5/4浜離宮は、クラシカル・クロスオーヴァ―・フェスの様相!『杉浦奎介リサイタル』に大槻桃斗がゲスト出演し、『MOMOTOSアンサンブル』に杉浦奎介がゲスト出演。熱いマチ・ソワ!
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東京芸術大学を卒業した同門の声楽家たち4人が集まって結成されたREAL TRAUM(リアル・トラウム)は、Bunkamuraオーチャードホールでの公演を成功させたばかりだが、そのテノールの杉浦奎介が、グループがデビューを飾った思い出の浜離宮朝日ホールで2025年5月4日(日・祝)に初めての本格的リサイタルを開催する。そこに、リアル・トラウムのオーチャードホールでも彼らを支えたストリングスのトップ=大槻桃斗のゲスト参加が追加決定した。さらに、その日のマチネ(昼)公演に続く浜離宮朝日ホールのソワレ(夜)で行われる大槻桃斗を軸とした『MOMOTOSアンサンブル』コンサートに、マチネを終えた杉浦奎介の友情出演が決定となった。
『レ・ミセラブル』のフイイ役として熱演を続ける杉浦だが、リアル・トラウムのメンバーとしてはぺ・ヨンジュンもどきの「ポ・ヨンジュン」として韓国語歌唱で『冬のソナタ』の「最初から今まで」を歌ったりと、歌力のみならず演技力でも楽しませてくれる存在であり、ポップスとミュージカルのレパートリーを得意とするシンガーだ。
一方、大槻は東京音楽大学を卒業したのち、さまざまなストリングスやオーケストラ、弦楽四重奏でトップを担当する一方、ラカトシュ・アンサンブルに代表されるロマの音楽に魅せられて、「MOMOTOS」と、ラカトシュを意識した名前を使ったアンサンブルでの活動を行ってきた。ロマは各地を放浪し、土地土地の音楽に影響を与え発展してきた歴史がある。スペインのフラメンコやブラームスやリストが大いに刺激を受けて「ハンガリー舞曲集」や「ハンガリー狂詩曲集」の形に結実した作品群は有名である。ヴァイオリンの名手サラサーテも「ツィゴイネルワイゼン」を世に送り出し、「ボレロ」で知られるフランスの作曲家ラヴェルにも「ツィガーヌ」が多くのヴァイオリニストに愛奏され続けており、間違いなくヴァイオリンのもっとも魅力的な演奏スタイルのひとつとして、ロマの音楽が存在し続けてきた。その音楽スタイルは自由かつ情熱的でポピュラー音楽のように親しみやすく楽しい。大槻自身はラカトシュに大きな影響を受けてヴァイオリンを始めており、大槻のこれまでの活動を見ても、クラシックにとどまらない幅広い音楽性はまさしくこのアンサンブルにそのまま反映されている。
杉浦・大槻ともにクラシックの基礎の上で、自由に音楽の翼を拡げて活動してきた音楽家なのである。クラシックの殿堂として知られる浜離宮朝日ホールであるが、GWの最中の5月4日は、マチネ・ソワレあわせて、クラシカル・クロスオーヴァ―の自由な音楽が展開されそうだ。杉浦・大槻双方からお互いへのコメントも寄せられた。
杉浦奎介
桃斗くんとは、共通の知人である指揮者を介して共演し、その時にまたいつかご一緒したいと思い、2月の『REAL TRAUM ORCHARD GALA 1st.』でバンドマスターをお願いして実現しました。そして今回、自身初のリサイタルにもゲストで参加頂けること、本当に嬉しく思っております。多ジャンルの演奏を得意とした同世代の演奏家はとても稀有な存在です。実にセンセーショナルで熱いセッションになることでしょう。今からとても楽しみです。
大槻桃斗
友人として、音楽家として尊敬している杉浦奎介君がなんと僕のコンサートに出てくれるなんて!彼とは初共演の時に意気投合し、すぐにREAL TRAUMのコンサートのオファーをもらったときは本当に嬉しかったです。今回はお互いのソロリサイタルにゲスト出演ということで、より絆が深まることは間違いないでしょう。ヴィルトゥオーゾなアンサンブルに彼の甘い歌声、どんなサウンドになるのかとても楽しみです!
文=神山薫
公演情報
会場:浜離宮朝日ホール(東京)
杉浦奎介(テノール)、追川礼章(ピアノ)
ガーシュウィン:By Strauss、ほか
公演情報
会場:浜離宮朝日ホール(東京)
出演:
大槻桃斗(ヴァイオリン)
高宮城凌(ヴァイオリン)、宮川清一郎(ヴィオラ)、山本健太郎(チェロ)
豊島悠太(ピアノ)、髙石大和(ギター)
ブラームス:ハンガリー舞曲第5番 ほか
全席指定・税込 6,000円