【将軍岡本インタビュー】ストロングスタイルプロレス後楽園大会でレジェンド王座に初挑戦! 後楽園のシングル初メインでSSPWの風景を変える
ストロングスタイルプロレスの8・31後楽園大会のメインは、レジェンド王座をかけたタイトルマッチ
初代タイガーマスク佐山サトル率いるストロングスタイルプロレスの8・31後楽園大会のメインは、レジェンド王座をかけたタイトルマッチだ。2・22後楽園で真霜拳號を破り団体の至宝を奪還するとともに、同王座の自身初戴冠となった間下隼人に挑むのは、“悪魔将軍”こと将軍岡本である。
過去にUWAアジアパシフィックヘビー級王座を巡り争った両雄が、団体最高峰の王座をかけて激突する。彼らの歴史をたどれば実に感慨深いタイトル戦であり、しかも将軍にとってシングルで“プロレスの聖地”後楽園ホールのメインに立つのはこれが初めて。関根“シュレック”秀樹の欠場により突如巡ってきたキャリア最大のチャンスを前に、将軍岡本に話を聞いた。
会見で怪気炎を上げる将軍岡本(左端)
▼メインイベント
レジェンド選手権試合60分1本勝負
〈王者〉間下隼人〈SSPW〉vs〈挑戦者〉将軍岡本〈フリー〉
※第17代王者、初防衛戦。
王者・間下隼人(左)と挑戦者・将軍岡本(右)
――8・31後楽園でおこなわれるレジェンド王座戦、将軍岡本選手が間下隼人選手への挑戦に名乗りを挙げました。しかもレジェンド王座への挑戦は意外にも初めてになります。
「そうですね。もともとはスーパー・タイガーが持ってるときにいきたかったんだけど、いま間下が持ってると。間下が持ってるんだけど、ストロングスタイルプロレスのリングに上がる以上、やっぱり一度は腰に巻きたい気持ちがありますからね。だから、いまがチャンスじゃないかと。誰も名乗りを挙げないのならいった方がいいな、ということで出ることにしました」
――このチャンスを活かしたいということですね。
「ハイ。ただし、間下は見てません! というよりは、間下をチャンピオンとして認めてない!」
「間下をチャンピオンとして認めてない」という将軍岡本
――どういうところを認めていないのでしょうか。
「3月(18日)にも福岡で対戦したのですが(間下隼人&船木誠勝組vsスーパー・タイガー&将軍岡本組)、いままでいろんなチャンピオンと闘いましたけど、ほかのチャンピオンと比べたとしても、オレがチャンピオンだという気持ちが伝わってこなかった。オレがこのベルトを守るぞという気持ち、このベルトを持っているんだという気持ちも伝わってこなかった。だったらそのベルトをオレが奪って、オレがしっかり腰に巻いて、それを示してやろうかなと」
――ただ、その試合では将軍選手が間下選手から直接フォールを取られましたが。
「まあ、しょせんそれはタッグマッチだから(笑)」
――将軍選手としては、ベルトを巻いたばかりの間下選手の様子を見ていた感じもあったのでしょうか。
「まあ、そんなところですよ」
――あの試合というのは間下選手にとって初めての地元凱旋でした。地元凱旋が先に立ち、王者は後回しになっていたという感じですか。
「そうね。まだチャンピオンらしさが足りなかったってことですね」
――間下選手とはUWAアジアパシフィックヘビー級王座を巡り闘ってきた間柄です。取ったり取られたり、結果的には将軍選手がベルトをキープしている形になります。
「UWA王者のときってオレ、アイツに負けてないですよね」
――直接は負けていないです。将軍選手は19年9・19後楽園で岩崎孝樹選手を破り王座奪取。20年3・19後楽園での3WAYマッチで間下選手が岩崎選手をフォールし同王座初戴冠、将軍選手は負けずして王座陥落してしまいました。そして21年4・22後楽園で間下選手を破り王座奪回。おふたりのシングルはそれ以来となります。
「なるほど。UWAのベルト取った後にアイツと闘っても、自分は船木誠勝との闘いの方を楽しんじゃってたんだよね。だからこないだ王者になったからって、まだ認めてないからさ」
――将軍選手にとって、間下選手とはどういう相手なのでしょうか。
「まあ、いまの間下を見るのか、昔の間下を含めて見るのかにもよるんだけど、昔を含めて見ると、まだまだ線の細い選手、芯がない感じがオレの中ではあるんですよ」
