「あなぶきアリーナ香川」の歴史がここから始まるーー音楽フェス『Hello Arena 2025』で氣志團、マカえん、モンパチ、サウシー、ヤンスキ、DURDNと祝宴

レポート
音楽
18:00
 撮影=タマイシンゴ

撮影=タマイシンゴ

画像を全て表示(38件)

『Hello Arena 2025』2025.3.9(SUN)あなぶきアリーナ香川

香川・高松に新しくオープンした「あなぶきアリーナ香川」で、2025年3月8日(土)・9日(日)の2日間にわたって、音楽イベント『Hello Arena 2025』が開催された。「あなぶきアリーナ香川」(以下、あなぶきアリーナ)は中四国最大のアリーナとして2月24日にオープン。メインアリーナは最大収容人数1万人、全国でも”駅から最も近いアリーナ“として注目を集めている(詳細についてははこちらをチェック!https://spice.eplus.jp/articles/335757)。本イベントはアリーナの杮落としイベントの一環として開催されたもので、同じ香川・高松で野外ロックフェス『MONSTER baSH』や商店街のライブハウスを回るサーキット型イベント『SANUKI ROCK COLOSSEUM』を手掛ける四国のイベンター・DUKEが主催。

イベント初日にはWurtS、10-FEET、SUPER BEAVER、マキシマム ザ ホルモン、東京スカパラダイスオーケストラが出演。2日目にはDURDN、ヤングスキニー、MONGOL800、Saucy Dog、マカロニえんぴつ、氣志團といった豪華な面々が祝宴に華を添えた。

DURDN

撮影=タマイシンゴ

撮影=タマイシンゴ

『Hello Arena 2025』2日目はオープニングアクトのDURDNのステージから。韓国出身のボーカル・Bakuと、トラックメイカーのSHINTA、トップライナー・yaccoによるプロデュース·デュオ”tee tea”からなる日韓3人組で、2021年に活動を開始。大型フェスへの出演やシンガー・yamaとのコラボなどで話題を集めていたこともあり、香川でのステージをひと目観ようと開場と同時にたくさんの観客が席を埋めていく。さらりとステージインすると「クラップできますか?」と、1曲目「WARUNORI」へと繋ぐ。浮遊感のある耳心地をしたBakuのハイトーンボイス、ベースラインを効かせたディスコポップサウンドが真っ昼間から心地よく体を揺らす。次曲「Runner’s High」ではSHINTAのファンキーなギターサウンドがご機嫌度合いを高め、Bakuもバンドの音をアジテートするように、フロアを練り歩きつつ気持ちよさそうに声を伸ばしていく。

撮影=タマイシンゴ

撮影=タマイシンゴ

撮影=タマイシンゴ

撮影=タマイシンゴ

その後も「ON THE ISLAND」で休日の夜のチルな雰囲気を纏ったサウンドを。「Drink!」ではタイトルまんまご機嫌な音とメローな歌声で陶酔させ、頭の中が程よくまどろみ始めたところで「またどこかでお会いしましょう!」と、「Fizz!(Remix)」でフィニッシュ! 身体の深いところまでリラックスさせつつも、心の芯を確かに揺さぶる唯一無二のサウンドに、フロアからは大きな拍手が送られた。

撮影=タマイシンゴ

撮影=タマイシンゴ

ヤングスキニー

撮影=うえむらすばる

撮影=うえむらすばる

オープニングアクトのステージもあってか、2日目は開演時間を迎える頃にはたくさんの観客でフロアは大賑わい。そこへ本編一番手に登場したのがヤングスキニーだ。「よろしく! ヤングスキニーです」と軽快な挨拶から、1曲目「愛の乾燥機」へ。ゴンザレス(Gt)の疾走感あるギターフレーズ、りょうと(Ba)のシンプルだけど確かに腹に刺さるベースライン、しおん(Dr)のシャープなビート、瞬時に曲の空気を受け取り会場の空気が瞬時に変わるのを肌で感じる。かやゆー(Vo.Gt)のいつものハイトーンで艶の残る歌声に、荒々しくも気だるげな雰囲気が加わった歌声がなんとも癖になる。

