Penthouse 最高到達点を更新し、夢を叶えてゆくバンドが挑んだ過去最大規模の東京国際フォーラム ホールA公演をレポート

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Penthouse ONE MAN LIVE TOUR 2025 “Midnight Diner”
2025.6.12 東京国際フォーラム ホールA

6月12日、東京国際フォーラム ホールAで『Penthouse ONE MAN LIVE TOUR 2025 “Midnight Diner”』を観た。Penthouseのライブ体験は昨年12月19日のパシフィコ横浜でのワンマンライブ『Penthouse ONE MAN LIVE 2024 “Laundry”』以来だが、キャパシティがぐっと広がったにも関わらずは即日ソールドアウト。ツアーも日本全国5都市と台北の計6公演、国内公演はすべてホールでの開催と、一気にスケールアップ。今のPenthouseには勢いがある。華がある。

浪岡真太郎(Vo,Gt)

浪岡真太郎(Vo,Gt)

「こんばんは、Penthouseです。東京、盛り上がる準備はできてますか!」(浪岡真太郎/Vo,Gt)

ステージ上にはダイナー(カジュアルレストラン)をイメージした、バーカウンターやジュークボックス、ネオンサインが置かれてとても華やか。6人のメンバーにパーカッション、コーラス2人、ホーン隊3人がグルーヴを重ね、広いホールいっぱいにグッドバイブレーションを送り出す。ステージ左右には巨大スクリーンが設置され、各メンバーの表情もばっちりわかる。ポーカーフェイスで歌に集中する浪岡と、動き回って笑顔で煽る大島真帆(Vo)、ツートップのコントラストがとても鮮やか。

大島真帆(Vo)

大島真帆(Vo)

オープニングは恒例の「Welcome to the Penthouse」で、その後は“その曲、序盤でやっちゃっていいんですか?”と思うほど出し惜しみ無しのセットリストで突っ走る。今日はまだ木曜日だが、明日の夜に似合いそうな曲も一足早く披露して、“ミラーボール、もう使っちゃっていいんですか?”と思うほど贅沢な演出で盛り上げる。観客は2階のてっぺんまで総立ち、手拍子と手振りで音に乗る姿が壮観だ。

「盛り上がってますかー! さすがに広いね」(大島)
「今回は、真夜中のロードサイド・ダイナーでの秘密のパーティーがコンセプト。僕らもめちゃくちゃ楽しむので、みんなも負けじと楽しんでいってください」(浪岡)

矢野慎太郎(Gt)

矢野慎太郎(Gt)

大原拓真(Ba)

大原拓真(Ba)

ベースの大原拓真とギターの矢野慎太郎が、ステージ前に躍り出てステップを踏む。ピアノのCateenはステージ上を動かない代わりにピアノとシンセを駆使して饒舌なソロで魅了する。もちろん、平井辰典(Dr)の正確なプレイはリズムの要。巧いのは当たり前、Penthouseのアンサンブルはチームプレイと個人プレイの使い分けが抜群だ。

Cateen(Pf)

Cateen(Pf)

平井辰典(Dr)

平井辰典(Dr)

「東京、盛り上がってる? ここからは歌とピアノでお届けします」(Cateen)

ここでPenthouseのライブでは恒例のCateen×大島真帆のアコースティック・パフォーマンス、今日のテーマは「私のルーツ」。大島が中学時代に入っていたミュージカルクラブで触れた『ウィキッド』からの曲を思い入れたっぷりに披露する、それはまさに演じるように歌う、彼女ならではの豊かな表現力のルーツそのもの。続いてはCateenのピアノと浪岡真太郎のコンビで、浪岡が選んだ1曲はアリシア・キーズ「イフ・エイント・ガット・ユー」。苦み走ったソウルフルな歌声とギターソロ、後半は大島真帆のボーカルとCateenのピアノソロも加わって、一粒で何度でも美味しい仕上がりだ。

中盤のMCは全員参加。平井が先日ライブで訪れた韓国でのエピソードで笑いを取れば、大原は「今日はうちの親も来てます」と言って盛り上げる。矢野はステージを走り回ってインスタントカメラで撮りまくり、Cateenは新曲「Planetary」にまつわる話で拍手をもらう。大島はかつてゴスペラーズのライブのゲストで浪岡と共にこのステージに立った時、“いつかこの景色をPenthouseで見られる”と予感したという。「それが今日叶いました。みなさんのおかげです」という言葉に応えるあたたかい拍手。夢を叶えてゆくバンド、それがPenthouse。