――間下選手はストロングスタイルプロレス一筋で、デビューから15年5カ月でようやく王座にたどり着きました。
「同じ団体でずっとやってきたと。それはもう、忍耐ひとつなんでしょうね。練習も厳しいでしょうし、決してラクな団体ではない。佐山先生が体調を崩してからは正直知らないけども、体調を崩す前のお話をいろいろ聞くと、練習もいろいろ厳しいと。それを間下が耐えて耐えて、やっと体がついてきたのかなというのもあるけど、でもやっぱり、体ができ始めたばっかりかなって感じはありますね」
間下との因縁に思いを巡らせる将軍岡本
――おふたりの一騎打ちは、アントニオ猪木さんのIGFでプロレスデビューした将軍選手と、初代タイガーマスク選手の弟子である間下選手の闘いという図式にもなると思います。
「そうですね。オレがデビューしたのが猪木会長のところ(IGF)だったので、オレを猪木会長の弟子というのはおこがましい部分はもちろんありますけど、そういった図式になると思います。そして初代タイガーマスクの団体出身の間下との闘い。このふたりがストロングスタイルプレスの頂上のベルトをかけて闘える。そういった喜びはもちろんありますね」
――感慨深いものがありますか。
「ありますけど、間下とだからということではなく、やっぱりレジェンドのベルトを持ってるスーパー・タイガーと闘ってみたかったというのは変わらない。今回、チャンピオンは違いますけど、自分もここまで来たという感慨深さはありますよ」
――レジェンド王座初挑戦ですが、奪取すれば初戴冠にもなります。しかも後楽園ホールでシングのメインというのも初めてになりますね
「ハイ、そういった意味でも(感慨深い)」
――ここで一気にこの団体のトップを奪い取ることも可能ですね。
「そうですね!」
――今回ベルトを取ったらスーパー・タイガー選手とタイトルマッチをやりたいですか。それとも今回欠場となってしまった関根“シュレック”秀樹選手を挑戦者に迎えたいですか。
「オレはやはりスーパー・タイガーですね。この団体に出る以上、スーパー・タイガーと間下、このふたりは外せないわけじゃないですか。そこを破ってこそなんで、まずは間下に勝って、スーパー・タイガーにいきたいですね。そこでふたりを破ることによって、このベルトの価値が新たになると思うんで。そのうえで関根選手だったり船木選手だったり、いわゆる私も外敵のひとりではありますけど、外敵が外敵迎え撃つのもありなんじゃないかと思いますね。べつにベビーフェースじゃないからマジメにやる必要もないので。ヒーローぶるつもりもないし、好き勝手やらせてもらおうかなって」
――ここで将軍選手がベルトを取ったらストロングスタイルプロレスの風景がガラッと変わると思います。
「でしょうね。初代タイガーマスクというスーパーヒーローが作った団体で、いわゆるヒールがベルトを巻く。なかなかいいじゃないですか、ねえ!」
――悪魔将軍が初代タイガーマスクのリングを乗っ取ると。
「そうね」
――先ほど猪木さんの名前が出ましたが、将軍選手は猪木さんのIGFでプロレスデビューしました。将軍選手にとって猪木さんとはどんな存在でしたか。
「ただただ、憧れの人でしたよね。すくないながらもお話をさせていただいたし、会見ではフェースロックや技を決められたりもしました。自分にとっては優しい方でした。昔の厳しい会長を知らないので、そういう印象なんですけど」
――猪木さんの現役時代には接点がないですからね。
「そうなんですよ。IGFになってからですから。話した機会は少ないけど、優しさの中に厳しい言葉もたまにあるんですよ。その中で、導こうとするような言葉がすごく多かったイメージがあります」
今は亡き師匠アントニオ猪木氏の名言「道」を掲げる将軍岡本
――それこそ「道」を示してくれたと。
「ハイ、そんな感じですね。私たちに投げかけるような言葉ってすごく少ないんですけど、その中に、こういうふうにした方がいいんじゃないかって言葉が多かったですね」
――ヒントがあったということですか。
「そうですね。答えは人それぞれ違いますけども、一歩踏み出すことに対するヒントを出してくれたんじゃないかなというのはあります」
――それにしてもIGFでプロレスデビューしたとき、リングネームのインパクトが絶大でした。
「(笑)」
――将軍岡本。本名から来てるんでしょうけども。
