山嵐『RUSH BALL 2023』ライブレポート――満を持して初参戦、ミクスチャーの先駆者が大地を揺らす

『RUSH BALL 2023』山嵐

時刻は16:30を過ぎ、少し涼しい風が吹き始めたATMCにギュッと人が集まり待ち受けるのは、今日初めて『RUSH BALL』に降り立つ日本ミクスチャーロックのパイオニア。まずはバンド名を冠する「山嵐」で登場ののろしを上げ、KOJIMA（Vo）とSATOSHI（Vo）のテンポのいい掛け合いで引きつければ、オーディエンスも弾んで大地もゆらす勢い。さらに次はガッツポーズもきめて前のめりに「PAIN KILLER」。真骨頂の強烈ミクスチャーをガツンとお見舞いすれば、観客も両手を上げこたえ、ヘドバンも。腹に来るベースはさらに人を前方に集め、大きなクラップも響きだす。

するとここで、大阪の盟友・UZMKのJUUがゲストで登場。3マイクは「Hot Jump」をより狂暴にまくし立て、人々をバウンドさせると再び大地が揺れるような感覚になる。そしてSATOSHIが初出演に関して感謝を述べると「気持ちを全力で音にぶつけたいと思います」と話して「涅槃」へ。夕暮れが近づくなか、今度は歌を聴かせて言葉を伝え、どこかエモーショナルなひと時に。

そして「いい景色をありがとな！」と口にし、そこからシームレスで「Rock'n Roll Monster」へとつなげれば、今度はギターがリードし、ラップと重なりヘビーに展開。総ハンズアップも上下させ、最後は20世紀に生まれた代表曲「BOXER'S ROAD」で襲い掛かる。重厚なサウンド、複雑なリリック、軽快なパンチラインを繰り出し、三度の大地を揺らすバウンド。体の芯から熱くするナンバーを記憶に焼きつけ、ラストはメンバーそろってのジャンプで豪快に飾った。

取材・文＝服田昌子　撮影＝渡邉一生

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