のだめ役は上野樹里、千秋役は三浦宏規に決定! 注目のミュージカル『のだめカンタービレ』会見レポート
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上野樹里(左)、三浦宏規
ドラマ、アニメ、映画化された大人気コミック原作のミュージカル『のだめカンタービレ』が2023年10月に日比谷 シアタークリエで初上演される。主人公の「のだめ」役は上野樹里、千秋真一役は三浦宏規が演じることが発表された。
原作の『のだめカンタービレ』は2001年より月刊「Kiss」(講談社)にて連載を開始すると瞬く間に大人気となり、2004年に第28回講談社漫画賞少女部門を受賞し、全13巻の新装版単行本ほかシリーズ累計発行部数は3900万部を超える爆発的ヒットを記録。その後はコミックの枠にとどまらず、世界中で愛されるコンテンツとしてあらゆるメディアミックスを展開し、大ヒットを収めている。
今回初のミュージカル化にあたっては、落ちこぼれながら天才的なピアノの才能を持つ音大生“のだめ”こと野田恵役を、2006〜08年のテレビドラマ、09年10年の劇場版でのだめ役を演じた上野樹里が主演するほか、同じ大学に通うエリート音大生で指揮者を目指す千秋真一役を、全国バレエコンクール入賞を経て2019年に史上最年少でミュージカル『レ・ミゼラブル』のマリウス役を射止め、その後もミュージカル『ヘアスプレー』、舞台『千と千尋の神隠し』、舞台『キングダム』に出演してきた三浦宏規が演じる。
この度、都内で会見が行われ、上野と三浦が登壇した。会見の様子を写真とともにレポートする。
上野樹里
ーー上野さんにご質問です。今回初舞台、ミュージカルに挑戦ということですが、初挑戦の決め手は何でしょうか。
上野樹里(以下、上野):ラジオ番組のゲストが(原作者の)二ノ宮知子さんでした。ちょうど『のだめカンタービレ展』が開かれていて、ラジオではそのことについてうかがっていたんですが、収録の前に「今度舞台をやるんだよね」という話を聞いて。「ちょっと興味あるんですけど」というところから今に至っています。
たくさんの方が『のだめカンタービレ展』にご来場いただいたみたいですが、私も閉館後に見学させてもらいました。いろいろなシーンが壁に描かれているんですけど、それを見ながらそのシーンの曲を聞くと、のだめが蘇ってくるというか、生き続けているというか……そんな気持ちになりました。
若い女の子や男の子が「小学生のときにお母さんと一緒に『のだめカンタービレ』を見ていたんです」と声をかけてくれたこともあります。そうやってたくさんの人の中に、映像として残っている、のだめ。歌ものではなく、クラシックのどちらかというと演奏するコメディなので、ミュージカルになるというのが想像がつかないですし、生のオケが入って、オケの人たちと一緒に息をあわせてお芝居をつくっていくことも未知の世界です。
のだめがカンタビーレするとどんな風に歌うのかな。歌い上げるというよりは、お芝居の延長線上で歌うのかな。面白いな、挑戦してみようと思いました。
三浦宏規
ーー三浦さんにうかがいます。千秋役に決まったときのお気持ちと、のだめ役が上野さんだと聞いたときのお話を教えてください。
三浦宏規(以下、三浦):いやぁ、まさかでしたね。当時も見ていましたし、本当に大好きな作品です。まずミュージカルになるんだというのが驚きでしたし、まさかあの大好きだった作品の千秋先輩に自分がなるなんて夢にも思っていなかったです。それがこういう形で叶って……しかも上野さんがのだめをやられるということで、本当に嬉しいです。
これが発表されたら、お客様というか、みなさんがびっくりされると思うんですけど……怖いです、正直。「(ドラマや映画で千秋役を演じた)玉木(宏)さんじゃないんかい!」と言われそうで(笑)。でも本当に大役なので、みなさんの期待を裏切らないように、ご迷惑をかけないように、精一杯頑張りたいという気持ちでいっぱいです。楽しみです。
上野樹里(左)、三浦宏規
ーー今改めて『のだめカンタービレ』という作品にどのような魅力を感じていらっしゃいますか。
