三谷幸喜、今一番作りたい舞台を作る 柿澤勇人、宮澤エマ、迫田孝也出演で「言語」をテーマにした密室劇を24年に上演
舞台『オデッサ』
三谷幸喜が作・演出し、新作を書き下ろした、舞台『オデッサ』が2024年1月、東京芸術劇場プレイハウスにて(大阪、福岡、宮城、愛知公演あり)上演されることが決定した。
本作の舞台は、ウクライナ南部にある都市。そこはかつてはオデッサと呼ばれていた。しかしこの物語は、オデーサともオデッサとも関係がない。
三谷幸喜が巧みに張りめぐらせる「言葉」の世界が描かれる本作では、それが真実なのか、思惑なのかわからない。
今回、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』以来、舞台作品へ久しぶりの新作書き下ろしとなる出演者は、舞台と映像の活躍が目覚ましく、三谷の信頼が厚い柿澤勇人、宮澤エマ、迫田孝也。どんな舞台になるのか、3人が挑む密室劇に期待しよう。
(左より)柿澤勇人、宮澤エマ、迫田孝也
アメリカ、テキサス州オデッサ。
1999年、一人の日本人旅行客がある殺人事件の容疑で勾留される。
彼は一切英語を話すことが出来なかった。
担当した検事補は日系人だったが日本語が話せなかった。
語学留学中の日本人青年が通訳として派遣されて来る。取り調べが始まった。
登場人物は三人。言語は二つ。真実は一つ。
密室で繰り広げられる男と女と通訳の会話バトル。
■作・演出:三谷幸喜 コメント
登場人物の少ない芝居を描きたくなりました。テーマは「言語」。
ずっとやりたかった題材です。今一番作りたい舞台を作ります。
集まってくれたのは、今一番信頼している俳優三人。柿澤さんのパワフルで繊細な演技はミュージカルの世界だけではもったいない。宮澤さんのコメディエンヌのとしての才能は世界に通用する。そして俳優迫田孝也さんの得体の知れなさは底なしだ。この三人に当ててホンが書けるなんて、僕はなんと幸せ者なのでしょうか。
■出演:柿澤勇人 コメント
楽しみ99%、不安1%です。シャーロック・ホームズ、源実朝と、役を、芝居を、楽しんで良いんだと思わせてくれたのは役者人生で三谷さんが初めてでした。次はどんな出会いが待っているのか。素敵な信頼出来る俳優お二方と一生懸命頑張ります!
毎度、三谷さんの頭の中はどうなっているのだろうと驚かされます。客席に座っている時はどの作品も俳優がイキイキとしていて、自分もソコに居たかったなぁと思いながら観ていました。一緒に作品をつくらせて頂く時は、とにかく自身の役を心から愛おしいと感じていました。どこまででも掘り下げる事が出来て、役を、作品を、世の中の人に知って頂きたいといつも思っています。
宮澤さんとは彼女の初舞台に親友役で共演させて頂きました。千穐楽のカーテンコールで「人生で初めてファンレターを頂いた」と涙ながらに話していたのを今でも鮮明に覚えています。その後も恋人役や、昨年の大河ドラマでは乳母と将軍という関係での共演が続いています。今回はどんな関係性になるのか……。今度は一緒にカーテンコールで泣きましょう!
迫田さんとは『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』が初共演でした。とにかく真面目で誠実な方です。でも酔っ払うとすぐに寝ます。今度は一緒に居酒屋で寝ましょう(笑)。
■出演:宮澤エマ コメント
出演のお話を頂いた際、台本はまだありませんでした。でも三谷さんの新作書き下ろし、しかもたった3人の出演者の1人に選んで頂けた、この事実だけで即決でした。一体どんな真実がどんな言葉で紡がれるのか、オデッサの3人に出会うのが楽しみです。三谷さんの作品は台本を読んだ時点で面白い! と感じた事をいかに体現するかが毎回大きなチャレンジです。そこから更に、いかに三谷さんの期待を上回るキャラクター創りが出来るか、「面白かった」と言って頂けるか。稽古はいつも想像力、発想力、瞬発力、そして恥との向き合い方が問われる刺激的な時間です。
柿澤君とは私の初舞台で共演してから10年間で恋人から乳母まで演じてきました。作品毎に色んな表情を見てきましたが、今回は初めての関係性で一体どんな柿澤君と出会えるのか、ワクワクしています。迫田さんは三谷さんの作品でご一緒しても共演シーンが少なく残念でしたが、何故か勝手に親しみを覚えてしまう柔らかさと何を考えているか分からない吸い込まれる様な目力が物凄く印象的な方だなぁ、と思います。迫田さんと対峙した時どんな化学反応が生まれるのか、三谷さんは私たち3人が交わるとどうなると思っているのか楽しみで怖いです。
■出演:迫田孝也 コメント
新たな三谷ワールドを創ることができるこの嬉しさといったら! 今の私があるのは間違いなく『酒と涙とジキルとハイド』、『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』のおかげなので、再びあの緊張感のある創作現場に身を置けると思うと、もうすでに居ても立っても居られない気持ちです。 三谷さんはどうすればもっと面白くなるかを常に考えていらっしゃる方なので、私からも三谷さんを刺激できるアイデアや芝居を生み出していけるよう今回も挑みたいと思います。 柿澤さん、宮澤さんお二人ともステージ上での魅力あふれる姿は皆さんご存知でしょうが、普段の雰囲気もまた格別で、一緒に居てすごく穏やかな世界が広がるんですよね。 そんな二人と共に創るこの舞台。 細部にまでとことん意識が張り巡らされた作品になるのではないかと勝手に想像しています。 皆さんどうぞご期待ください。
公演情報
日程:2024年1月
会場:東京芸術劇場プレイハウス
主催・企画制作:ホリプロ
柿澤勇人、宮澤エマ、迫田孝也
作・演出:三谷幸喜
音楽・演奏:荻野清子
美術:松井るみ
照明:服部基
音響:井上正弘
衣裳:前田文子
ヘアメイク:高村マドカ
演出助手:伊達紀行
舞台監督:瀧原寿子