「悔いを残さないように、手を上げて声を出して、後半戦も盛り上がっていきましょう」

浪岡の掛け声でスタートした後半は、待ってましたのキラーチューンを連続投下。タオル回しの定番曲「夏に願いを」は、どんな季節でもステージに熱気と風とを運んでくる。1月にリリースしたばかりの「ナンセンス」も、すっかり定番曲の貫禄をまとって存在感を発揮している。大原がニコニコ笑顔で観客に手拍子を求める。Cateenがピアノソロとシンセソロを華麗に弾き分けて大喝采を浴びている。一人のメンバーにフォーカスしてじっくり聴いても楽しめる、それがPenthouseのライブ。

「音楽は人生を変えるきっかけにはなれるけど、実際に変えるのはあなた自身。僕もいい曲を書いて、みんなは自分の人生を頑張って、Penthouseのライブは、それを自慢しあえるような場であってほしいと思います」(浪岡)

心のこもったメッセージのあとは、ゴールめがけて一直線。大島がリードする恒例の「我愛你」のコーラス大会は、「体育会!」「吹奏楽部!」「演劇部!」と、学生時代の所属クラブ縛りでぐいぐい盛り上げ、ラストは「Penthouseが大好きな人!」で全員参加の大コーラスへ。ライブを重ねるたびに熱気を増す、Penthouseならではの一体感を象徴するパフォーマンスは、今日もやっぱり最高だった。

そしてアンコールでは、とっておきの嬉しいお知らせがあった。2026年3月16日、初の日本武道館公演決定。「みなさんがここまで連れて来てくれました」と、大島の声がはずんでいる。決して一足飛びではなく、1本のライブごとに最高到達点をクリアしてきた、それはきっとバンドにとっての通過点。Penthouseはもっと先まで行くだろう。行くはずだ。

最新曲「Planetary」は、ほとんどの観客がライブで初めて聴いたにも関わらず手拍子とダンスで大はしゃぎ、バンドの明るい未来を指し示すようなハッピーチューンだ。過去最大規模のライブを終え、ツアーは14日の台北と16日の札幌公演でファイナルを迎えるが、武道館を見据えてバンドは走り続ける。夢を叶えてゆくバンド、それがPenthouse。未だ見ぬ景色を彼らと共に見に行こう。


取材・文=宮本英夫 撮影=高田 梓

ライブ情報

『Penthouse ONE MAN LIVE in 日本武道館 "By The Fireplace"』
2026年3⽉16⽇(月) 東京・日本武道館
開場18:00 / 開演19:00

 
情報】
ファンクラブ「Pentclub」会員先行予約受付
6/12(木)21:00-6/30(月)23:59
https://pentclub.jp/

 
《問》ホットスタッフ・プロモーション
TEL:050-5211-6077(平日 12:00~18:00)

リリース情報

「Planetary」
2025年6月11日(水)配信
https://penthouse.lnk.to/Planetary
ストリーミングサービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスにて配信決定!
※音楽ストリーミングサービス:Apple Music、Spotify、YouTube Music、LINE MUSIC、Amazon Music、Deezer、AWA、Rakuten Music、KKBOX

2nd Album『Laundry』アナログレコード
詳細はこちら:https://penthouse-tokyo.com/news/1220/
品番:NJS-822
商品形態:LP
価格:税込¥5,000(税抜¥4,545)
※5月20日(火)より全国5都市7会場にて先行販売
※ツアー終了後、VICTOR ONLINE STOREで販売予定
※先行販売・後日販売ともに数量限定につき無くなり次第終了

 
<収録曲>
01. Taxi to the Moon
02. 我愛你(テレ東 ドラマNEXT「好きなオトコと別れたい」主題歌)
03. 夏に願いを
04. Raise Your Hands Up
05. フライデーズハイ(日産「X-TRAIL e-4ORCE」CMソング)
06. 花束のような人生を君に(関西テレビドラマ「そんな家族なら捨てちゃえば?」主題歌)
07. 一難(ショートドラマ作品「トリッパーズ」主題歌)
08. Kitchen feat. 9m88
09. アイデンティファイ
10. Whiskey And Coke

 
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