Bye-Bye-Handの方程式、Hello Hello、Mercy Woodpeckerが「今、この瞬間」を刻み付けるーー大阪音楽大学の学生企画『“PLAY GROunD” -MINAMI WHEEL EDTION-』
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大阪音楽大学ミュージックビジネス専攻presents『“PLAY GROunD” -MINAMI WHEEL EDTION-』DAY2 「〜今、この瞬間をこのステージで〜」2024.12.22(SUN)大阪・あべのROCKTOWN
大阪音楽大学ミュージックビジネス専攻(以下、MB専攻)の1年生が中心となって行うイベント『“PLAY GROunD” -MINAMI WHEEL EDTION-』が、12月21日(土)、22日(日)の2日間、あべのROCKTOWNで行われた。大団円で終了したDAY1に続き、行われたDAY2のテーマは「〜今、この瞬間をこのステージで〜」。出演はMercy Woodpecker、Hello Hello、Bye-Bye-Handの方程式の3バンド。本記事では、学生たちが作り上げた、DAY2の模様をレポートする。
>DAY1『“PLAY GROunD” -MINAMI WHEEL EDTION-』
「〜好きを見つけよう!!〜」のレポートはこちら!
定刻になり、この日もMB専攻の学生が2名ステージに登場。「あなたと音楽の遊び場で最高の時間を作り出す、『大阪音楽大学ミュージックビジネス専攻presents“PLAY GROunD”』にお越しいただきありがとうございます。今日のテーマは、〜今、この瞬間をこのステージで〜。一秒たりとも聞き逃せない音楽を皆さんにお届けします!」と元気に挨拶。出演者の魅力を紹介して「楽しむ準備はできてますかー?」とフロアを盛り上げ、「皆さんが今この瞬間を楽しむことができますように!」と、元気いっぱいにトップバッターにバトンを渡した。
Mercy Woodpecker
2日目のトッパーをつとめたのは熊本出身の4ピースバンド・Mercy Woodpecker。MB専攻生が作ったジングルに続きSEが流れると、直江晋太郎(Vo.Gt)、坂本すぐる(Ba)、籾田祐弥(Gt)、黒田峰文(Dr)が爽やかにステージに走り込む。直江が「『PLAY GROunD』始めますか! 一緒に遊ぼう!」と叫び、弾き語りから「エバードリーム」をプレイ。ポップであたたかみのあるサウンドと楽しそうなメンバーの笑顔が会場の空気を明るく引っ張り、オーディエンスは次々に拳を上げる。間髪入れずに叩き込まれた「subliminal」では、直江と籾田が近距離で向き合っておでこをひっつけ、挑発的にギターをかき鳴らす。放たれたエネルギーは勢いを増す一方で、休憩する暇は与えないぞとばかりに「失風ラブソング」を投下。MCではコール&レスポンスでひとつにし、「全員で幸せになろうぜ!」とギターリフが軽快な「ハッピーソング」へ。続く「ストロボデイズ」では、大きなシンガロングと床が揺れるほどのジャンプでフロアとの距離をぐっと近づけた。
オーディエンスを見渡した直江は「今日『M-1グランプリ』の日じゃん。俺大阪の人全員『M-1』見ると思ってたからさ。ここに来た皆は、大事なものが音楽という人がいっぱいいるのかなと思ってます。俺より年下の人が多いと思うし、やりたいことがいっぱいあって、先のことがわからない人もいると思うんですよね。そういう時に心の支えになってくれたり、心を安定させてくれた存在が、俺は音楽やライブなんです。自分の中の何かがバコーンと変わる瞬間があるのがライブだと思う。だから俺らはそういうライブを届けたいし、あなたの心のすぐ隣で大丈夫だよって背中を押せる曲を歌っていきたい」と熱く語り、「目指したい光に向かって、羽のない俺たちが高く飛ぶための歌です」と「トビウオ」を大切そうにエモーショナルにぶつけ、ラストチューンの「新世界」までを駆け抜けた。最初から最後までフルパワーで音と言葉を伝え、誰も置いていかないライブで熱を灯したMercy Woodpeckerだった。