上野:色あせることなく、皆さんの記憶に残っている作品だと思います。私自身も、初めての連ドラの主役をさせていただいたのが『のだめカンタービレ』でした。長期にわたって関わり続け、まさか今もこうしてのだめをやることになるとは想像していなかったですけど、でもDVDで何度も見てくださっているファンの方々が「生ののだめ」にちょっと嬉しく思ってくれたりするのかなと思って。
映像作品だとその年代にぴったりの俳優さんじゃないとできないですけど、舞台は年齢がリアルにその年齢じゃなくても見せられる。そこがまた挑戦かなと思っています。のだめとしてみなさんと再び会えるといいなと思います。
ーー三浦さんに質問です。バレエを通じて長年クラシック音楽には馴染んでいらっしゃると思いますが、何か思い出の一曲はありますか。
三浦:そうですね。たくさんあるんですけど、僕は幼少からクラシックバレエをやっていたので、クラシック音楽しか聞いてこなかったんですね。ポップスとかを全く知らずに育ってきた。最近は好きで聞いているんですけど、本当に昔はクラシック音楽ばかり。
電車で通学しているときもイヤホンでクラシック音楽を聞きながら通っていたんですよ。そのときにバレエ音楽ではない、いわゆる協奏曲や交響曲にあわせて、自分で振りを考えながら通学するのが趣味でした。特にラフマニノフのピアノ協奏曲第2番がすごく好きで、曲を聞きながら電車の中で勝手に振付を考えていました。『のだめカンタービレ』の中でもピアノ協奏曲は連弾しますし、本当に好きな曲なので、舞台であったらいいなと思います。
上野樹里(左)、三浦宏規
ここで、原作者の二ノ宮知子からのメッセージが紹介された。
そして天才的のだめソリストの上野樹里さんと、舞台で大活躍中の三浦宏規さんの、新しいのだめと千秋が見られるのが本当に楽しみです!
皆さま、どうぞ自由に、楽しく頑張ってください!
ーーこのメッセージを受けていかがですか?
上野:素敵なコメントですね。ありがとうございます。ソリストかぁ〜……。二次元の世界である漫画が、アニメとは違うのだめの表現や声があって、私の「ぎゃぼっ」の言い方はあれでよかったのかなと思うんですけど……でもね、(私がやると)そうなっちゃうんだからしょうがない。
今回、三浦くんと共演して、自然に、醸し出せるのだめを演じられたらと思います。舞台は初めての経験になるんですが、三浦くんと演出の上田(一豪)さんはタッグを組んで作品をつくられてきていますし、信頼できる方たちなので、いろいろとお世話になります。千秋先輩についていきます。よろしくお願いします。がんばります。
三浦:(上野さんに千秋先輩と呼ばれてニヤついてしまい)千秋先輩と言われて、こんな顔にならないように気をつけたいなと思います(笑)。自由に楽しくといういう言葉が嬉しくて。なぞるんじゃなくて、新しいと言ったらあれですけど……二ノ宮先生が描いた『のだめカンタービレ』という作品がまた舞台でどんな景色になるのか模索しながら、上野さんと一緒に作り上げていけたらなと思います。二ノ宮先生に舞台版も成功したと思っていただけるように、精一杯頑張りたいなと思っております。
上野樹里(左)、三浦宏規
ーー最後に一言お願いします!
上野:のだめは感情表現がすごく豊かな役。劇場に来てくださったみなさんには、いろんな感情をのだめとともに楽しんでほしいです。エンターテインメントとして、すごく優れた作品だと思うので、笑ったり悔しい気持ちになったり、悲しくなったり、幸せになったり。みなさんの笑顔が感じられるような舞台にできたらいいなと思いっています。よろしくお願いします。
三浦:とにかくワクワクしています。僕の親が実はピアノの先生をやっているので、まずマエストロになるということで、ピアノの合宿をしに実家に帰ろうかなと思っています(笑)。大好きな作品なので、その作品の名を汚さないように、しっかりと務めたいと思います。上野さんにはお世話になると思いますが、精一杯がんばります。素敵な作品をみなさまにお届けできればと思っていますので、みなさまよろしくお願いします。
取材・文・撮影=五月女菜穂
公演情報
■演出:上田一豪
■出演:上野樹里、三浦宏規ほか
■クラシック音楽監修:茂木大輔
■日程:2023年10月
■会場:シアタークリエ
■製作:東宝/講談社/フジテレビジョン/ライブエグザム