NIKO NIKO TAN TAN、近石涼、Uncurtainが「好きを見つける」一助に、大阪音楽大学の学生企画『“PLAY GROunD” -MINAMI WHEEL EDTION-』DAY1「〜好きを見つけよう!!〜」
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撮影:オイケカオリ
大阪音楽大学ミュージックビジネス専攻presents『“PLAY GROunD” -MINAMI WHEEL EDTION-』DAY1「〜好きを見つけよう!!〜」2024.12.21(SAT)大阪・あべのROCKTOWN
12月21日(土)、22日(日)の2日間、あべのROCKTOWNで大阪音楽大学ミュージックビジネス専攻presents『“PLAY GROunD” -MINAMI WHEEL EDTION-』が行われた。本イベントは大阪音楽大学のミュージックビジネス専攻(以下、MB専攻)の1年生が授業の一環として企画したもの。今回は2daysの開催で、DAY1のテーマは「〜好きを見つけよう!!〜」。本記事では、NIKO NIKO TAN TAN、近石涼、Uncurtainが出演したDAY1のレポートをお届けする。
開演の少し前、あべのキューズモール内にあるライブハウスROCKTOWNに到着すると、学生たちが元気に声を出して入場列を整理していた。100年以上の歴史と伝統がある大阪音楽大学に2022年4月に新しく開設されたMB専攻は、音楽・エンタテインメントビジネスのプロフェッショナルを育成する専攻だ。今回のライブイベントは1年間の集大成として1年生が行う初めての企画。企画立案、コンセプト設定、ブッキングから当日のスタッフまで、学生主体で進めていく。
会場では来場者を楽しませるため、様々な取り組みが行われていた。『-MINAMI WHEEL EDTION-』ということで、『MINAMI WHEEL 2024』のパスを提示すると限定ステッカーがもらえる企画や、「今の想い」を書き入れるフラッグを用意。SNSでは「#ぷれいぐらうんど」で告知をはじめ、ライブの様子や感想をアップしていた。また、開場中や転換中に流れていた会場内BGMは学生がチョイスした楽曲。ライブ前に流れるイベントのオリジナルジングルも学生が作ったものだ。
開演時間になるとステージに2名の学生が登場し、オープニングMCを行う。「あなたと音楽の遊び場で最高の時間を作り出す、『大阪音楽大学ミュージックビジネス専攻presents“PLAY GROunD”』にお越しいただきありがとうございます。テーマは「〜好きを見つけよう!!〜」。本日はこの場所で皆さんの好きを見つけていただけたらと思います」と元気に挨拶した後は、本日登場する3組のアーティストの魅力を紹介し、コール&レスポンスで会場の熱を上げて、いよいよライブがスタートした。
Uncurtain
トップバッターは「ジャンルをクロスオーバーさせた新世代のポップスサウンドが魅力」と紹介された、大阪発・現役大学生4ピースバンドのUncurtain。学生作のジングルに続きバンドSEが流れると、スモークの中でGaku Takegawa(Gt)、Tomoki Okamura(Ba)、Taishin Sanada(Dr)、サポートギターのshoyaがステージに登場。ギターが勢いよく唸り声を上げるとRiki Chase(Vo)が現れ、1曲目の「傀儡」を披露した。
少しダークで攻撃的なサウンドを爆音で響かせつつ、Rikiはゆらゆらと気怠そうに、しかし伸びのある歌声で会場を満たしていく。「傷口」ではさらに勢いを強め、フロントマン4人が一斉に前に出て、フロアを煽るように自由に動いて楽器をかき鳴らす。続けざまにゴリゴリのロックチューンを投下。演奏力の高さを感じるプレイに舌を巻いたが、メンバー1人1人の際立った存在感も印象的で、現役大学生とは思えない圧巻の佇まいだ。Rikiもがなるようなボーカルや力強いロングトーンでオーディエンスを圧倒していく。