撮影=うえむらすばる

撮影=うえむらすばる

「素敵な会場ができて、そこにトッパーとして立たせてもらえて光栄。久しぶりにでっかい会場で、たくさんの人の前でできるのが嬉しい。全部持ち帰って東京に帰りたい!」と、次曲「ゴミ人間、俺」へ。リリックはタイトルのままなんだけど、なんともメランコリックなメロに夢中になって聴き入ってしまう。さらに「ハナイチモンメ」でもねっとりと絡むようなギター、荒々しいロックサウンドにトラッシュ満載なリリックで観客を魅了。

撮影=うえむらすばる

撮影=うえむらすばる

撮影=うえむらすばる

撮影=うえむらすばる

「名だたる大先輩がいるなかで呼んでもらえて。初めて観る人も多いけど、最後まで観てもらえたら」と、「ベランダ」からは夜の雰囲気漂うメローなナンバーを連発。「美談」では情感たっぷりにうたいあげるかやゆーの歌声に魅せられ、さらにそこに「暖かくなってきたけど、まだまだ人肌恋しくなる季節に……」と「雪月花」で柔く、優しいメロで未練たっぷりな心情を歌い上げれば、心酔した表情でステージを見つめる人があちこちに。「せっかくなんでみんなが知ってる曲を」と、「本当はね、」へ。気分の上げ下げをリズムに換え、感情の移り気をメロディに換えて心を鷲掴みしていく4人。男女の恋愛を謳う楽曲が続くけれど、愛に限らず喜怒哀楽、人生に置き換えるだけで、あら不思議、誰にだって当てはまって共感が深くなってしまう。

撮影=うえむらすばる

撮影=うえむらすばる

ステージ後半は「たくさんの人の前でやると楽しいですね。しゃべりはうまくないんで、僕の音楽の気持ちを伝えます」と、「精神ロック」からドカドカうるさいロックンロールサウンドで純度の高いバンドの姿を見せていく。時折声を荒げながらもがむしゃらに歌うかやゆーは最終曲「らしく」で等身大のリリックで観客とともにさらなる高みへと駆けあがっていく。「あなたもあなたでしかないから!」と、4人は”らしく”あることをバンドサウンドでもって見せつけてくれた。

撮影=うえむらすばる

撮影=うえむらすばる

MONGOL800

撮影=AYUMI SARUYA

撮影=AYUMI SARUYA

ご機嫌なSEに合わせ、カチャーシーを踊りながらステージに登場したメンバーは「こんにちは、MONGOL800です。「『Hello Arena』、あ~そび~ましょ~♪」といつもの誘い文句から、1曲目に放たれたのは「あなたに」。初っ端からのキラーチューンに、観客は高く々々手を掲げて大喜び。ご機嫌な髙里 悟(Dr.Vo)のビートに、気持ちが晴れやかになるギターのメロ。心が自然とほっこりするキヨサク(Ba.Vo)の優しくて太い声、それだけ揃えば誰もが笑顔になってしまう。

撮影=AYUMI SARUYA

撮影=AYUMI SARUYA

「楽しんでますか?『Hello Arena』。沖縄の言葉だと”ハイサイ、アリーナ”!」と投げかけ、「PARTY」では彼らのライブではお馴染みの”パーティダンサー”粒マスタード安次嶺やSeasir(Trumpet/DOBERMAN)、NARI(Sax/SCAFUL KING)のホーンも加わって、タイトルまんまのパーティタイムへ突入! どんな踊りも楽しければOK!と、ボックス踏んだり、スカダンスしたり、誰もが自由気ままに大はしゃぎ。

撮影=AYUMI SARUYA

撮影=AYUMI SARUYA

続く「OKINAWA CALLING」では「南の風を吹かせてもよろしいでしょうか~♪」と、キヨサクの誘いからコール&レスポンスで一体感増しましに! 開放感たっぷりのサウンドに乗せ、ピッチピチの赤タンクトップ×スパッツ姿の粒マスタード安次嶺がセクシーな腰つきで観客にダンスを指南(!?)。「満員御礼のアリーナでこんなにもお客さんに不信感を持たれる人いないですよ(笑)」なんてキヨサクに突っ込まれていたけれど、彼あってのパーティタイムなのはファンなら周知の事実で、気付けばアリーナ中にハッピーが伝染!

