『徳川美術館展』で刀剣「鯰尾藤四郎」が大阪に帰省、展示構成やとくびぐみグッズも公開、音声ガイドは国仲涼子
『徳川美術館展 尾張徳川家の至宝』 ※画像はすべて徳川美術館蔵
4月27日(土)~6月23日(日)の期間、あべのハルカス美術館にて開催される『徳川美術館展 尾張徳川家の至宝』の展示構成やグッズ、音声ガイドのナビゲーターを国仲涼子が務めることが発表された。
徳川家康の九男・義直(1600~50)によって創始された尾張徳川家は、名古屋城を居城とした大大名で、紀伊徳川家・水戸徳川家とともに御三家の一つに数えられていた。徳川美術館は、尾張徳川家に伝えられた大名道具を有し、その所蔵品は家康の遺品「駿府御分物」をはじめ、歴代当主や夫人たちの遺愛品など一万件余りにのぼる。同展では、数ある名品の中から、甲冑や刀剣など武具のほか、茶道具や香道具、能道具、婚礼調度、書画などを通して、尾張徳川家の歴史と華やかな大名文化を紹介。刀剣ファンに人気の「鯰尾藤四郎」も大阪に帰省する。
◆第一章 尚武
「脇指 銘 吉光 名物 鯰尾藤四郎」、鎌倉時代 13世紀
大名は、武力でその支配権を確立した武士であり、軍事戦闘集団の長。太平の続く江戸時代においても、大名はあくまでも武士であり、常に戦闘の準備は怠りなく進められていた。大名家では様々な「いくさ道具」を準備すると同時に、格式に相応しい武具を取りそろえ、武家の象徴として大切に守り伝えてきた。ここでは神影として描かれた「徳川家康画像(東照大権現像)」や尾張徳川家初代義直が着用した「銀溜白糸威具足」を展示。大阪会場限定で、大坂落城で焼けるも再刃され家康の所有になった「脇指 銘 吉光 名物 鯰尾藤四郎」も出品される。
◆第二章 清雅
「花色・茶・萌黄段に輪宝・稲妻・杉木立文厚板唐織」、江戸時代 17世紀 ※展示期間:4/27~5/26
武家の政権は武力によって打ち立てられるも、それを維持する秩序が必要だった。秩序は武力を背景とするが、社会を組み立てる上で必要なあらゆる分野に及び、芸能もまた例外ではない。茶の湯は武家の故実・礼法として必要な教養、能は徳川幕府の式楽に位置づけられ、公式行事における重要な演目となった。また、香は儀礼の贈物と同時に、武家の教養として重視された。石川五右衛門が秀吉の寝室に忍び込んだ時、鈕(つまみ)の千鳥が啼いたという伝説がある「青磁香炉 銘 千鳥 大名物」や、荒ぶる神力を思わせる印象的な意匠の着物「花色・茶・萌黄段に輪宝・稲妻・杉木立文厚板唐織」(大阪会場限定)などが展示される。
◆第三章 求美
重要文化財 「純金葵紋蜀江文薬茶碗」と「純金葵紋蜀江文薬鍋」、江戸時代 寛永16年(1639)
武具をはじめとする公的な「表道具」に対して、大名自身やその家族が「奥」とよばれる私的な生活の場で使用した道具、また教養を高め、趣味や遊びに用いた道具は「奥道具」と言われる。大名自身をはじめ武家の者は、和歌を詠み、絵・楽や文学に親しむことを一つの価値観・人生観とし、数多くの作品や道具類が大名家に所蔵された。高度な金工技術水準を示す遺例で、重要文化財の「純金葵紋蜀江文薬茶碗と純金葵紋蜀江文薬鍋」もそのうちの一例である。
◆四章 至宝
国宝 「源氏物語絵巻 宿木(三)」、平安時代 12世紀 ※展示期間:5/28~6/9 ※4場面を会期中、順次展示
数ある所蔵品の中でも、現存最古の源氏絵の遺例である国宝「源氏物語絵巻」、そして三代将軍家光の長女・千代姫が婚礼調度として持参した国宝「初音の調度」は、徳川美術館のコレクションの精華というべき存在で、日本を代表する名宝。
国宝 「初音蒔絵旅櫛箱」、江戸時代 寛永16年(1639) ※展示期間:4/27~5/26
会期中、ミュージアムショップにて同展限定のとくびぐみ2024年デザインのグッズも販売される。なお、「とくびぐみ」とは徳川美術館が所蔵する刀剣のうち、鯰尾藤四郎、後藤藤四郎、物吉貞宗、南泉一文字、本作長義、五月雨郷の6振りの通称。
ガラス根付 770円(税込)
タイルマグネット 770円(税込)
はイープラスほかプレイガイドにて販売中。
イベント情報
[開館時間] 火~金/10:00~20:00 月土日祝/10:00~18:00 (入館は各日閉館の30分前まで)
[休館日] 5月7日(火)、5月27日(月)
[会場] あべのハルカス美術館
[主催] あべのハルカス美術館、徳川美術館、読売新聞社
[協賛] 岩谷産業、清水建設、大和ハウス工業
[お問合せ] 06-4399-9050(あべのハルカス美術館)
[美術館公式HP] https://www.aham.jp/
[観覧料](税込)
※障がい者手帳をお持ちの方は、美術館カウンターで購入されたご本人と付き添いの方1名様まで当日料金の半額。