IS:SUE デビューから1年間、“IS:SUEらしさ”と向き合い、葛藤し、乗り越えてきた姿を赤裸々に告白
IS;SUE 撮影=菊池貴裕
オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』のファイナリストだったNANO、RINO、YUUKI、RIN(現在活動休止中)の4人で2024年6月にシングル「1st IS:SUE」で華やかにデビューしたIS:SUE(読み:イッシュ)。5月21日に3rdシングル「EXTREME DIAMOND」をリリースし、6月にはデビュー1周年を祝うファンコンサートを行なう。デビューしてからのこの1年間、“IS:SUEらしさ”と向き合い、葛藤し、乗り越えてきた姿を赤裸々に告白した、貴重なインタビューをお届けする。
――今作のアーティスト写真、ジャケットのアートワークのテーマは?
NANO:1枚目(「1st IS:SUE」)、2枚目(「Welcome Strangers ~2nd IS:SUE~」)と比べて、今回は女性らしさが強調されるような衣装・ヘアスタイルで、アー写やジャケット写真の撮影をしました。ただそのなかで、強さを表現するために、ボクシングのリングのなかで撮影をしました。
――あれは合成ではなく、本物のリングなんですか?
NANO:はい。撮影場所に行ったらリングのセットが組まれていたので、私たちもビックリしました。そのリングに私たちが立つことで、女性らしさと、女性のなかにある強さ、その共存を写真で表現しました。
――その共存こそ、IS:SUEにぴったりだなと思いました。個人的には、憧れのお姉さん像とガールズクラッシュのような、パワフルでカッコイイ女性像。その両方を持ち合わせているのがIS:SUEらしさだと思っているんですね。
全員:嬉しい。ありがとうございます。
NANO
――デビューから1年、改めていまみなさんが思うIS:SUEらしさとは?
RINO:最初に私たちのIS:SUEという名前、グループ名に「常に注目や話題性(ISSUE)を持って人々を魅了する、魅力的で“異種”な存在」という意味が込められてるというのを聞いたときは、IS:SUEらしさって何だろう? 人と異なることなのかな? と思ったんです。だから、パフォーマンスを通してそういうものを表現しようとしていたんです。でも、楽曲やグループの活動を通して“IS:SUEらしさ”を考えていくにつれて、最初は人と異なることと思っていた考えはこの1年で変わりました。ファンのみなさんと接したり、いろんな方々と共演させて頂くなかで、この世の中、一人ひとりがそれぞれ異なっているんだと思って。まったく同じ人はいないじゃないですか。だから、みんなが異種なんだと思ったんです。周りとは異なっていなきゃとか、自分はこの属性にいなきゃとかではなくて、みんな一人ひとりが自分の意思で、それぞれの個性を大事に生きていくこと。それが、私がいま思うIS:SUEらしさです。だから、わざわざみんながそうだからって足並みを揃えていく必要はなくて、自分が信じたものを信じていく。それを、私たちが音楽やパフォーマンスを通して表現していくことで、ちょっと自分は人と異なっているのかなと思ってる子のプラスになったり、そういう人たちの背中を少しでも押す。そんな存在になれたらいいなと、この1年、IS:SUEの活動を通して思うようになりました。
NANO:私たちのコンセプトに「Not wrong, just different. ”IS:SUE“ is coming.」という言葉があるんですけど、和訳すると、間違っているわけじゃない、違うだけなんだ、という意味があります。これを見たときに、この言葉を自分のなかでどう消化していけばいいのかというのを、デビューした当時からずっと考えていて。これも人それぞれ解釈の違いはあると思うんですけど、私のなかでは、人と比べなくていいという風に解釈していたんです。そう思っていてもどうしても比べてしまうときがあるし、意図せず自分が比べられる対象になったりすることもあると思います。でも、IS:SUEの活動を通して、それすらも自分の個性なんだし、そんな自分も愛してあげたいって最近は思えるようになってきて。そこは、IS:SUEで活動するようになって変わった部分です。いまでも人と比べてしまうことはあるんですけど、でもそんな弱い自分も認めながら、ポジティブな方向に目を向けて自分を高めていこうよと。そういう考え方ができるようになりました。
YUUKI:私はいままで、枠から外れるということができないタイプだったんです。何事も安全な枠のなかでやっていきたいタイプなので“優等生タイプだね”と言われることもありました。だから、デビュー曲「CONNECT」(「1st IS:SUE」リード曲)からIS:SUEで果敢に歌うようなメッセージは、最初は実際の自分とはちょっと距離感がありました。NANOさんも言っていたように、私も人と比べたり比べられたりというのがあって。自分のギャップに悩んだりもしたんです。たくさん悩んだ結果、自分という存在は自分が受け入れてあげないと生きていけない。人とは違う自分は唯一無二である、そのことを自分が受け入れてあげないと自分を愛することはできないし、本当の意味でいいパフォーマンスもできない、ましてや楽しく生きることもできない。そこに気づきました。今は、どんなに強気な歌詞がきても、自分がそれに対して共感できる度合いが高まっていると思います。なので、IS:SUEの歌詞や、いま自分たちが置かれている環境にすごく学ばされてきたなと思いますね。
――IS:SUEという看板の裏側で、この1年間3人が葛藤し、もがきながらIS:SUEとして輝けるように自分を磨き続けてきた。その姿が今作「EXTREME DIAMOND」のタイトルにもつながっているように感じました。
NANO:ありがとうございます。様々な圧力をかけられ、磨きをかけて輝くのがダイヤモンドじゃないですか。なので、失敗を恐れずに自分を磨き続ける私たちの強さ。ここからより一層輝きを増していく姿を表現した楽曲を収録したので、このようなタイトルになりました。
――ここからは収録曲について聞いていきたいと思います。「SHINING」は中毒性の高いグラマラスなサビ、ヴァース区間に繰り返される《Mmm!》がなんともクセになる1曲でしたが。あの《Mmm!》はどなたが歌っているんですか?
