復活のワンフェス『WONDER FESTIVAL 2023 WINTER』で感じた「好き」が必ずある場所のありがたさ

2023.2.17
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2023.2.12(Sun)『WONDER FESTIVAL 2023 WINTER』@幕張メッセ国際展示場1~8ホール

ワンフェスが帰ってきた。

2023年2月12日、幕張メッセ国際展示場1~8ホールを使って、『WONDER FESTIVAL 2023 WINTER(以下ワンフェス)』が開催された。

プロ・アマ問わず、自作したガレージキットなどを展示、販売する日本最大のフィギュアの即売会が『ワンフェス』。当日版権を得て販売される版権ものや、一点しかないレアなアイテムなどが一堂に会するこのイベントが、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、2020秋、2021冬の二開催が中止。オンライン開催、そして昨年冬の収容人数定員20000人とした2022冬開催を超えて、遂に通常開催となった今回は66の企業ディーラーと、1640の一般ディーラーが参加となった。

ワンフェスの特徴として「見ているだけで面白い」というのがあると思う。手にとって開かなければいけない同人誌と違い、確実に造形が「そこ」にある。広大なホール内をぶらついているだけでなにかしら興味を引くものが出てくる。

それが『ウマ娘』や『ブルーアーカイブ』『FGO』などの人気IPをつかった美少女フィギュアや、『ゴジラ』『ウルトラマン』などの特撮の版権モノだったり、オリジナルのキャラクター、更にはトタン板や黒板なんてものもある。なにかしら好きと思えるものがかならずある、それがワンフェスの面白さの根幹だと思うのだ。その多様性は作り手であるディーラー側が発信する「面白い」の多様性でもあるのではないだろうか。

詰めかけた人の数を見て、ワンフェスが、大型イベントがやっと帰ってきたなと感じた。久しぶりに合う人達に挨拶をし、近況報告をし、朝から並んで手に入れた山のようなお宝をダンボールに詰め込んで佐川急便の列に並ぶ。企業ブースでは新作の展示が所狭しと展開され、イベントブースでは声優の安元洋貴と徳井青空が公開生放送をしている。コスプレブースではたくさんのコスプレイヤーが写真を取り合っている。コスプレに関して言えばロボットや大型造形を使ったものが多いのもワンフェスの特徴だ。

今回はワンフェス内で『第一回幕張国際レイバーショウinワンフェス』では約三年ぶりとなる実物大イングラムのデッキアップを見るために大勢の人が並んでいた。パトレイバーは本当に根強いファンが多い。この記念の日に特車二課や整備班、果てはレイバーのコスプレイヤーたちも大勢来場。イングラムを前にして行われた記念写真撮影で、どんどんと人が増えていくのが印象的だった。

「あっ!○○もいる!一緒に入りましょうよ!みんなで写ろう!」

そんな声かけをし合えるくらいに世間が回復してきたというのはなかなか感慨深いものがあった。同じようにコロナからの脱却を感じられたのはフードコートだった。

今回はワンフェス内で初めて大型のフードコートスペースが登場。フードカーが立ち並び、沢山の人が列を作っている。体験ブースを含めて、家族連れや子供も楽しめるように配慮が進んでいると感じられたが、イベント会場で食事を取れる、というのは非常にありがたいし、イベントの会場内で飲食ブースを併設できるようになったんだな、というのもどこか嬉しかった。

必ず開催してくれるイベント、とと言うのは本当にありがたいものだ、そこでしか会えない人もいる、毎年の挨拶をするために会場に足を運ぶこともある。ある意味生存確認の術とも言えるが、そこにいけば確実に好きなものがあって、同じモノを好きと言ってくれる誰かがいる。こんな素敵なことがあるだろうか。そしてその場所を継続して提供し続けることの難しさ、ありがたさを我々はコロナを通じて知っている。だからこそ、会場には「好き」と「面白い」が笑顔とともに溢れていた気がする。

次回開催は夏の7月、見るだけでも楽しいと思える造形の祭典。半年後にはどんな世界になっているのだろうか、まだ余談も許さないとは思うが、確実にそこには「好き」と「面白い」はあり続ける。

レポート・文=加東岳史 撮影=林信行

イベント情報

『Wonder Festival 2023 Winter』(ワンダーフェスティバル)終了

■開催日時:
2023年2月12日(日)10:00~17:00
■ワンダーフェスティバル特設サイト:
https://wonfes.jp/specialsite/
■開催場所:
幕張メッセ国際展示場 1~8ホール