「2つで1つの作品に」高羽彩×有澤樟太郎、池田亮×東啓介が新作バックステージもの2作同時上演に意気込む〜『TOHO MUSICAL LAB.』第2弾座談会〜

インタビュー
舞台
2023.10.26

シアタークリエという空間ならではの構想

ーー前回の『TOHO MUSICAL LAB.』は無観客配信ということもあり、シアタークリエの客席を使った演出もありました。今回もシアタークリエで創作をされるということで、何か意識されていることはありますか?

池田:・・・・・・やっぱり盆ですよね。ネタバレになっちゃうけど(笑)。

:盆を使うんですか!?

池田:使います。シアタークリエにはシアタークリエにしかない空間があると思うんです。他の劇場とは違う、例えばちょうどいい高さとか、なぜか盆がしっかりあるところとか。いいところがすごく詰まった劇場なので、それを短編だからといって縮こまらせずに大きく使いたいなとめちゃくちゃ意識しています。今、僕が答える前に高羽さんが「絶対盆だ」みたいな目で見てきたので、言うしかなかったです(笑)。

高羽:ネタバレになっちゃうなら今から違うことを言っても・・・・・・(笑)。

池田:いや、もう遅いです(笑)。

:回るものは回った方がいいですからね!

高羽:私も図面を見て「盆があるなあ〜」とは思いました(笑)。でも回さないです。誰かが回しそうだなと思ったので。

池田:“誰か”って僕しかいないじゃないですか(笑)。

高羽:はい(笑)。私の場合は感覚的なお話になるのですが、シアタークリエは名だたるミュージカル作品が年がら年中かかっていて、この空間にいる人はみんなミュージカルが好きなんだろうな、と決めつけているところがあって(笑)。この空間自体がミュージカル愛に溢れた空間だろうなと。その思い込み、いやでもきっと多分そう。お客様もスタッフも、ミュージカルを好きな人がこの場所に集まってくると思うので、その愛を信じて「ミュージカルお好きですよね? 私たちもです!」という感じの空間づくりというか。お客様と舞台上のキャストと裏で支えるスタッフたちのお互いの愛情を交換するような場所にするのが、シアタークリエでミュージカルをやるときに何より大事なことかなと思います。

ーーいろいろとお話をうかがってきましたが、最後に何か言い残したことがあれば・・・・・・。

:僕、ちょっと気になっていることがあるので質問してもいいですか?

ーーぜひお願いします!

:オムニバス形式の作品はあまりやったことがないのですが、違う作品を同時上演することでお互いに意識することってあるのでしょうか?

池田:自分の意識では、バトルではなく対バン形式のような感じです。オムニバスのときに他の作品より面白くしたいと思うことはありますが、今回に関してはそうじゃなくて。高羽さんも僕も絶対に新しい発見があるから、盛りだくさんというイメージがあるんですよね。例えば『有吉の壁』や『千鳥のクセがスゴいネタGP』のようなバラエティ番組を観る感覚が強いので(笑)、とにかくバラエティ豊かなものとして観ていただけたら。

高羽:私と池田さんの作品のどちらが先に上演するかはまだ決まっていないんです。ただ、私は初日直前のバックステージを舞台にしているので、池田さんの作品にバトンを渡すようなものになるといいなと今は思っています。いろんな人が関わって舞台を作っているという作品を観たあとに池田さんの作品を観ることで、さっきの私の作品に出ていたようなスタッフさんの姿が浮かび上がってくるような構造になったらいいなあって。2本で1つの作品のような、同じテーマ性を持った作品になったらすごく素敵だなと思います。

取材・文 = 松村 蘭(らんねえ) 撮影=池上夢貢

公演情報

『TOHO MUSICAL LAB.』(2作品同時上演)
 
『わたしを、褒めて』
脚本・演出:高羽 彩(タカハ劇団)
作詞・作曲:ポップしなないで
出演 有澤樟太郎、美弥るりか、エリアンナ、屋比久知奈
 
『DESK』
作詞・脚本・演出:池田亮(ゆうめい)
作曲:深澤恵梨香
出演 東 啓介、豊原江里佳、山崎大輝、壮 一帆
 
会場:シアタークリエ
公演日時:2023 年 11 月 22 日(水)19 時 11 月 23 日(木祝)12時/16時
料金:8,800 円(全席指定・税込)
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