全員:みんなです。
NANO:しかも、あそこは別録りではなくて、歌とつなげて《Mmm!》のところも歌ってレコーディングしたんです。ここは曲のポイントになってますよね。
YUUKI:私はこの曲の歌い出しが大好きなんでよ。《I'm set to shine like a diamond、Lights Up》という英語の歌詞で、私はダイヤモンドのように輝くのよ、そういう存在なのよっていうのを宣言しているパートなんです。元々デモでは男性の声で歌ってて、それがめちゃくちゃカッコよかったんです。そこが自分のパートになったので、デモに負けないように自分流に発音もかっこよく歌おうと頑張ったので、すごく思い入れがあるんです。あと《IS:SUE bring all the crowd to the yard》というところは、ライブでREBORN(リボン=IS:SUEのファンネーム)と一緒に盛り上がれそうだなと思っています。
NANO:うん。《yard》のところとか、かけ声を入れてほしいですね。
――IS:SUEの楽曲は歌詞に《IS:SUE》を歌い込んでいるところが。
NANO:いいですよね! 毎回どこかにIS:SUEという文字が歌詞に入ってくるところは、私もいいなって思います。
RINO
――続いて、「NO Game Over」。
NANO:この曲のめっちゃ耳に残る部分として、《Mo,No,No,No,No~“》ってNoを繰り返す部分があるんですけど。ここも絶対みんなで歌って欲しいなと思っています。私たち自身も楽しんで歌えて、お客さんたちも一緒に口ずさみながら楽しめる。そんな1曲になったかなと思っています。
――曲の最後に入っている《ありがと》はどなたの声ですか?
NANO:私です。レコーディングのときは10パターンぐらい、いろいろ“ありがとう”の言い方を変えて録って。そのなかで最終的に採用されたものが音源になりました。スタッフさんから“ここの部分はライブで毎回いろんな言い方に変えてやっていいよ。遊べるパートだよ”と言ってもらったので、ライブで私がどうアレンジして歌うのかを毎回楽しみにして頂けたらなと思います。この曲は平歌の部分でも、同じフレーズを3人がそれぞれ自分の歌い方で歌っているところがあるんですね。歌い方を揃えていないからこそ、私たち3人の個性がそういうところではより感じられるんじゃないかなと思います。
――それでは、3曲目の「Starstruck」。
RINO:この曲は私たちが初めて韓国語、日本語、英語の3ヵ国語が混ざった歌詞に挑戦した曲になっています。元々デモの段階では、歌詞は全部韓国語だったんです。だから、日本語の歌詞にしていくときも《ポゴシッポ》とかはキャッチーだしすごく可愛らしい響きなので、そこは韓国語のまま残そうということになりました。3ヵ国語が混ざっていながらも、歌詞はちゃんとしたストーリー性があって。スターになりたい女の子が主人公で、その子がファンのためにきらめきたいという希望を込めた歌詞になります。でも、受け取り方によっては、恋愛ソングっぽくも聴ける歌詞なので、受け取って下さる方はいろんな方向から楽しめる曲なんじゃないかなと思っています。
――新しいといえば「Love MySelf」(通常盤CDに収録)もそうなんですよ。今作のなかで一番最初に配信された曲で、こちらのMVが、新しかった。韓国で撮影されたそうですね。
RINO:そうです。
NANO:寒いなか撮影しました。
――これ、MVのなかでIS:SUEがまったく踊ってないんですよね。
RINO:そうですね。しかも、衣装もラフな感じで。
――ジャケ写もナチュラルでしたもんね。
YUUKI:この曲は新しい環境とか新しい季節を迎えて、新たな挑戦に踏み出す。そんな方々の背中を押すような曲になっていて。歌詞はSelf Loveについて歌っています。でも、ただ単に自分を愛そうっていう前向きなメッセージを押しつけるだけじゃなくて、ときには自分を愛せないときもある、そういう自分のちょっと暗い部分、影の部分を“こういうときもあるよね”と。でも、そういう部分も含めて愛せるように一緒に進んでいこうよ、という感じで、すごく聴いてくださるみなさんに寄り添ってる部分がある、あたたかい曲になっているなと思います。
