武藤彩未 「夢は武道館」その歌唱力とステージングで魅せた、活動休止前ラストステージ

レポート
音楽
2015.12.30
武藤彩未

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X’mas Special LIVE「A.Y.M.X.」 2015.12.23 赤坂BLITZ

ソロアイドル・武藤彩未(19)が12月23日、東京・赤坂BLITZで『X’mas Special LIVE「A.Y.M.X.」』を開催、全21曲を熱唱した。16日に芸能活動の一旦休止を発表した武藤は、この日が休止前最後のライブ。ソロ活動1年8カ月の集大成ともいうべき内容で、ロックからバラードまでを多彩に且つ表現豊かに歌い上げた。その姿はヴォーカリストという名が相応しく、改めて歌唱力の高さを感じさせる一夜となった。最後に武藤は「お別れではないです。夢は武道館です」と力強く誓った。以下、公式のレポートよりその模様をお伝えする。


超満員の会場は熱気に満ちていた。ステージは武藤の笑顔を象徴する様にミラーボールや星のオブジェが煌びやかに舞い、クリスマスムードを演出していた。開演前はこの日の為に用意されたラジオプログラムが流れ、ソロアイドル、アーティストとしていつも武藤が聴いている曲が流れる。なかには可憐Girl’s「Over The Future」もあった。

「最初から飛ばしますよ」とのナレーションの後にSEが鳴り響く。バンドメンバーの後に、白と赤を貴重とした衣装の武藤が登場。大歓声を浴びて、「ミラクリエイション」で幕を開けた。伸びやかな歌声で会場を“彩未ワールド”に変えていく。ファンも1曲目からこの瞬間を逃すまいと声を張り、そして目に焼き付けた。

「Doki Doki」や「Seventeen」、「女神のサジェスチョン」では80年代と現代アイドルのハイブリッドともいえる武藤の魅力が全面に出ていた。そして「私からのクリスマスプレゼント」と語って披露したのは、敬愛する松田聖子の「Pearl-White Eve」。アコースティックギターとエレクトリックピアノの音色に絡む武藤の歌声はしっとりと優しく、粉雪が舞っているかの様な空間にした。その姿にファンは酔いしれた。

この日の中盤、バラードセクションでは、表現力豊かに低音から高音までを伸びやかに歌い上げると後半のハードナンバーでは一転、ロックの重要な要素でもある、危機迫る勢いをもって歌の世界観を表現。バンドのグルーヴに乗って、アイドルらしからぬロックアーティスト顔負けのステージングをみせた。バラードからロックまでこなすこの振り幅と歌唱力、そして内側に宿る情熱を体現させたパフォーマンス力は圧巻だった。

そんな魅力に包まれた夜も終盤へと向かう。武藤は、目の前のファンに活動休止の真意を直接伝えた。「アーティストとして勝負できるアイドルになりたい。お別れではないです。私の夢は武道館。皆とそこに行けるように。価値ある時間にしたい」。ファンの温かい声援に涙ぐんだ。そして、本編最後は「永遠と瞬間」を全力で歌った。

武藤彩未

武藤彩未

アンコールを願う彩未コール。真っ白なドレス姿で再登場した武藤は「明日の風」を披露した。アコースティックギターの優しい音色と透き通る歌声が響く。また、「彩りの夏」ではファンからのサプライズもあった。場内がサイリウムの白光に包まれたのだ。この光景に感極まって歌えなくなった武藤。そんな彼女に代わってファンが大合唱した。「こんなの聴いてない、泣かないでここまでこれたのに」と言いつつもファンの優しさに笑顔。キュートな一面ものぞかせた。

そして、「皆さん大好き」と別れを告げた後も彩未コールは鳴りやまなかった。そんな熱気に押されダブルアンコールで再び登場。「今の私にピッタリな曲です。皆と笑顔で明るく終わりたい」と語って「OWARI WA HAJIMARI」を熱唱した。持てるすべてを出し切り「また会おうね!」と再会を誓い、笑顔で幕を下ろした。

 

武藤のソロ活動1年8カ月はまさに歌と対峙してきた歴史だった。時にロックと向き合い、時にバラードと向き合った。幅の広い楽曲もこなす対応力はアイドルの枠を超えてヴォーカリストの域に達していた。そして、それらは生バンドによって更に磨かれた。

そんな彼女の歌唱力を証明する出来事がこの日あった。MCでファンが「これからロックの方に向かうの?」と質問。武藤は「それはありません。アイドルだけど色んなものに挑戦したかった。アイドルを極めるために敢えてロックやアコースティックをやっています」と。これはファンが幅広いジャンルを歌い上げる武藤の実力を認める一言だったのではないだろうか。

疾走するように駆け抜けたこの期間を敢えて言うならば、武藤彩未としての第一章である。そして、何度も口にしてきた「夢は武道館」をこのステージでもはっきりと述べた。その言葉には力強さがあった。物語はまだまだ続くのである。活動休止期間中の経験は彼女の表現力を更に豊かにする。この先、この日のステージを振り返ったときに、ファンの間ではきっと伝説の一夜と例えることであろう。

そして、彼女はMCでこうも語っていた。「今(本物の)歌手になりたいという気持ちが強い。ここからが私のスタート」。飽くなきアイドル、そしてヴォーカルへの探求心は衰えを知らない。彼女の第二章は既に始まっているのである。

武藤彩未

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セットリスト

X’mas Special LIVE「A.Y.M.X.」 2015.12.23 赤坂BLITZ

M01    ミラクリエイション
M02    Doki Doki
M03    Daydreamin'
M04    SEVENTEEN
M05    宙
M06    未来へのSign
M07    時間というWonderland
M08    女神のサジェスチョン
M09    Pearl-White Eve (松田聖子カバー)
M10    桜ロマンス
M11    とうめいしょうじょ
M12    風のしっぽ
M13    RUN RUN RUN
M14    A.Y.M
M15    交信曲第一番変ロ長調
M16    パラレルワールド
M17    HAPPY CHANCE
M18    永遠と瞬間
[ENCORE]
M19    明日の風
M20    彩りの夏
[ENCORE 2]
M21    OWARI WA HAJIMARI

 

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