石井杏奈、秋田汐梨、岡田義徳ら出演 人間の「貌(かたち)」とは何かをめぐる新作公演『SHELL』を上演
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(上段左から)石井杏奈、秋田汐梨 (下段)岡田義徳
2023年11月11日(土)~26日(日)KAAT 神奈川芸術劇場<ホール>(京都公演あり) にて、KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『SHELL』が上演される。この度、出演者などが解禁となった。
KAAT 神奈川芸術劇場、2023-2024メインシーズン最初の<ホール>公演は、人間の「貌(かたち)」とは何かをめぐり、様々なエピソードで現代に生きる私たちを投影する、作 倉持裕と演出 杉原邦生による新作公演。
戯曲を手がける倉持裕は、小劇場の劇団からそのキャリアをスタートし、近年では舞台の脚本・演出にとどまらず、テレビドラマの脚本も手がけるなど活躍の場を広げている。今回、「若い時期ではないと得られない熱気あふれる若者たちの世界を描いてほしい」という長塚芸術監督の依頼により、倉持ならではのシュールさで女子高校生を中心とする現代の世界をリアルに描いた本作が生まれた。演出を担当する杉原邦生は、プロデュース公演カンパニーKUNIOでの活動のみならず、『オレステスとピュラデス』『パンドラの鐘』『血の婚礼』といった記憶に新しい作品を手がけるなど、今、最も精力的に活動する演出家。
年齢も性別も違ういくつもの人生を、いくつもの顔をもって同時に生きる特異な人々が登場する摩訶不思議な世界を描く本作。不思議な世界観が魅力の倉持の戯曲を、杉原がダイナミックに演出する。
音楽を手掛けるのは、SNSを通じて国内外から注目される20歳の新進気鋭の若手音楽家・原口沙輔。杉原のラブコールにより実現したコラボレーションで、原口の初めての舞台音楽参加にも期待が高まる。
主人公の高校生キャストには、2012年の女優デビューから注目作に次々出演し注目を集める石井杏奈と、集英社「Seventeen」の専属モデルとしてティーンエイジャーに支持され、女優としても活躍の場を広げる秋田汐梨に決定。また、映画『THE3名様』や、舞台『私の一ヶ月』(22年)、『歌うシャイロック』(23年)などコンスタントに映画、TVドラマ、舞台に出演し、今年芸能生活30周年を迎える岡田義徳が若き才能とともに、舞台を創り上げる。
とある高校の放課後の教室。そこには生徒の未羽(みう) 、希穂(きほ)、咲斗(さくと)と数名の友達たち。彼らは、突然学校に来なくなった松田先生について、そしてこの学校の問題について度々話し合っている。
ある日、 未羽 は通りがかったビルからマネキンが落ちてくる現場に遭遇する。そのマネキンを抱きかかえていたのは中年男の高木だが、 未羽 には高木でもあり希穂の顔にも見えるという不思議な体験をする。同じ人間がいくつもの<顔>を持っている。それは、一部の者だけが知っている世界だったのだが、 未羽 にはそれを見抜く力があった。
希穂たち以外にも、いくつもの<顔>をもっている人々が分かる 未羽 。様々な登場人物たちがうごめく中で、顔を見抜けて「絶対他者」を繋げてしまう 未羽 、顔を持つ人々、そして全く分からない人々との間に、摩擦が生じていく…
作:倉持裕 コメント
倉持裕
KAAT より「『貌=かたち』というテーマで若者たちを主人公にした話」というお題を頂き、いくつか提案したところ、おそらく最も想像がつかないという理由で、この『SHELL』という物語が選ばれた。それは一言で言うと、姿かたちを変えながら生きている若者と、それを見破ることができる若者の話である。
こちらで提案しておきながら自分でも展開が想像できなかったため、執筆はとても苦労したが、芸術監督の長塚さん、演出の杉原さん、KAAT のスタッフの皆さんからご意見を頂きながら何度も書き直すうち、この奇妙な物語の向かうべき場所がはっきり見えてきた。
苦労のかいあって、何にも似てない、どこにもない話ができた。
現実ではありえない状況に置かれた主人公たちの心境を想像する作業は楽しかった。
今のところ文字の塊にすぎないこの異様な世界が、杉原さん始め、キャスト、スタッフの力によってどんな「かたち」を獲得するのか、非常に楽しみだ。
演出:杉原邦生 コメント
杉原邦夫 (C)細野晋司
劇作家との新作づくりは毎回刺激に充ち溢れています。作家の描き出す〈言葉〉、その〈言葉〉たちによって立ち上がる〈物語〉、そしてその〈物語〉から湧き出てくるイメージ———まさに〈演劇〉が生み出されるその最初の瞬間に立ち会えているような、驚きと興奮と喜びがあるからです。初顔合わせとなる倉持裕さんとディスカッションを重ね、本を練り上げていく作業も、やはり刺激に充ち溢れています。
今回の作品は、誰しもそれぞれ持っている幾つもの〈顔〉とその役割についての物語です。そしてこの物語が、蒼(あお)き時期(とき)の只中にいる高校生の視点で描かれることで、その切実さはさらに色濃く迫ってくるように思います。その切実さが現代社会へ投げかける“問い”は決して小さくない意味を持つんじゃないか、そんな気がしています。
KAAT 神奈川芸術劇場<ホール>のダイナミックな劇場空間で、フレッシュかつエネルギッシュなキャスト&スタッフと共に、観る者の身体に刻まれるような強烈な演劇体験を創造したいと思って
います。
音楽:原口沙輔 コメント
原口沙輔
実を言うと、演劇や映画などは苦手です。
嫌いという意味ではなく、むしろその逆で、作品を観ている最中から様々な感情が胸に突き刺さり、しばらくその余韻に支配されてしまうのです。どうにかその感情を音や言葉、音階などで表現できないかと思い、他のことが手につかなくなってしまうのです。
今回、音楽制作のオファーをいただき、脚本を読ませていただいた後、もう既にこの作品が頭から離れず、その世界にまるで自分も居るかのような気分になっています。その余韻や感情や世界観を遂に自分の頭から外に出せる。それを最高の形で皆さんにお届けできるよう腕によりをかけるつもりです。
この度はお声がけいただき本当にありがとうございます。好きになった作品に直接音を付けられる機会をいただけてとても嬉しく思っています。
公演情報
『SHELL』
会場:KAAT 神奈川芸術劇場<ホール>
演出:杉原邦生
音楽:原口沙輔
岡田義徳 ほか
振付:北川結、仁科幸 演出助手:日置浩輔 舞台監督:藤田有紀彦
S 席:6,800円
S 席平日夜割:6,500円
A 席:4,800円
神奈川県民割引(在住・在勤/S 席のみ):6,000円
U24
一般発売:9月9日(土)
対象作品:『アメリカの時計』(9/15~10/1)
『SHELL』(11/11~11/26)
『ジャズ大名』(12/9~12/24)
公式サイト: https://www.kaat.jp/d/shell
主催・企画制作:KAAT 神奈川芸術劇場
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
■ツアー
<京都公演>
日程:2023年12月9日(土)、10 日(日)
主催:京都芸術大学 舞台芸術研究センター
お問合せ:京都芸術大学 舞台芸術研究センター 075-791-9207
https://k-pac.org/