――距離感が近いですよね。しかも、《長い夜いくつも越えて 何度も何度も顔を上げて 花咲くの Love MySelf》というところは、冒頭に話してくれたみなさんの生き様であり、オーディションという長い夜を越えて、デビューという夢をつかんだ後も自分たちは長い夜をいくつも越えてきたという、IS:SUEの物語にもなっている。それを実感しているみなさんが歌っているからこそ、この曲はすごく説得力をもって聴き手に飛び込んできて、心を揺さぶるんだと思うんです。リアルな気持ち、リアルなIS:SUEを歌っているからこそ、MVも踊らないで、キャンピングカーに乗ってはしゃいでいたり、ナチュラルなものになったのかなと思ったんです。
YUUKI:うんうん、そうですね。だから、あのMVは自然体をすごく意識して撮った記憶があります。私たちが普通に、普段遊んでいるような雰囲気を意識して。表情も、これまでミュージックビデオを撮るときのキリッとした作り込んだ顔じゃ無くて、自然なままで。
――バキバキに踊っているIS:SUEになるときは表情も気持ちもスイッチをそっちに入れていく感じなんですか?
RINO:もちろん。頭のなかも心のなかも“私は超カッコイイ人なんだ”って思ってやっています。
YUUKI:だから、あれは自然体かな?
NANO:そうだね。IS:SUEとしての私たちか、普段の私たちかで分けると「Love MySelf」は唯一、普段の私たちをそのまま撮影した感じで。他とは全然違うと思います。
YUUKI
――そして、IS:SUEは今作をリリースした後は、6月にファンコンサート『2025 2ND IS:SUE ASSEMBLE-The Searlet Anniversary』を東京と大阪の2都市で開催するそうですね。
NANO:デビューして1年経ったので、この1年間の成長を見せられるようなステージを披露したいと思っています。もっと自分たちが意見を出して企画を考えたりして、前回のファンコンよりも、さらに一層ファンの方たちと一緒になってなにかできないか、いまはまだ頭のなかだけですけど、考えているところです。
RINO:前回は横浜で2Daysやらせて頂いたんですけど、今回は東京と大阪。関西エリアでもできるのがすごく嬉しくて。去年はイベントとかも含め、東京エリアで開催することが多かったので、私たちが東京以外のファンのみなさんのところに足を運べる機会はそんなになかったんですね。だから、ファンのみなさんに来て頂くことが多かったんですけど、今回は私たちのほうから足を運んで行って、関西のファンのみなさんとお会いできるので、それがすごく楽しみなんです。新しくファンになって下さった方、初めてライブを観に来て下さる方、前回も観に来て下さった方。みなさんと声を出して、全力で素敵な思い出を一緒に作れたらいいなと思っています。そのなかで、みなさんに1周年を迎えた自分たちの新たな意思を見せられたらいいなと考えています。
NANO:ライブでなにが大事なんだろう?って思ったとき、ライブが終わった後に“また来たいな”って思ってもらえることだと思うんです。来て下さったお客さん全員にそう思ってもらえたら、そのライブは大成功だと私は思うので。なので、お客さんに楽しんでもらうためには、まずは自分たちが1番楽しむ、そこが重要だなと思っています。そうして、また次も私たちに会いに行きたい、IS:SUEのパフォーマンスを見たいって思って頂けるようなステージ構成、演出をみんなで全力で準備して、当日お届けできたらと、いまは思っています。
――それでは最後に、今後IS:SUEが目指す場所は?
YUUKI:国内だけじゃなくて国外の方々にも、このIS:SUEというグループの存在を1人でも多くの人に知ってもらいたいというのは、結成当時からみんなで話していたことなので。これからもっと多くの方にREBORNになって頂きたいです。その大きな目標のために、一つひとつ頂いた機会に感謝を忘れず、全力で取り組んでいって。
NANO:世界でも活躍するという目標を達成するためには、まず国内でしっかりと活動をしていって、IS:SUEを誰もが知ってる、そんなグループになることを目標として、ちっちゃいことを積み重ねていきたいです。
取材・文=東條祥恵 撮影=菊池貴裕
リリース情報
初回限定盤A
初回限定盤B
通常盤
UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤
FC/NANO
FC/YUUKI
FC/RINO
イベント情報
6/11(水)東京・東京国際フォーラム ホールA
6/19(木)大阪・フェスティバルホール