MCでRikiは「早い時間からこんなに集まってくれてありがとうございます。好きを見つけようということで、好きになってください! そのためにここに立ってます。カッコ良いライブをします」と頼もしい言葉を届け、「不整命」を連続で披露。メロディアスでありながら、ヒップホップやラウドロックなどの様々なジャンルを織り交ぜた楽曲は一筋縄ではいかない面白さがある。Rikiは「さっきも言ったけど好きになってもらうために今日ここに立ってます。2024年も終わってしまうけど、今年最後にええもん見つけたな〜って思ってもらえるように、最後までライブします。普段はライブハウスにいるのでまた会いましょう!」と述べて、包み込むような明るいサウンドで「天の扉」を爽やかに響かせ、「最後までブチ上がっていくぞ!」と最新曲「リーストインピース」を叩き込み、思い切りパワフルに締め括った。
近石涼
続いては、神戸を拠点に活動するシンガーソングライターの近石涼。キーボードの前に座った近石は、幕が開くと同時に鍵盤を鳴らして「近石涼です! 2日間で僕だけ1人なんですよ。皆が一緒に手拍子で楽しんでくれたら心強いです!」とクラップを求める。しっかりひとつになった会場に弾き語りで響かせたのは「フィナーレ」。張りのある伸びやかな声に感情を乗せて、グッドメロディーを堂々と歌い上げる。
続いて「5年前、遠い遠い鹿児島から、僕が何気なく上げてたYouTubeを見て救われましたと手紙が届いて。当時、歌を続けることに葛藤があったけど、こんな僕でも誰かを救えてたんやなと思えて……僕はその手紙に救われました」と、手紙の送り主に向けて書いたという「お守りの唄」を歌唱。楽曲の背景にあるストーリーと人の想いが楽曲の解像度を上げる。<辛かったね>と寄り添う近石の想いが詰まった美しい旋律は本当にあたたかく、その場にいる全員の胸を打ったに違いない。筆者も思わずこみ上げるものがあった。
続いてはアコギを持って立ち上がり、今回の学生からのオファーに触れて「すごく熱いメッセージをくれて、ちゃんと聴いてくれてるんやって。さっきの歌みたいに僕の曲がちょっと救われた部分があった。学生の時は、周りから少しでも外れたら怒られるしいじめられる。でも就職の時にあなたらしさは何ですかと言われる。そんな葛藤の中で生きる人を元気づけられればと思って書いた曲です」とオケも使って「自分らしさなんて捨てられれば」を疾走感たっぷりに歌唱。学生たちへメッセージを贈ったのだった。
今年からDTMで楽曲制作を始めたという近石は、打ち込みも使った「地獄ど真ん中」を披露。サビではカラフルな照明とミラーボールが光を放ち、曲の後半ではライミングや歌謡曲の要素も感じるメロディーラインで、また違った近石の一面を見せてくれた。ラストは大学卒業の頃に書いたという「嵐の中の冒険家」をアコギで弾き語り。痛いほど感情を込めて大声で歌う近石の姿はとても感傷的で、人の心を動かすパワーがあった。きっと今日のライブは学生の背中を押してくれたのではないだろうか。
NIKO NIKO TAN TAN
1日目のトリはクリエイティブミクスチャーユニット・NIKO NIKO TAN TAN。お馴染みのバンドロゴがあしらわれたネオンがステージで光る。真っ赤な幕が開き、サイレンが鳴り響くとステージにDrug Store Cowboy(VJ・アートワーク)ハイセンスな映像が映し出される。VJもSEも最高にカッコ良い。やがてOCHAN(Vo.Syn.etc)とAnabebe(Dr)が登場し、10月にリリースされた最新曲「怪人」からライブスタート。OCHANの歌声にAnabebeのビートが重なり、映像や同期、照明も駆使した表現で、早速ニコタンの世界観を築き上げていく。間髪入れずに投下された2曲目(新曲)では、夜の高速道路を流れるような光の映像に合わせてミラーボールの光が会場を駆け巡り、境界線が曖昧になったことで、映像世界が3次元に飛び出したような感覚を味わうことができた。疾走感のあるエレクトロサウンドがとにかく気持ち良く、オーディエンスは夢中でステージに食らいついた。
