽇:2022年11⽉23⽇(⽔・祝) 17:00、24⽇(⽊)14:00、26⽇(⼟)14:00、27⽇(⽇)14:00
上演予定時間:約2時間45分(休憩1回を含む)
11⽉23⽇(⽔・祝)/26⽇(⼟)
プルート 渡邉公威
ジュピター ⼜吉秀樹
オルフェ 市川浩平
ジョン・スティクス 髙梨英次郎
マーキュリー 中島康晴
バッカス ⿅野由之
マルス 菅⾕公博
ユリディス 湯浅桃⼦
ダイアナ 上⽥純⼦
世論 ⽵本節⼦
ヴィーナス 鷲尾⿇⾐
キューピット 吉⽥桃⼦
ジュノー 増⽥のり⼦
ミネルヴァ 北原瑠美
プルート ⾼⽥正⼈
ジュピター 杉浦隆⼤
オルフェ 下村将太
ジョン・スティクス 相⼭潤平
マーキュリー 荒⽊俊雅
バッカス 倉本晋児
マルス 的場正剛
ユリディス 冨平安希⼦
ダイアナ 川⽥桜⾹
世論 ⼿嶋眞佐⼦
ヴィーナス 清野友⾹莉
キューピット 松原典⼦
ジュノー 柴⽥智⼦
ミネルヴァ 中野亜維⾥
S13,500円 A11,000円 B8,000円 学⽣2,000円
※S,A席は⼆期会オペラ愛好会会員割引がございます。お申込みと同時に愛好会へもご⼊会いただけます。
※学⽣席は28歳未満の学⽣の⽅を対象といたします。
※⾞椅⼦席、学⽣席のご予約は⼆期会センターのみのお取扱いです。(⾞椅⼦席は電話のみ)
※未就学児の⼊場はお断りします。
協賛:みずほ証券株式会社 株式会社メニコン 助成:公益財団法⼈野村財団
シーズン特別協賛企業:興和株式会社 ソニーフィナンシャルグループ株式会社 ダイドー株式会社 三井不動産株式会社