“TAKU-音 TV” 発! 4台ピアノコンサートが決定~石井琢磨×髙木竜馬×藤川有樹「僕たちの”夢”が叶う瞬間。ダイナミックなサウンドを目と耳で楽しんで」
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初演を含むラインナップで新たな魅力の発見に
――当日演奏予定のラインナップについてお聞かせください。
石井:流れとしては、自己紹介替わりに一人ずつソロ演奏をして、連弾をやって、2台ピアノをやって前半を終えて、後半に4台ピアノでの演奏というかたちを考えています。2台ピアノは僕と髙木君でヒナステラの作品を演奏して、ラヴェルのボレロは藤川君と宮田君が連弾というかたちで演奏する予定です。そして後半はたっぷりと4台での演奏で交響曲をお届けします。ソロ作品は、それぞれ未定なので、そこらへんはお楽しみということで。
髙木:編成も響きもだんだんクレッシェンドしていくようなかたちを考えています
石井:僕は一つのソナタ形式と考えていて、だんだん盛り上がってゆく感じです。だから後半の最後には客席の皆さんが「おっ!」となっているはずです。
髙木竜馬
――先ほどの試弾で、情熱的でエキゾティックな一節が聴こえてきましたが……。
藤川:あれはヒナステラのバレエ音楽『エスタンシア』のマランボです。2台ピアノのための作品として以前編曲したもので、今回が初演です。
髙木:もともとはオケ作品でして、(指揮者の)ドゥダメルと彼の祖国のユースオーケストラの演奏などではお祭り騒ぎ的な感じで演奏しています。今回この作品で前半を締めるのですが、とてもふさわしい一曲だと思います。
藤川:ついつい、身体を動かしたくなるような作品です。プログラムでは、この曲の前がボレロなので舞曲つながりで並びもいいです。ボレロは僕と宮田君の連弾です。この曲はモダンバレエでもやったりしますが、二人の手が交差するところなど視覚的にも楽しんでいただけるようアレンジしています。
――なかなか耳慣れない編成ですから、「こういうところを聴いて欲しいな」という点がありましたら教えてください。
髙木:この配置(写真参照)でいくのであれば、どの角度から見てもすごく臨場感を持って楽しんで頂けると思います。僕と琢磨は客席の皆さんには背中を向けていますが、かなりダイナミックに鍵盤が見えるはずですし、この距離で鍵盤全体をご覧頂ける機会はなかなかないと思います。
横には藤川君と宮田君がいますので、彼らの表情もばっちり見えますし、通常のソロの場合だと、どうしてもサイド側のお席からは見切れてしまうところがあると思うのですが、今回に限ってはどこから見ても楽しんでいただけると思います。”あうん”の呼吸で弾くところもあれば、ばっちりアイコンタクトも取るところもあると思いますので、いかに4人が同じように呼吸をしているかも見て頂けたらとも思いますし、目と耳の両方から新しい刺激を感じて頂けたら嬉しいです。
石井:臨場感あふれる音×4というのは、実は僕たちもまだ聴いたことがないので、そのダイナミックなサウンドを僕たちと一緒に楽しむ最初のお客様になって頂けたら嬉しいですね。
藤川:全体的な響きを楽しんで頂くのももちろんですが、このホールだと、あ、このフレーズは彼が弾いているな……というようにいろいろな聴き方を楽しめると思いますね。
――今回は東京公演に加えて、徳島でも演奏されるそうですね。
石井:徳島県阿南市で8月6日(日)に『音楽の日』というフェスティバルがあり、そこでの公演も決まっています。なので二か所ツアーというところでしょうか。僕の故郷に3人を連れていきます。関西方面の方々はぜひこちらに来ていただけると嬉しいですね。
――最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
髙木:ウィーン国立音楽大学で同じ空気を共有してきた仲間たちが4人そろって演奏できる機会はなかなかないと思いますし、実際、僕たちにとっても貴重な機会ですので、僕たち自身が楽しんで演奏している様子を見に来ていただければ嬉しいです。僕たちも一生懸命準備したいと思っています。
藤川:初めて4台ピアノの響きを聴いたときは本当に衝撃を受けたのですが、今回はお客様にもそのサウンドをお届けできるのは嬉しいことです。「ピアノっていい楽器だね」さらに「オーケストラの曲っていいね」と感じて頂けるよう頑張らせていただきます!
石井:2年前のリハーサルでは、4台ピアノが置いてある部屋がなくて、二人ずつで長時間合わせをしていたんです。そのおかげで、他の人のパートもよく理解できるようになりましたし、スタッフもいないところでしたので、自分たちで蓋をはずしたり、運んだりといろいろな嬉しい苦労や思い出があります。そういうことを考えると僕たちにとっては、夢が叶う瞬間でもありますので、その瞬間にぜひ皆さんにも立ち会って頂けたら嬉しいですね。皆さん、お時間あったらぜひ来てください。
ドヴォルザーク: 交響曲第9番「新世界より」第4楽章 / Dvorak Symphony No.9 4th movement for 4 pianos
取材・文=朝岡久美子 撮影=福岡諒祠
公演情報
日程:2023年8月6日(日)
会場:阿南市文化会館
※徳島公演のお問合せ・