開幕『 花より男子 The Musical 』ゲネプロに潜入
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やっとお見せできる!早く見てほしい! …昨年秋より話題になっていた、日本一売れている伝説的少女漫画『花より男子』(原作:神尾葉子/集英社マーガレットコミック刊)の世界初ミュージカル化、『花より男子The Musical』が2016年1月5日(火)いよいよ開幕。2016年の幕開けは、【F4(Flower4)】にあやかって“花々しく”これで決まり!……ということで、初日舞台を数時間後に控えた同日昼間の囲みインタビュー&フォトセッション&公開ゲネプロ(通し稽古)に行ってきた。劇場となるシアタークリエのロビーは報道陣でごった返し、すし詰め状態。「さすが注目の作品か……、すごい!」という声も聞こえた。
そこに現れたのは、道明寺司役の松下優也(X4)、花沢類役の白洲迅、西門惣二郎役の真剣佑、美作あきら役の上山竜治、そして、牧野つくし役の加藤梨里香の5名。長身イケメンのF4の4人に挟まれ真ん中に立つ加藤は、頭一つ小さく、やたら可愛い。本番直前にも係わらず、全員に共通して感じられるのは“ほどよいリラックス”。緊張よりも「早く見てほしい!」という気持ちのほうが強いらしい。
(左から)上山竜治、白洲迅、加藤梨里香、松下優也(X4)、真剣佑
日焼けならぬ、フラッシュ焼けをするんじゃないかというフォトセッションを終え、初日を迎える心境を語った彼ら。
「緊張もあるんですが、昨年から何時間稽古場にいたんかな?というほど、みんなでずぅっと稽古場にいて作り上げてきたので、それがやっと皆さんに見ていただけるんだ、という楽しみのほうが大きい」と口火を切ったのは松下。11月後半から歌稽古が始まり、12月は丸々稽古場で過ごしたとのこと。
「濃密な1カ月でしたよね。稽古始まりが昔に思えるほど。だから、やっと、やっとか!という気持ちです」と白洲も同調。これが初舞台の真剣佑も「新しい“花男”の世界を作り上げたので見てほしい」と口を揃えた。
上山は、「稽古中も、恋模様を横で見ながらキュンキュンしていたんで、お客さん反応がとにかく楽しみです!」と、ファンならずとも必見の“恋ネタ”が満載であることをアピール。
オーディションを勝ち抜いてつくし役を手に入れた加藤は、「役が決まったのは昨年7月。それからの時間は濃密だけど、すごくあっという間でもありました。皆さんに支えられてやってきた稽古のすべてを発揮できるようがんばります。初日ドキドキわくわくしています」と、顔が笑顔でいっぱい。
物語の舞台となる“超絶金持ち”が通う私立英徳学園を支配するF4を演じるにあたり、プライベートでも仲良くしていた? と質問を受けると、「本当に稽古場で一緒にいる時間が長かったから、終わったらみんな疲れ果てていて。F4ではごはん行ってないよね」と松下。そこへ上山が「LINEもね」と口を挟み、或る事実が発覚した。「そうそう。普通、舞台の共演者同士でグループLINEをすることが多いけど、僕らは一回もやり取りしなかった」のだとか! 上山がLINEのグループを作成しF4メンバーを招待してつなげたものの、書き込んだ人はゼロ! 報道陣に笑いが起きる。「稽古場で相当話をしたので、それ以外で話すことはなかったんです。でも稽古場ではマッケン(真剣佑)がチョコレートや焼き鳥を配ってくれて。あれは、すっごく美味しかったね!」と、上山のフォローは上手くまとまった?
シアタークリエのロビーに展示されていた色紙
イケメンF4にちなみ、自分のイケメンポイントも質問された。4人一斉に苦笑が広がり面白い。役が決まってからフェイスパック(炭酸パックらしい)で肌つやを整えてきた上山は1秒考えて「やっぱりハート」と回答。見た目も確かに大事だが、演じる上では内面重視のようだ。白洲は「空気感です。見に来ていただいて感じてもらえれば」、松下は「道明寺的には、つくしに対する一途なところ。不器用でもあるんですが、そこも含めてイケメンポイントではないかと」、真剣佑は「西門的には“中分け”かな?」…これは、センター分けの髪型のことらしい。
超絶人気漫画の上に、テレビドラマでも大人気だった作品ゆえ、プレッシャーがないはずはない。が、「僕らもそれなりに稽古を積んできたので、後はもうやるしかないです」と松下、「舞台は完全に別物。しかも、歌って踊る。その意味でプレッシャーはない」と上山も言い切った。
囲みインタビューが終わり、ゲネプロを見るために劇場内に入ると、舞台に大きく置かれた英徳学園のセットが目に飛び込んできた。そして、セット裏から、微かに発声練習の声が聞こえる。声の主は、松下? 上山? ステージに飛び出すエネルギーチャージはフルフルだ。
学校のチャイムのような音が響き、開演。のっけから、歌に踊りに鮮度抜群のパフォーマンスが繰り広げられた。冒頭のソロは、加藤。のびやかな歌声が、見ている私たち観客の耳から心へと通り抜ける。その心地の良さと言ったら!
「つくしの芯の強さも見てほしいけど、ミュージカルならではといえば、心情を歌で表現するところ。セリフの言葉で出さない心情が歌詞に乗っているので、ぜひ見ていただけたらうれしいです」と、加藤は会見で見どころを話したが、まったくもってその通り。多感な10代の言葉にならない気持ちが、歌に乗ってまっすぐ届いてくる。とにもかくにも音楽が楽しい!本間昭光によるポップなメロディに、素直な歌詞がナイスなコンビネーション。鍛えられた出演者たちの踊りもキレキレ。見終わる頃には、お気に入りが見つかって口ずさんでいそうだ。
つくしから道明寺への宣戦布告、花沢に抱くつくしの淡い恋心、道明寺の不器用な愛情表現、花沢の藤堂静に寄せる想いと、原作漫画&ドラマファンにとっては絶対に外せない名シーンが、スピーディに展開していく。花沢がつくしの髪にやさしく触れる場面など、上山ではないが、キュンキュンしてたまらない。静を追う花沢、花沢を追うつくし、つくしを追う道明寺。それぞれが想い人の背中ばかりを追いかけている。うーん、切ないっ!
個人的には、つくしのパパ&ママ(吉野圭吾&生田智子)の奇妙な(?!)夫婦や、西門と美作の笑えるネタもおすすめポイント。弾け切った彼らが、舞台ならではの“花男”ワールドを全開にしていく。
……と、ここで、第一幕は終了。残念ながらマスコミに公開されるのはここまでだ。この切なさをどうしてくれよう?! すべては第二幕を見届けてのこと。堪能するには劇場に足を運ぶしかない!
(C)神尾葉子・リーフプロダクション/集英社
(C)『花より男子 The Musical』製作委員会2015
2016/1/5(火)~2016/1/24(日) シアタークリエ (東京都)
2016/1/28(木) 福岡サンパレス ホテル&ホール (福岡県)
2016/2/06(土)~2016/2/07(日) 愛知県芸術劇場大ホール (愛知県)
2016/2/11(木・祝)~2016/2/14(日) サンケイホールブリーゼ (大阪府)
松下優也(X4)、白洲迅、真剣佑、上山竜治、加藤梨里香
木村了、古畑奈和(SKE48)、玉置成実、生田智子、吉野圭吾 他
■原作:『花より男子』神尾葉子(集英社マーガレットコミックス刊)
■脚本:青木豪
■演出:鈴木裕美
■音楽:本間昭光
■公式サイト:http://www.hanadan-m.com