京都・平安神宮が幻想的にライトアップ、夜間参拝イベント『NAKED ヨルモウデ 平安神宮 2023』が開催中

『NAKED ヨルモウデ 平安神宮 2023』開催中〜2023.12.25（MON）京都・平安神宮

国指定重要文化財・平安神宮にて、2023年12月25日（月）まで『NAKED ヨルモウデ 平安神宮 2023』が開催中。『NAKED ヨルモウデ』は、クリエイティブカンパニーNAKED, INC.（ネイキッド）が手がける夜間参拝。全国のさまざまな神社仏閣を光のアートで演出し、夜ならではの特別な参拝を提案している。

平安神宮で3年連続開催となる本イベントは、今年は年末に開催。重要文化財である應天門（おうてんもん）や大極殿のライトアップ、明治時代を代表する日本庭園、東神苑の名勝・尚美館のプロジェクションマッピングなど、趣向をこらした光の演出が見どころだ。幻想的なイルミネーションを楽しむことができるのはもちろん、普段訪れることの少ない夜の神社を参拝できる貴重な機会となる。

重要文化財の宝庫、平安神宮が光のアートに包まれる

到着するとまず目にとびこんでくるのは、重要文化財・應天門。平安神宮の神門で、荘厳な建築美を際立たせるライトアップは迫力満点。ダイナミックなライトアップが丹塗りの鮮やかな赤や朱色をより一層引き立てている。

入場したらまずは、「NAKEDディスタンス提灯®」をレンタルしよう。これは、ネイキッドが開発したアートな提灯で、地面に映し出される直径1.5ｍ～2ｍの柄が重ならないように歩くことで、自然と人との距離がとれるというもの。コロナ禍に生まれたアイデアだが、距離を気にすることが少なくなった今でも「ヨルモウデ」の名物企画となっている。絵柄は各会場で異なっており、平安神宮では、前庭に植えられている橘と桜にちなんだ2種を用意。提灯を片手に会場を巡れば、地面に映し出される光が会場を鮮やかに彩り、自分自身も光のアートの一部になることができる。単色の無料タイプのほかに、演出と連動して光が変化する有料タイプ（300円）もあり。

参拝前に手や口を清める手水にも楽しい仕掛けが。特設の手水ボックスの中に手を差し入れると水が出てきて、手のひらにサザンカ、椿、ハナショウブの光の柄がランダムに映し出される。小さな子どもも参加型アートで手水を体験することで、神社の参拝について楽しく学ぶことができる。

提灯をかざすとカラフルに変化する光の回廊

平安京の遷都1100年を記念して明治28（1895）年に創建された平安神宮。社殿は平安宮の正庁であった朝堂院を8分の5スケールで再現したもので、重要文化財・大極殿（だいごくでん）は、一般参拝者が参拝することができる外拝殿となっている。普段立ち入ることができない大極殿の長い歩廊には、12ｍにわたってカラフルな提灯を設置。連動タイプの「NAKEDディスタンス提灯®︎」を所定の場所に置くと、回廊のプロジェクションマッピングが変化するインタラクティブアートを楽しむことができる。光のアートを楽しんだあとは「二拝二拍手一拝」でお参りを。参拝エリアは、一部撮影禁止の場所があるので注意。

見事なリフレクションに見惚れるプロジェクションマッピング

会場に流れている音楽もネイキッドのサウンドチームが手掛けるオリジナル。静謐な境内にマッチする神秘的な音の演出により、非日常的な空間により没入することができる。エリアごとに音楽も変化するので、是非五感で楽しみながら散策しよう。

続いては社殿を取り囲むように配置された総面積１万坪の庭園エリアへ。平安神宮の神苑は、明治時代の代表的な池泉回遊式の日本庭園で、多くの名園を手掛けた造園家、七代目小川治兵衛（おがわ じへえ）が手掛けたもの。その中でも一番広い東神苑に佇む尚美館（しょうびかん）に映し出されるプロジェクションマッピングは必見。春は桜、秋は紅葉など東神苑にある植物で四季を表現した約3分間の映像に目をうばわれる。栖鳳池（せいほういけ）の水面に映像が反射して逆さまに映る“リフレクション”の美しさも同時に楽しんでほしい。

池を囲む小径を進んでいくと、少し離れたところから尚美館を眺めることができ、また違った趣が。紅葉越しのフレーム感を活かして写真撮影するのもオススメ。

栖鳳池を横断する橋殿、泰平閣（たいへいかく）も提灯でライトアップされている。たくさんの提灯があたたかく照らす光景とともに、夜の神秘的な神苑を見渡すのもいい。どこから見ても絵画のような景色が広がるので、写真撮影に夢中になってしまいそう。提灯には願い事を書いた短冊（300円。販売所にて購入可能）を吊るすことができる。参拝の記念に、一年の締めくくりに是非。

平安神宮会館とコラボレーションした特別ディナーコースも

平安神宮会館のシェフ＆パティシエが本イベントのためだけに作り上げた限定ディナーコースも用意。コースは、先付け「百合根のフラン あん肝のテリーヌ べっ甲餡かけ」を含む全6品で、メイン料理は鴨ローストコース11000円と和牛ローストコース13000円の２種類から選べる。セットとなっているので、「NAKEDヨルモウデ 2023 平安神宮」を満喫したあとに、神苑を眺めながら和食とフレンチが融合した贅沢ディナーを楽しもう。※要事前予約、ディナーコースの購入が必要。

会場内では、参拝した日の日付が入る濃紺のオリジナル御朱印500円、お守り800円など「NAKEDヨルモウデ2023平安神宮」限定グッズも販売。来場の記念やお土産に購入してみては。

『NAKED ヨルモウデ 平安神宮 2023』は、2023年12月25日（月）まで開催中。

取材・文＝岡田あさみ　撮影＝Hoshina Ogawa