『及川浩治ピアノ・リサイタル』2023年9月サントリーホールで開催 情熱のピアニストが贈る純度100%のピアノ名曲集
2023年9月16日(土) サントリーホールにて『及川浩治ピアノ・ リサイタル』が開催される。
“情熱のピアニスト”として知られる及川は、1995年の正式デビュー以来ほぼ毎年、サントリーホール(東京)およびザ・シンフォニーホール(大阪)など中心に大ホールでのリサイタルを開催してきた。
いよいよ円熟の域に達そうとする及川だが、2023年春《及川浩治ピアノ・コレクション》と題し「大ホールとは異なる演奏者と客席の距離が近いホール」で「及川自身が、その時一番弾きたい曲目を自由にプログラム」することをコンセプトにした新シリーズのリサイタルを始動。
第1弾は「ラフマニノフ」をテーマに、世界的にも珍しいピアノ・ソナタ第1番と第2番の両曲をひとつのリサイタルで演奏し、大きな話題を呼ぶなど、ますます精力的な活動を見せている。
そんな及川がホームグラウンドともいえるサントリーホールで今年もリサイタルを開催する。今年のサントリーホール公演は、まごうことなき純度100%のピアノ名曲集を披露する。
最大の特徴は、ともにベートーヴェンの頂点のひとつに位置するピアノ・ソナタ第14番「月光」で開幕し、第23番「熱情」で締めくくる構成。及川の代名詞ともいえるベートーヴェンが到達した究極のピアノ・ソナタともいえる2曲に、及川が愛してやまない数々のピアノの名曲が挟まれる形でプログラムされているところだ。
ピアノ曲を代表する名曲として「英雄ポロネーズ」「幻想即興曲」をはじめとしたショパンの作品群、幅広い層に愛聴、そして愛奏されているリスト「愛の夢」、ドビュッシー「月の光」「亜麻色の髪の乙女」など、最高峰の芸術であると同時に誰もが親しみも感じられる、文字通りの「名曲」を惜しみなく選曲している。
編曲ものも魅力的で「ラ・カンパネラ」は、普段よく聴かれているものとは異なるブソーニ編曲版。よりロマンチックにより洒脱にアレンジされたバージョンで、耳慣れたメロディを新鮮な気持ちで聴くことができる。ラフマニノフ編曲によるピアノ版「愛の悲しみ」もヴァイオリンの音色とは違ったこの曲の魅力を発見できるだろう。
演奏される機会は決して多くはないが、スクリャービンのエチュード第12番「悲愴」も短い曲ながら聴きどころのひとつだ。哀愁漂う激しくも美しい旋律で、情熱と繊細さを併せ持つ及川が本領発揮できる作品となる。
新境地を切り開き、さらに進化し続ける及川の演奏に期待が寄せられる。
及川浩治 コメント
及川浩治 (C)Ayumu Gombi
今回はベートーヴェンの「月光ソナタ」と「熱情ソナタ」を最初と最後に配置した名曲プログラム、有名であると同時に作品そのものの質が素晴らしい“真の名曲”をお届けします。
「月光」はベートーヴェン自身が幻想風ソナタと言っているように、それまでのピアノ・ソナタの型を破った作品でもあります。
「熱情」はおそらくピアノ・ソナタの頂点にある作品で、ある意味においてベートーヴェン以降の誰も到達することが出来ていない偉大なソナタです。
この2 曲の間に配置した名曲の数々は、僕がこれまでにずっと愛奏してきた作品ばかりです。作品の内容・知名度共にMAXの名曲集をお楽しみください。