羊文学『EIGHT BALL FESTIVAL 2023』ライブレポートーー生きる活力の湧く、壮大なスケールのライブで「再会」を約束

2023.4.2
レポート
音楽

羊文学

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『EIGHT BALL FESTIVAL 2023』羊文学

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『エイトボールフェス』STRIPED STAGE、2日間のトリを務めたのは、羊文学。開演前から多くの観客が詰めかけ入場規制となった。コロナ禍もリリースに全国ツアーと足を止めることなく、むしろ駆け足になっての大躍進。名だたるフェスの出演も年々増えた上、重要な役割を担うようになってきた。そんな彼女たちへの期待値の高さが伺える会場のボルテージは、熱気と期待に少しの緊張感を帯びていたように思う。

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塩塚モエカ(Vo.Gt)、河西ゆりか(Ba)、フクダヒロア(Dr)の3人がステージに登場。1曲目は「光るとき」。一音、一音が繊細に紡がれていく美しさと、骨太なバンドアンサンブルの大胆さで会場を一気に掌握する。大地が鼓動するように打ち鳴らされるドラムと、体の奥の方でずっしりと響くベース。一筋の光を差すようにたなびくギター。浮かぶ情景に、やさしく包み込むような歌に、身も心も委ねてじっと聞き耽る観客たち。

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個人的に、<この最悪な時代もきっと続かないでしょう>という歌詞が、今まで以上に眩しく聴こえた。<ならば 全てを生きてやれ>と歌われ、活力が湧いてきた。この曲がリリースされた2022年1月は、まだまだ世界中が先行きの見えない暗いトンネルの中にいた、今はこうしてフェスが開催でき、存分にライブが楽しめているのだから、本当に諸行無常だ。と、1曲目から走馬灯のようにこれまでのことを思い返しては感慨深くなった。

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続けて、この3月にリリースされたばかりの新曲「永遠のブルー」を披露。春にぴったりの軽快なナンバーでクラップが巻き起こり、MCへ。「『エイトボールフェス』お誕生日おめでとうございます!」(塩塚、以下同)と祝福。さらに「ずっと言ってるんですけど、個人的に岡山がめっちゃ好きで……本当にいいところですよね。いつか移住するなら、岡山がいいな。あったかくて素敵な岡山に来れてうれしいです」と伝えられると、フロアは湧き立ち笑顔があふれる。なんともハッピーな空間に。

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「くだらない」から、「OOPARTS」、「夜を越えて」とラストスパートにかけて熱量を帯びていき、塩塚と河西が見合わせたり、身を振り乱しながらプレイ。最後は思いっきりジャンプで締めくくられ、残響と心地よい余韻で胸がいっぱいに。「必ずまた来ます」とステージを後にしたメンバー。また岡山で再開する日まで、羊文学の音楽を活力に日々を懸命に生きたい。そう思えたライブだった。

取材・文=大西健斗 撮影=センイチ

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