「一般公募の形で500、600通きた中からついたリングネームが将軍岡本だったんですけども、本名から「将」を取ったというのは聞きました」
――戦国武将をイメージさせて、将軍というのがピッタリでしたね。
「そうですね。でも、最初はものすごくイヤだったんですよ」
――そうなんですか。
「このリングネームに決定したと聞いたとき、こっちはすごいショックを受けたんですよ。それですごく落胆しました。次の日、猪木会長が『誰だ、こんな変な名前つけたのは?』って記者の前で言ったらしくて、その後、団体からは『名前はいつでも変えられるから』と言われた瞬間に、逆にカチンときたんですよ(笑)。いや、けっこうです、このままいけますと言って、受け入れました。そんな簡単に変えられるんだったら最初から変な名前つけるんじゃねえと思ってね(笑)」
――なるほど。
「それに、猪木会長が言うには名前ってけっこう大事で。猪木会長は3文字がいいって言うんですよ。確かに声援を送るとき、3文字はコールしやすいんです。イーノーキ!で上がれるんでいいんだという話をしてました。自分の将軍も文字では違いますけど音的には3つなので、ギリギリいいかなというのもあって受け入れました」
――実際、良くも悪くもそのインパクトは大きく、キャリアがスタートしたばかりでも名前はおぼえてもらえたと思うんです。
「そうなんですよ。そこは大きかったですよね。そういった意味では、いつでも変えられると軽々しく言ってもらったことに感謝してますよ(笑)。こっちは意固地になって絶対に変えないと思って、以来ずっとこれ(将軍岡本)ですから(笑)」
決戦を前に鋭い眼差しを見せる将軍岡本
――将軍岡本として闘い続け、そしてついに訪れた、団体最高峰王座への挑戦です。
「そうなんです。シングルはベルト何個か取ってますけど、団体最高峰は初ですね。ZERO1でもインターコンチは取ってるんですけど、世界ヘビー級は取ってない。これだけ選手がいてなかなかチャンスが回ってこないなかで今回回ってきた。それだけに、このチャンスを活かしてベルト巻きたいと思いますね」
――それではあらためて、8・31後楽園でレジェンド王座に挑む意気込みをお願いします。
「いまある自分を全部出すだけです。相撲で培ったもの、IGFで培ったもの、その他数々のプロレス団体で培ったもの。すべてを出して間下を叩き潰す。そのうえで結果がついてくるものだと思うので。その後のことは先ほども話しましたが、ここはいったん忘れて、こんどのタイトルマッチに集中していきたいと思います」
好カードが目白押しの『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.25』
初代SSPW女子タッグ王座決定トーナメント準決勝をはじめ、歴代レジェンド王者が中心となるヘビー級タッグマッチなど、バラエティーに富んだ闘いがラインアップされた8・31後楽園。そのメインイベントでは、間下と将軍がレジェンド王座をかけて激突する。
間下が王者で将軍が挑戦する図式は、少し前まで考えられなかった。関根“シュレック”秀樹欠場のアクシデントがあったとはいえ、これはレジェンド王座戦線に新風を吹き込む絶好の機会でもある!ぜひ注目したい!
(聞き手:新井宏)
<対戦カード:>
▼メインイベント
レジェンド選手権試合 60分1本勝負
〈王者〉間下隼人〈SSPW〉vs〈挑戦者〉将軍岡本〈フリー〉
※第17代王者、初防衛戦。
▼第4試合
初代SSPW女子タッグ王座決定トーナメント 準決勝B 45分1本勝負
タイガー・クイーン〈SSPW〉&梅咲遥〈ワールド女子プロレス・ディアナ〉vsダーク・タイガー〈DarkerS〉&ダーク・ウナギ〈DarkerS〉
▼第3試合
初代SSPW女子タッグ王座決定トーナメント 準決勝A 45分1本勝負
ジャガー横田〈CRYSIS/ワールド女子プロレス・ディアナ〉&藪下めぐみ〈CRYSIS/フリー〉vs高瀬みゆき〈フリー〉&本間多恵〈フリー〉
▼第2試合
タッグマッチ 30分1本勝負
スーパー・タイガー&船木誠勝〈フリー〉vs関本大介〈大日本プロレス〉&宮本裕向〈666〉
▼第1試合
日高郁人〈ショーンキャプチャー〉&阿部史典〈格闘探偵団〉vs政宗〈フリー〉&チェック島谷〈GLEAT〉