Hello Hello
続いては奈良県発の3ピースロックバンド・Hello Hello。oasisの「Hello」をSEに登場したヤナギ(Vo.Gt)、ともひろ(Ba)、たくみ(Dr)。この日はサポートギターを迎えた4人編成でステージに上がった。ヤナギが「奈良県から来ました! よろしくお願いします!」と叫び、ダイナミックなドラムビートに乗せて「Stay with Me」をプレイ。ハイトーンボイスが印象的なシンプルなメロディとロックなビートが心地良く、サビでは早速手が挙がる。勝手に身体が揺れてしまうキャッチーな「kirameki」、10月にリリースされたデジタルEP「Measure」から「ココロ」を披露する。ヤナギのボーカルと親しみやすいメロディーには、どこか中毒性が感じられた。
ヤナギは改めて挨拶し「今日はライブハウスじゃなくて学生の皆さんがイベントを作って呼んでくれたという、めちゃくちゃ素敵な日になってます。違う目線から一緒にできるのがすごく嬉しくて、とても素敵だなと思って今日ここに立ってます」と微笑み、学生主体のイベントであることの意義深さと喜びを口にした。そして「小さな全ての奇跡に感謝を」と添えて「奇跡」を高らかに歌い上げた。ギターリフと歌声に惹き込まれた「オレンジ」を経て、1番疾走感のある「花火」では躍動するリズムと激しいプレイで、ロックバンドらしさを見せつけた。
ヤナギは「今日は個人的に、俺たちだけじゃなくてライブを作った学生さんが一生忘れられへん日になるんちゃうかなと思ってるから、結構大役を背負ってここに立ってるつもりなんですよね。だからって毎回のライブが本気じゃないかと言われたらそうじゃなく、俺は毎回もう明日死ぬと思ってライブしてる。その時に伝える全力を、毎回全部伝えてる感じ。でも今日は俺たちや皆さんの想いだけじゃなくて、今日を作り上げてくれてる学生さんの想いが重なって、いつもの2乗が3乗になってる素敵な日だと思う」と慮り、最後にミドルナンバー「燦」を全身で奏で、ライブを終えた。思い切り感情を乗せて、泣くように叫ぶように歌い演奏する姿は、まばゆいまでに輝いていた。
Bye-Bye-Handの方程式
2日間のトリを飾ったのは、大阪発の4ピースバンド・Bye-Bye-Handの方程式(以下、バイハン)。サウンドチェックの音の大きさからもう気合いを感じる。SEが流れてステージに目をやると、清弘陽哉(Dr)が1人スタンバイしていることに気付く。1曲目のイントロに合わせてドラムソロのようにビートを刻むと、やがて岩橋茅津(Gt)と中村龍人(Ba)もジョイン。分厚くなった音圧が気持ち良いところに汐田泰輝(Vo.Gt)も加わり「妖艶さん」を歌い始める。のっけから目が覚めるような、力強く伸びやかな歌声にパワフルな演奏。序盤からドキドキするような迫力で魅せていく。続けてロックチューン「タヒ神サマ」をパワーを増して投下。間奏では岩橋がお立ち台に乗り渾身のギタープレイ! 汐田は「好きに遊んでけよー!」と叫び、「Swamp(沼)」「ソフビ人間」を連投。楽しさと熱さと勢いが爆発して、ワンマンライブのような光景が広がった。
汐田は「来てくれて、呼んでくれてありがとう!」と笑顔を見せ「今日は30〜40人ぐらいの学生の子たちが必死こいて運営してくれてる」と裏の様子を口にする。汐田は大阪音楽大学と直接的な所縁はないが、別の大学在学中に、レポートのために大阪音大の楽器資料館にアポなしで行ったら警備員に追い出されたと思い出話を語り、「マジで未来の音楽を支えるのは、俺と今日を作ってる大阪音大の学生やと思う。誰かの1番になりに来たとかじゃなくて、お前の1番になりに来ました!」と放ち、後半戦へ。
2分の短尺チューン「閃光配信」を轟音でブチ込み、学生にエールを送るように「風街突風倶楽部」を全力で届け、さらに「ひかりあうものたち」まで一気に駆け抜ける。とにかく前へと歌声を飛ばす汐田、姿勢を低くして楽器をかき鳴らす中村と岩橋、パワフルビートを繰り出す清弘。まさに彼ら自身が「今この瞬間」を生きていることが伝わってくる。