撮影=AYUMI SARUYA

撮影=AYUMI SARUYA

「『Hello Arena』でたくさん思い出作って帰ってね」と、「少年時代」(井上陽水)ではグッドメロディをモンパチ流のロックなアレンジでカバー。哀愁を誘うホーン、キヨサクの柔い歌声、心の奥底に響くビート。少年というより甘酸っぱい青春時代を思い起こさせる、ぐっと心に刺さる楽曲で観客を魅了していく。「ハイサイアリーナ、最高ですね。モンバスやサーキットも然り、また新しい最高のイベントができちゃったんじゃないでしょうか! いろんな世代が来てると思うけど、まだまだ響かせてもらっていいですか!」と続いたのは名曲「小さな恋のうた」。お馴染みのギターリフが鳴り、キヨサクが歌い出すと、途端に観客の表情が華やぎ、笑顔が溢れる。「続き、歌ってもらっていいですか!」とマイクを客席に向けられれば歌詞がなくたって空で歌えちゃう。みんなが主役になれる最高の名曲で、気付けば涙しながら歌う人の姿もあちこちに見える。

撮影=AYUMI SARUYA

撮影=AYUMI SARUYA

「大事なラブソングを!」と続くのは「to be continued」、キヨサクの鼓動に寄り添うベースライン、シンプルで優しいメッセージが心に響くグッドソングだ。ハピネスでフレンドリー、そして確かに心に残る楽曲陣で観客を魅了したあとは「DON'T WORRY BE HAPPY」でフィニッシュ! 多幸感ましましのスカサウンドに、誰もが歌い、踊り、跳ねまくり、最後はキレイな一本締めで祝宴に華を添えた。


『Hello Arena』、そしてあなぶきアリーナの楽しみ方を熟知し出した観客はステージの転換時間になると、思い思いの楽しみ方で過ごすようになっていた。2日目の開演前にも、イベンターのDUKEスタッフが前説で登場し、新しく完成したアリーナを音楽やライブを通じて体感してほしいと、『Hello Arena』のイベントタイトルに懸けた想いを語っていた。その思いはすでに初日のイベントに参加した人には十分に伝わっているようで、2日間を通して観客にこんなコメントを聞くことができた。

「子どもたちにとって『Hello Arena』が初めてのライブ。いろんな音楽に触れられるのはもちろん、イスや休憩できるエリアもある。野外のモンバスも良いけど、まずは地元のアリーナからライブの楽しさを知ってもらえるのはうれしい」(地元出身・親子3人組)

「テレビで見て、サブアリーナのほうに遊びに来た。香川にこうやって人が集まるのはいい。街が盛り上がりそう」(地元出身・70代女性)

「(駅から)近っ!!が最初の印象。海も目の前にあってすごく雰囲気がいい」(兵庫出身・20代女性)

「今回は初日のみの参加。明日は友達と一緒に高松や小豆島に遊びにいくつもり」(大阪出身・20代男性)

ほかにも会場にはこそ手にできなかったものの、サブアリーナにグッズを買いに来た人や、孫がイベントに遊びに行くということでアリーナがどんな場所か見に来た、なんて人たちも。オープンからたった数日で、アリーナの存在は街の人に、音楽が好きな人に、その存在が浸透しているのが良く分かる。

Saucy Dog

撮影=日吉"JP"純平

撮影=日吉"JP"純平

ライブ直前、いつものようにドラム前でメンバー3人が集まり、マイクを通すことなく「Saucy Dog!」と叫ぶ。その様子を観ているこちらも自然と気合が高まっていく。1曲目は「馬鹿みたい。」、さらりとしているけれど熱っぽい石原慎也(Vo.Gt)の歌声とせとゆいか(Dr.Cho)のコーラスの相性がとっても良くて、秋澤和貴(Ba)のじわじわと気持ちを高ぶらせるベースラインが観客の手拍子を誘う。高まる心情、物語の世界線に自然と誘い込むリリック、気付けばするりとバンドが描く世界に入り込んでいるのがわかる。すっと息を吸いこみ、静けささえもバンドの音に換えるようにして次曲「現在を生きるのだ。」へ。「高松――――!」と大きく叫び、ぐっと楽曲へ乗り込んでいくその瞬間のなんと気持ちの良いこと♪ 待ってました!といわんばかりにフロア中から手拍子と大合唱が沸き起こる。せとゆいかの静かに、沸々と熱を帯びていくドラムが石原の内なる感情の放出を支えるように、丁寧に言葉を押し出していく。

