忘れらんねえよ『RUSH BALL 2023』ライブレポートーー届け!届け!5回目のATMCでしつこく鳴らされる人間臭いロックンロール
忘れらんねえよ 撮影=渡邉一生
『RUSH BALL 2023』忘れらんねえよ
『RUSH BALL』初出場は2012年。気が付けば、今年でATMC5回目出場。若手登竜門ステージであり、このステージから大きなステージに羽ばたいたバンドも数知れず。あれから11年も経つが、一度たりとも忘れらんねえよ……、そんなバンド。
「しつけーぞ俺は! てか、知って欲しいのよ! 素晴らしい面子でいい歌を作っている事を!」
ギターボーカル柴田隆浩の言葉が全てだ。こんなにいい歌を作っているのに、まだ大きなステージに行けないのかと、ATMC5回ほぼ全てのライブレポートを担当する私は悔しさもあるが、ずっといい歌を作って、ずっといいライブをぶちかましているから絶対大丈夫と何の根拠も無いが信じている。
忘れらんねえよ
<笑ってるだけ セイエス>
この歌詞で初っ端から持っていく「僕らチェンジザワールド」が1曲目の時点でガッツポーズしかない。まだまだロックンロールで世界を変えられると信じている素晴らしき馬鹿であり、続く「ばかばっか」では<世の中ばかばっか>と苛立っている。この人間臭さが最高じゃないか。そして、今年は10曲連続新曲リリースなんていう、これまた素晴らしき馬鹿で向こう見ずな事に挑んでいる。フェスは観客に耳馴染ある代表曲で勝負するのが、ある意味無難だが、そんな無難な事を柴田がするはずもない。
忘れらんねえよ
3曲目で今月リリースされたばかりの「プロポーズ」をぶっ放してきたが、ありきたりのプロポーズソングなわけがなく、魂が乗っかりまくった届くこと間違いないプロポーズソング。続く「アイラブ言う」もそうだが、新曲が群を抜いて良い。11年に亘り、5回もATMCで観ているのに、毎回観終わった後にある……、この高鳴りをなんと呼んだらいいのか……。来年こそは大きなステージに連れて行って下さい。
取材・文=鈴木淳史 撮影=渡邉一生
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