汐田は「2日間手探りで緊張もしたと思うけど、俺たちが最後のバンドとしてやれてること、本当に誇りに思います」と学生を労い「音楽全然好きじゃなかったらこの場所にいないと思うし、音楽大学に行こうと思わないと思う。ただの音楽好きじゃないから音楽大学に行ってこういうイベントを作ってるんだと思います。俺は大学にろくにも通えなかったけど、音楽が好きだからこのメンバーで約9〜10年音楽を続けられてます。口約束はめちゃくちゃ簡単だけど、好きなことを続けるってマジで大変。だからこそ得られるものがあるし、俺は今日を約束の始まりの1日にできたらなと思ってます。「あの時は学生でバイハンを裏で手伝ってたけど、今は同じ現場でやってます」みたいなことになったら、マジで続けてて良かったと未来で思えるし、そうなるには俺たちが続けてないと話になんないからさ」と想いを語る。「俺は言葉じゃなくてしっかり行動で示していきたいです」と投下された「midnight parade」には、彼らのバンドとしての覚悟と矜持が詰め込まれ、同時に「あとはお前だ!」と学生の背中を押してくれた。ラストは超高速ツービートの「darling rolling」。言わずもがなフロアは拳が突き上がり、大熱狂で幕を閉じた。
こうして2日間にわたる『“PLAY GROunD” -MINAMI WHEEL EDTION-』は大団円を迎えた。「今、この瞬間」というテーマにぴったりの熱いライブを魅せてくれた3組だった。来場者だけでなく、学生たちにとっても心に刺さる瞬間や言葉があったのではないだろうか。
DAY1同様、この日のライブ映像は、近々MB専攻のHPにダイジェストで公開される予定だ。そして2025年1月19日(日)には、MB専攻2年生が心斎橋・アメ村のPangeaとLivehouse ANIMAでサーキットイベント『アメムラリー 2025 〜アメ村の冬はアツいで!〜』を開催する。学生の企画が行われるため、ぜひこちらもチェックしてほしい。
取材・文=久保田瑛理 写真=オフィシャル提供(撮影=オイケカオリ)
セットリスト
『“PLAY GROunD” -MINAMI WHEEL EDTION-』DAY2
「〜今、この瞬間をこのステージで〜」
2024.12.22(SUN)大阪・あべのROCKTOWN
Mercy Woodpecker
1.エバードリーム
2.subliminal
3.失風ラブソング
4.ハッピーソング
5.ストロボデイズ
6.トビウオ
7.新世界
Hello Hello
1.Stay with Me
2.kirameki
3.ココロ
4.奇跡
5.オレンジ
6.花火
7.燦
1.妖艶さん
2.タヒ神サマ
3.Swamp(沼)
4.ソフビ人間
5.閃光配信
6.風街突風倶楽部
7.ひかりあうものたち
8.midnight parade
9.darling rolling
学校情報
イベント情報
日程:2025年1月19日(日)
時間:13:00開演(12:00開場)
会場:大阪・Live House Anima/Pangea
出演:Gill Snatch / THE HAMIDA SHE’S / DNA GAINZ / ゆらる / 「夜と同時に、動き出す。」 / SAMMOJI / 水中スピカ / クレナズム / Pale Moon / Dr. Smokin’Frog / AIRCRAFT
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一般 : ¥4,000(税込・ドリンク代なし・整理番号なし)
学生 : ¥2,000(税込・ドリンク代なし・整理番号なし)
※5歳以下は入場無料
主催・企画制作:大阪音楽大学 ミュージックビジネス専攻
協力:SOUND CREATOR / 奏 -KANADE-
問い合わせ:SOUND CREATOR(TEL:06-6357-4400)※平日12:00~15:00(祝日を除く)
TOTAL INFO:大阪音楽大学 ミュージックビジネス専攻