撮影=日吉"JP"純平

撮影=日吉"JP"純平

「大事な日に呼んでいただけて嬉しい。いつかここでワンマン(ライブが)したいね。そういう願いを込めつつ、まずはこのアリーナがどんどん続いていくように。そんな願いを込めて。今日が最高の日になれば」(せと)。「Saucy Dogを初めて観た人、知らない人もいると思うけど、もしかしたらあなたとオレたちを繋げる、知るきっかけになった曲」(石原)と、「シンデレラボーイ」へ。リリックに描かれた心情に確信を持たせるようなビート、階段を駆け上がっていくようなサウンドの高まりに魅せられ、少しの音も言葉も聴き洩らすまいと、じっとステージを見つめる観客たちの表情がとてもキレイだ。

撮影=日吉"JP"純平

撮影=日吉"JP"純平

「煙」「poi」と披露される楽曲は、どれも観客の興奮状態を煽るにはぴったりのセレクトで、加速するバンドの昂りに呆気に取られる人が続出。「杮落としっていう大切な日。始まりってすごく好き。でもいつか終わりが来る。その時にオレらが生きてるかわからない。始めるのはお金があれば簡単だけど、続けるのはすごく難しい。これから先、苦しいことがあるかも。でも全部乗り越えてほしい。願いを込めて、オレたちの始まりの歌を」と、「いつか」へ。ステージを照らす照明はたったひとつ、シンプルなギターのメロ、静々と紡がれる言葉がじわじわと熱を帯びていく。

撮影=日吉"JP"純平

撮影=日吉"JP"純平

「毎日学校を頑張ってるひと! 仕事、家事育児、頑張ってる人!男子!女子!生きるの頑張ってる人!みんなで歌おう!」と、ラストは「優しさに溢れた世界で」で鬱屈した世界にひと筋の光を照らすような、心がふわっと軽くなるような楽曲でアリーナを包みこみ、全9曲のステージが終了。「楽しかった人~!」の石原の呼びかけに、もちろん観客みんなが万歳で応えたのは言うまでもない。

マカロニえんぴつ

撮影=酒井ダイスケ

撮影=酒井ダイスケ

はっとり(Vo.Gt)が気合十分に腕をぐるぐる回しつつ、フロアを盛大に煽ると「洗濯機と君とラヂオ」からがっつりと爽快なバンドサウンドを響かせていく。フロアのギアを高めるのも手慣れたもんで「レモンパイ」では「たくさん歌ってちょうだい♪」と、フロアのテンションを試すかのようにずっと気持ちの良いピークを保ったまま、長谷川大喜(Key.Cho)がポップでラブリーなメロを打ち出していく。小さな子どもが嬉しそうに周りを真似て手を掲げている姿も愛おしいんだけど、ぐっとグロウアップしていくバンドサウンドの迫力にびっくりする姿もまた可愛い。

撮影=酒井ダイスケ

撮影=酒井ダイスケ

「香川のみんな会いたかったぞ! 柿落としっていい響きだね。新車とか築浅とかわくわくしない? これからみんなが通って、音楽が鳴り響いて、あなぶきアリーナの歴史が出来上がっていく感じ、わくわくしません? 期待と夢が膨らむ日に呼んでいただけて、あまり来ることができていない高松に来ることができました! めっちゃ楽しみにしてました! だから今日は声もデカイです! 」と、テンション高めに叫ぶはっとり。たくさんの観客が集まるフェスやイベントで披露されるセットリストはいわゆる“美味しいとこどり”が多いのだけど、この日のマカロニえんぴつはそれ以上の美味しさが詰まったパフォーマンスで観客を魅了していく。「リンジュー・ラヴ」「恋人ごっこ」と、老若男女誰もが笑顔になれるセレクトで唯一無二の空間を作り上げていく4人。高野賢也(Ba.Cho)の打ち鳴らすリズムにアリーナ中が飛び跳ね、田辺由明(Gt.Cho)の胸がキュンとなるメロに表情が綻ぶ。