OCHANは「こんにちは、NIKO NIKO TAN TANです。大阪音大の皆さん、呼んでいただいてありがとうございます。今年俺らも最後のライブですね」とAnabebeに話を振ると「クリスマスですよ」とAnabebe。ベルの音や山下達郎の「クリスマス・イブ」のワンフレーズを流すスペシャルな演出があり、雰囲気を高めて「あべのROCKTOWN、踊れますかー!」と「カレイドスコウプ」「WONDER」「同級生」と、ブチ上げダンスチューンを連続投下! ハンドマイクでステージを駆け回るOCHANに、時折立ち上がってパワフルにビートを叩き込むAnabebe。会場全体が音の渦に巻き込まれ、自然に身体が踊り出す。楽曲が進むにつれてフロアはお祭り騒ぎに。何度も熱狂のピークがやってきて、素晴らしい一体感と、ただ音楽に身をまかせる喜びに包まれた。
OCHANは「皆さん大学生ということで、俺とAnabebeが出会った時ぐらいの年齢かなと思ったりしました。俺らも続けてやってるので、皆さんも好きなことを続けてやってください」とエールを送り、ラスト2曲の「Only Lonely Dance」と「胸騒ぎ feat. Chi- from カメレオン・ライム・ウーピーパイ」をこれ以上ないほどの熱量でプレイ。今年最後のライブを最強のボルテージで走り抜けた。
こうして『“PLAY GROunD” -MINAMI WHEEL EDTION-』DAY1は無事に終了した。クロージングMCで再びステージに登場した学生が「すごく盛り上がったライブでしたね。皆さんの好きは見つけられましたか?」と呼び掛けると、フロアから大きな拍手が贈られた。この日のライブ映像は、近々MB専攻のHPにダイジェストで公開される予定なので、楽しみにしていよう。
なお、2025年1月19日(日)には、MB専攻2年生が心斎橋・アメ村のPangeaとLivehouse ANIMAでサーキットイベント『アメムラリー 2025 〜アメ村の冬はアツいで!〜』を開催する。ぜひこちらもチェックしてほしい。
取材・文=久保田瑛理 写真=オフィシャル提供(撮影:オイケカオリ)
>DAY2『“PLAY GROunD” -MINAMI WHEEL EDTION-』
「〜今、この瞬間をこのステージで〜」のレポートはこちら!
セットリスト
『“PLAY GROunD” -MINAMI WHEEL EDTION-』DAY1
「〜好きを見つけよう!!〜」
2024.12.21(SAT)大阪・あべのROCKTOWN
Uncurtain
1.フィナーレ
2.お守りの唄
3.自分らしさなんて捨てられれば
4.地獄ど真ん中
5.嵐の中の冒険家
NIKO NIKO TAN TAN
1.怪人
2.新曲
3.カレイドスコウプ
4.WONDER
5.同級生
6.Only Lonely Dance
7.胸騒ぎ feat. Chi- from カメレオン・ライム・ウーピーパイ
学校情報
ライブ情報
日程:2025年1月19日(日)
時間:13:00開演(12:00開場)
会場:大阪・Live House Anima/Pangea
出演:Gill Snatch / THE HAMIDA SHE’S / DNA GAINZ / ゆらる / 「夜と同時に、動き出す。」 / SAMMOJI / 水中スピカ / クレナズム / Pale Moon / Dr. Smokin’Frog / AIRCRAFT
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一般 : ¥4,000(税込・ドリンク代なし・整理番号なし)
学生 : ¥2,000(税込・ドリンク代なし・整理番号なし)
※5歳以下は入場無料
主催・企画制作:大阪音楽大学 ミュージックビジネス専攻
協力:SOUND CREATOR / 奏 -KANADE-
問い合わせ:SOUND CREATOR(TEL:06-6357-4400)※平日12:00~15:00(祝日を除く)
TOTAL INFO:大阪音楽大学 ミュージックビジネス専攻