矢崎広、シルビア・グラブら出演 世界恐慌を生きたある家族を描いた、アーサー・ミラーの『アメリカの時計』を長塚圭史演出で上演

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2023.6.15
KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『アメリカの時計』出演者

KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『アメリカの時計』出演者

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2023年9月15日(金)~10月1日(日)KAAT 神奈川芸術劇場 <大スタジオ>にて、KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『アメリカの時計』が上演される。この度、出演者など詳細が発表となった。

長塚圭史芸術監督のもと、3年目となる2023-2024メインシーズンのシーズンタイトルは「貌(かたち)」。“貌”という漢字には、顔だち、容姿、物のすがた、外観、等の意味がある。長塚は、このシーズンタイトルについて、『目に見える「かたち」、触れて確かめる「かたち」、聞こえてくる「かたち」もあるかもしれません。(中略)あくまで「かたち」に過ぎないのに。けれど抗い難く「かたち」に囚われるのが人間です』と話す。メインシーズン「貌」では、多彩なラインアップを通して、さまざまな角度から「貌」を見つめる。

そんなメインシーズン「貌」の幕開けは、アーサー・ミラー作、長塚圭史演出の『アメリカの時計』。世界的な劇作家として知られるアーサー・ミラー作品は、代表作『セールスマンの死』をはじめ、『るつぼ』『橋からの眺め』『みんな我が子』等、近年でも多くの作品が日本で上演され続けている。KAAT神奈川芸術劇場でも、2018年に、長塚の演出で『セールスマンの死』を上演し、再演を望む声に応え2年後の2021年に再演を果たした。

今回、長塚が2度目のアーサー・ミラー作品として手掛けるのは、彼の作品の中でも非常に上演機会の少ない戯曲『アメリカの時計』。本作は、ミラーが1980年、65歳の時に発表された作品で、同年、サウス・カロライナ州チャールストンのスポレット・フェスティバルで初演後、ブロードウェイでも上演された。本作は、1929年の世界恐慌を扱ったアメリカ史劇で、株の大暴落により富の頂点にあった“アメリカの貌(かたち)”が脆くも崩れ去っていく姿が描かれている。

この戯曲に、長塚演出により、キャスト・スタッフが挑戦する。
翻訳は昨年、小田島雄志翻訳戯曲賞を受賞し、精力的に活動する髙田曜子。美術・映像はNHK連続テレビ小説「らんまん」の冒頭の映像も手掛ける上田大樹。映像作家として幅広く活躍する上田が、どのような美術・映像で本作の世界を表現するのか。

また、50数名に及ぶ登場人物を、たった13人の役者で上演するのも、見どころのひとつ。本作で描かれる主人公の一家・ボーム家の息子リー・ボームを演じるのは、ミュージカルからストレートプレイ、『鬼滅の刃』の煉獄杏寿郎まで幅広い舞台作品で活躍する矢崎広。母親のローズ・ボームには、ミュージカルからストレートプレイまで数多くの舞台で活躍するシルビア・グラブ。父親のモウ・ボームに中村まこと、祖父に大谷亮介、そして全編に登場する語り部に河内大和、複数の役を演じる俳優たちに天宮良をはじめ魅力と情熱にあふれた俳優陣が集結する。

【あらすじ】
1920年代のアメリカは史上空前の繁栄をとげ、アメリカ人の誰もが、株さえ持っていれば金持ちになれると信じて疑わなかった。しかしこの状況に疑いを持った、アーサー・ロバートソンは、いち早く株から手を引き、親しい者に警告して回るのだが誰も聞く耳を持たない…。
そして1929年、株式市場を襲った大暴落は、裕福なボーム家にも大打撃を与えた。父親モウ・ボームは剛直な実業家であったが、株に打ち込みすぎて、市場の崩壊とともに財産を失う。母親のローズは、家族が生きるために、宝石類を現金に換える日々。息子のリーは、人々が職にあぶれて飢えていく様を目の当たりにしながら、自身の人生を歩んでいく。


演出 長塚圭史 コメント

長塚圭史

長塚圭史

1980年に発表されたアメリカの劇作家アーサー・ミラーの『アメリカの時計』は、1929 年の世界恐慌を扱ったアメリカ史劇です。株の大暴落により富の頂点にあったアメリカ合衆国という国家の貌が脆くも崩れ去っていきます。ミラーはアメリカ社会に根付く本音と建前、そして資本主義(あるいは民主主義)を冷徹に見つめます。この視点は残酷なほど現在にも通じます。私たちは環境保護やグローバリゼーションなどと綺麗事を並べ立てながらも、現実には経済成長を掲げたまま、やがて砕け散るとも知れぬ社会の上に立っています。ミラーの深いため息が聞こえてくるようです。生々しく描かれる日常の崩壊を前に、我々は果たして何を信ずるべきかが問われます。
これはアメリカ史劇であると同時に世界恐慌の時代を生きたある家族の物語です。未曾有の貧困に戸惑いながらも生きる中流階級の人々の生の人間ドラマでもあります。総勢50名にも及ぶ登場人物が入り乱れる物語を、大スタジオという密度の高い空間に総勢13名の俳優で上演します。

公演情報

KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース
『アメリカの時計』
 
日程:2023年9月15日(金)~10月1日(日)
会場:KAAT 神奈川芸術劇場<大スタジオ>

作:アーサー・ミラー
演出:長塚圭史
翻訳:髙田曜子
出演:矢崎広 シルビア・グラブ 中村まこと 河内大和
瑞木健太郎 武谷公雄 大久保祥太郎 関谷春子
田中佑弥 佐々木春香 斎藤瑠希 天宮良 大谷亮介
 
美術・映像:上田大樹 照明:横原由祐 音響:池田野歩
衣裳:阿部朱美 ヘアメイク:赤松絵利 演出助手:鈴木章友 舞台監督:足立充章
料金(全席指定・税込)

一般:7,600 円
平日夜割(9/15、9/21、9/27):6,800円
神奈川県民割引(在住・在勤):6,800円
U24 (24 歳以下):3,800円
高校生以下割引:1,000円
シルバー割引(満 65歳以上):7,100円
 
発売: 一般発売 7月30日(日)
KAme(かながわメンバーズ)先行発売 7月22日(土)
 
シーズン<前期> 7月15日(土) 発売
対象作品:『アメリカの時計』(9/15~10/1)
『SHELL』(11/11~11/26)
『ジャズ大名』(12/9~12/24)
 
お問合せ:かながわ 0570-015-415(10:00‐18:00) https://www.kaat.jp
 
 
主催・企画制作:KAAT 神奈川芸術劇場
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
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