撮影=酒井ダイスケ

撮影=酒井ダイスケ

「新曲をやります!」と披露したのが3月12日に配信リリースされた「然らば」。エモーショナルなバンドサウンドに絡み合った感情を放出させ、観客の心に確かな軌跡を残していく。次曲「なんでもないよ、」は長谷川が紡ぐメロに、フロアから割れんばかりの歓声と手拍子が沸き起こる。はっとりがふと歌声を止めた途端、合図も何もないなかで大合唱が起きると、メンバーも思わず「素晴らしい!」と絶賛。

撮影=酒井ダイスケ

撮影=酒井ダイスケ

「(この場所で出会えたことは)すごい偶然が重なっているはず。離れた場所で、音楽を愛しているあなたの前で音楽を演奏できることがこのうえなく幸せ。”今”は一瞬で、もう過去になった。だから大事なんじゃないの? 説明できないことだけ受け継いでいきたい。なんか燃えている……そんな気持ちだけ握りしめて生きてください。あなたが見つけた、マカロニえんぴつという音楽でした。どうもありがとう」。一期一会のバンドとの出会いに感謝の気持ちを伝え、ラストは「青春と一瞬」へ。はっとりが発した言葉の通り、今この瞬間が最高だと感じても、その瞬間はすぐに過ぎ去ってしまう。心に確かな軌跡を残す音を全身に浴びようと、バンドと同じ世界を体感しようと、高く手を掲げる観客たち。”ライブは生もの”と改めて実感させるステージに、拍手喝采が送られた。

氣志團

撮影=タマイシンゴ

撮影=タマイシンゴ

2日間に渡って繰り広げられた『Hello Arena 2025』もついに最後のステージ。アリーナ中にバイクのエンジン音が鳴り響くなか、叶 亜樹良(Dr)のドラムソロが観客のテンションを高めていく。そこへ綾小路 翔(Vo.MC.Gt)がいつものようにバイクに乗って颯爽と登場。ファンにとってはおなじみだけれど、知らない人にとっては驚きの光景でしかなく、会場からは驚嘆の声が沸き起こる(あなぶきアリーナのステージにバイクで初めて乗り入れたのは氣志團、としっかり歴史に刻まれたはず)。『Hello Arena 2025』は記念すべき杮落とし期間のイベントのひとつ。ハレの日を祝うこの日の衣装は金の刺繍と日の丸がめでたい特攻服! 綾小路、叶の2人でしっかりと熱を高めたところで、1曲目「喧嘩上等」から豪快なバンドサウンドを打ち鳴らしていく。白鳥松竹梅(Ba)の低音を効かせたベースでがっつり骨太に、星グランマニエ(Gt)、西園寺 瞳(Gt)の色気と狂気を織り交ぜたメロが絡み合い、あっという間に会場は氣志團カラー 一色に。

撮影=タマイシンゴ

撮影=タマイシンゴ

「『Hello Arena』、杮落とし。オレら、一生忘れねーからよ!」と、ドラマチック&ダイナミックなバンドサウンドがたまらない「房総魂」ではシンガロングも自然発生。さらに、次曲「この夜」ではロマンチックなリリック、早乙女 光(Dance.SCREAM)のコーラスでバンドの魅力もたっぷりと見せつけた思えば、「スウィンギン·ニッポン」では微熱DANJIも加わり、観客をポップでキャッチーな氣志團ワールドに引き込んでいく。気付けば観客は誰もが夢中になって踊っているけど、この日のイベントを楽しみにしていたのはメンバーだって同じ。綾小路が「アリ~~ナ~~(浜崎〇ゆみ風に)」と叫べば、フロート風台車も飛び出し、ステージ左右に広がる花道でアリーナ気分を大満喫! 「萌え萌えROCK'N'ROLL」では思わずツイストダンスを踊りたくなる、ヤンクロックでフロアを圧倒するなど、次から次へと休むことなく楽曲を投下していく。

