城田優&加藤和樹が圧巻の歌唱披露! 新キャストを迎え集大成を目指すミュージカル『ファントム』製作発表レポート

2023.4.6
レポート
舞台

挨拶を終えたあとは質疑応答へと移った。

ーー城田さんは最初は主演、そして2回目は主演と演出、今回はそれにシャンドン伯爵まで加わるという。なぜそこまでされるんでしょうか?

城田:なんででしょうかねえ。僕もわからないです(笑)。僕自身このエンターテインメントの仕事をする上で決めていることがありまして、それが挑戦ということです。基本的に何をやるにしても、とにかく絶対できないだろうということをいかに自分が努力してできるようになるか。当たり前のことのようですけれど、実はすごく難しいことで。二刀流と言われていたときも、本当にヒーヒー言いながら、隣にいる加藤和樹に助けてもらいながらずっとやってきたんです。(前回と)また同じことをやっても自分の中での挑戦としてはそこまで大きなものにはならないという中、最終的に落ち着いたところが「じゃあ城田、シャンドン伯爵も挑戦してみないか」と。僕が三刀流に挑戦することで、それが成功した暁にはきっと観てくださった方や関わってくださった方たち全てに素敵な刺激やポジティブなエネルギーを届けられるのではないかという僕なりの結論に至ったので、シャンドン役も挑戦させていただくことになりました。おそらく本当にみなさんには迷惑をかけ続ける日々が続くと思うんですけれど、そこを超えていくシャンドン伯爵を作れるように精一杯、自分なりに一生懸命努力したいと思います。 

ーー城田さんはこう仰っていますが、みなさんからはどう見えていますか? 一番近くにいた加藤さんはどうでしょう? 

加藤:彼(城田)はね、なるべくご迷惑をかけないようにと言っていますが、全然かけてください(笑)。やはりそこを支えていくのも我々カンパニーメンバーの役目だと思っているので。彼がどれだけ努力して今のこの立場にいるのかということも、我々はわかっているつもりですし、彼が実現したい夢、形があるのであれば、そこに我々も全力で応えていきたいなと思っております。

ーークリスティーヌのお二人はいかがですか? 

真彩:すごく楽しい試みだなと思って! できるのかできないのかというギリギリのラインにチャレンジするのはめちゃくちゃ楽しいことですよね。多分、私は私でクリスティーヌという役を作るのに必死だと思うんです。だからこそ演出家であったり、エリック(ファントム)であったり、シャンドンであったり、いろんな視点で見ることができる城田さんの近くにいられるというのはすごく楽しみで、私にとっても刺激だなと感じています。 

sara:人間なのだろうかというくらい、すごいなと。城田さんが挑戦されることで、私もすごく力もらえるというか。城田さんがここまで自分の限界を超えて挑戦しようとされているということは、自分もそのエネルギーを受けてそれについていって、カンパニー全員で一丸となって前へ前へと進むエネルギーが生まれていくんだろうなと思っています。

ーー大野さんはシングルキャストかと思いきや、まさかの城田さんとダブルキャストということで。何か違いを見せていくとしたらどんな風に見せていきたいと思いますか? 

大野:僕はやっぱりシャンドン一筋なので負けるわけにはいかないな、という思いです(笑)。でも一人のミュージカル・演劇ファンとして、(城田)優くんが挑戦しようとしている新しい試みを僕自身も側で見られることにすごくワクワクしています。ぜひとも大谷翔平超えの三刀流を完遂していただけるようサポートして、一緒に作り上げていけたらいいなと思っています。

城田:今日の見出しは「城田優、大谷翔平超えの三刀流へ!」ですね。

大野:さっきからずっと、和樹さんが喋っているときからこれを言おうって考えていました。

加藤:じゃあ、僕の話は聞いていなかったという。 

大野:何て言っていましたっけ?(笑)

城田:こんな感じで頑張りたいと思います(笑)。

(左から)城田優、sara、加藤和樹、真彩希帆、大野拓朗

ーー真彩さんは2回目の『ファントム』とお話しされていてましたが、前回と違って相手が今度は男性になります。その辺りの違いはいかがでしょう? 

真彩:私があまり男性・女性ということを考えていない人間なので……あ、でも身長が大きいなと思いました(笑)。私自身、一番変化を感じるだろうなというのは歌詞が違うことですね。演出が違うことよりも歌詞が違うことが大きいです。歌い込みまくった歌なので、違う歌詞が出てこないかというところはちょっと心配なんですけれども。「また『ファントム』のクリスティーヌを観れる」と思ってくださる方もいらっしゃると思うんですけれど、多分、全然違うと思います! 先に言っておきます(笑)。

ーーsaraさんはどんどんミュージカルの大作に出演されて勢いに乗っていますが、今の状況を自分でどう思いますか?

sara:信じられなくて。家族も信じていなくて(笑)。まだ実感としては自分が出ているということを全然感じていなくて。ただ『ドリームガールズ』もそうですし、『ファントム』もずっと憧れ続けた作品なので、まさか自分がそのカンパニーの一員として出られるなんて、つい最近まで全然信じられなかったようなことなんです。ですが、憧れるだけじゃなく、自分がその作品に対して何ができるかということにしっかりと向き合って、一つひとつの作品に向き合っていきたいなと今は感じています。

ーー『ドリームガールズ』では元宝塚雪組トップスターの望海風斗さんと共演、そして今回は元宝塚雪組トップ娘役の真彩希帆さんとダブルキャストということで、雪組のトップを網羅されていますね。

sara:実は私、兵庫出身なんですけれど、初めて観た宝塚が雪組の公演なんです。

真彩:そうなの!?

sara:望海さんと真彩さんの“だいきほコンビ”の公演をずっと観てきまして、退団公演ももちろん観させていただいて。

真彩:ありがとうございます!

sara:もう大好きで、録画して繰り返し観て、ココが好きとかもあって……。

城田:この場で告白するんだね?(笑)

sara:すみません(笑)。直接言うとお稽古のときとかに自分が「あっ!」てなってしまうかなと思ってずっと隠していたんですけど(笑)。

真彩:やったあ! 仲良くなりたいです(笑)。

(左から)sara、加藤和樹、真彩希帆