中村勘九郎と中村七之助らによる『平成中村座小倉城公演』が開幕 「一番太鼓」や歌舞伎の醍醐味が詰まった豪華演目の模様が公開
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(左から)中村勘九郎、中村七之助
2023年11月1日(水)福岡県北九州市の小倉城勝山公園内特設劇場にて、『平成中村座小倉城公演』が開幕した。北九州市での『平成中村座』公演は2019年以来実に4年ぶり。公演に先がけて行われた “お練り”で約25,000人の観衆を集めた盛り上がりは舞台でもそのままに、満員御礼の観客を魅了した。
「一番太鼓」の様子
「一番太鼓」の様子
初日は、中村勘九郎と中村七之助が見守る中、開場を知らせる「一番太鼓」が打たれた。集まったファンを前に勘九郎は「4年ぶりに小倉の街に一番太鼓が高らかに鳴り響いたことを本当に感慨深く思っています。来てくださったお客様ひとりひとり楽しんで、そして熱狂して帰っていただくことを誓いますのでどうぞご期待ください」と挨拶。
(左から)中村勘九郎、中村七之助
公演は今回もご当地にちなんだ演目を中心に、歌舞伎の醍醐味が詰まった豪華演目が揃った。
昼の部は、歌舞伎三大名作のひとつで義太夫狂言屈指の名作『義経千本桜 渡海屋・大物浦』で幕を開ける。勘九郎勤める平知盛が、満身創痍で壮絶な最期を遂げる場面に客席は息を飲んだ。続いては『俄獅子』を基にした舞踊『風流小倉俄廓彩』。随所に小倉や北九州の話題を盛り込み、舞台と客席全員で「小倉ゑびす締め」を行うなど一体感を生み出す。最後は舞台の後方が開き、快晴の小倉城を臨む光景に大きな拍手が送られた。
夜の部は、前回公演が大好評で多くの再演を望む声を集めた『小笠原騒動』。豊前小倉藩(現北九州市)で実際に起こったお家騒動と、当地に伝わる白狐の昔話を基にした芝居で、本水での大立ち廻りや客席を縦横無尽に駆け回る演出で客席を沸かせる。特に勘九郎と七之助がそれぞれ梯子に乗って客席の頭上を横切り、さらに鳥屋の上に登って見得を切るなど驚きの連続。
そしてクライマックスには、前回公演でも大活躍した地元の小倉祇園太鼓のメンバーが登場。最後は舞台後方が開きライトアップされた小倉城をバックに見得が決まると客席の興奮は最高潮に。「中村屋!」と大向うがかかる中、万雷の拍手が鳴り響き、小倉城での熱狂の一か月間の始まりを強く印象づけた。公演は、26日(日)まで。
なお、今回の公演期間中、二度の火災に見舞われた旦過市場一体の復興を支援するチャリティーイベントとして、「映画 中村勘三郎」の上映会と勘九郎・七之助によるトークショーを開催する。
※公演が終了しましたので舞台写真の掲載を取り下げました。
公演情報
イベント情報
会場:小倉城勝山公園内 特設劇場(福岡県北九州市)
出演:中村勘九郎、中村七之助
内容:
①「映画 中村勘三郎」上映
②中村勘九郎・中村七之助トークショー
主催:平成中村座小倉城公演チャリティーイベント実行委員会
協力:松竹/日本俳優協会/お茶子や/ステージフォー/PAC/フジテレビジョン
※この公演の収益を被災者の方の義援金として旦過市場・小倉昭和館へ寄付いたします