撮影=タマイシンゴ

撮影=タマイシンゴ

「『Hello Arena』、最高の気分です。きっと今日は初めましてのお友達も多いよね? なんとなく、突起物がついた特級呪物なシルエットくらいはわかるかな? こんなオレたちがスーパースターたちの(ステージの)最後に出演することはほんとに光栄」と、笑いたっぷりに感謝の気持ちを伝える綾小路。“杮(こけら)落とし”を“かき落とし”と読み間違えていたという彼。「(メンバー)全員あわせて偏差値48です! ようこそ、偏差値のない時代に。みんな、自分で好きなことを選んでいい時代になっています。オレがノッてるかい?って言っても無理しなくていい。拳を上げなくてもいい。みんなに会えるのがうれしい!おしゃべりが苦手で、出来ることは歌うことくらい」と、好きなようにライブを楽しんでほしいと語りつつ、開催地である高松について「四国はいつ来ても楽しい。美味しいものいっぱいで人も優しい。もっと頻繁に来れるように頑張りたいし、いつかみんなにもオレたちの地元に来てほしい」と、地元・木更津を謳った「落陽」へと繋ぐ。

「そろそろ行こうか。どこへ?決まってるだろ!」で続くのはもちろん「One Night Carnival」! 歌って踊って大騒ぎするも、まだまだこれからが氣志團の腕の見せ所! が早々に完売した今回のイベント、前日に出演したアーティストのステージも見たかった人も多いはずと、「みんなが望めば何でもなれる!」とマキシマム ザ ホルモンの楽曲をマッシュアップ。もちろん、単なるカバーではなく「One Night Carnival」でアレンジした「恋のメガラバ」ならぬ「恋のワンナイ」! シャウトもデスボイスもばっちりで、さすがエンタメ帝王・氣志團なパフォーマンスに観客は大喜び。その後も「One Night Jamboree」やアンコール「我ら思う、故に我ら在り」まで、完成度の高いエンタメショーで集まった観客を誰一人取りこぼすことなく笑顔にさせ、祝宴の幕が閉じた。


2日間に渡って繰り広げられた『Hello Arena 2025』はこれで終わりだが、「あなぶきアリーナ香川」の歴史はまだ始まったばかり。これからどんな素晴らしい音楽が鳴り、どんな素敵な思い出が刻まれるのか。ぜひその目で耳で、体感してほしい。

取材・文=黒田奈保子 写真=『Hello Arena 2025』提供


撮影=日吉"JP"純平

撮影=日吉"JP"純平

撮影=うえむらすばる

撮影=うえむらすばる

撮影=AYUMI SARUYA

撮影=AYUMI SARUYA

イベント情報

『MONSTER baSH 2025 DUKE 50th ANNIVERSARY』
日時:2025年8月23日(土)、24日(日) OPEN 9:00 / START 11:00 【予定】
会場:国営讃岐まんのう公園(香川県仲多度郡まんのう町)
 
出演:あいみょん / AKASAKI / ammo / Chimothy→ / 超能力戦士ドリアン / ガガガSP / go!go!vanillas / ハルカミライ / Hump Back / jo0ji / KANA-BOON / 川崎鷹也 / 氣志團 /コレサワ / Kroi / LONGMAN / 眞名子 新 / マルシィ / 丸山純奈 / マキシマム ザ ホルモン / MONGOL800 / muque / My Hair is Bad / なきごと / PEDRO / 礼賛/ レキシ / 離婚伝説 / サバシスター / さかいゆう / Saucy Dog / 終活クラブ / シャイトープ / SIX LOUNGE / スキマスイッチ/ SUPER BEAVER / 四星球 / 竹原ピストル/ Tele / This is LAST / 友成空 / 打首獄門同好会 / 八生 / ズーカラデル / MAN WITH A MISSION
 and more…
 
料金:1日券 ¥13,000 / 2日通し券 ¥23,000 ※小学生1日券 ¥5,000
※入園料・消費税込 ※未就学児無料(保護者同伴条件)
※2日通し券は先行販売のみ。予定枚数に達し次第、販売終了。 ※払戻し不可
※出演者は変更・キャンセルになる場合がございます。 ※小学生1日券は、当日会場販売のみ。
(保護者同伴・身分証明書持参)
 
主催:株式会社 デューク
企画/制作:株式会社 デューク
 
問い合わせ:デューク高松 087-822-2520(平日 11:00-17:00)
シェア / 保存先を選択