LOCAL CONNECTが地元京都・長岡京で語る10周年の現在地、ベストアルバムに込めた想い、ホールワンマンやその先の展望を語る

インタビュー
音楽
18:00
LOCAL CONNECT 撮影=Satoki Nishidono

LOCAL CONNECT 撮影=Satoki Nishidono

画像を全て表示(9件)

ISATO(Vo)、Daiki(Vo.Gt)、しゅうま(Ba)、Natsuki(Dr)からなる京都府長岡京市発のツインボーカルバンド・LOCAL CONNECT(以下、ローコネ)が今年結成10周年を迎え、初のベストアルバム『Youth』をリリースした。2枚組全30曲を収録した今作は、メジャーデビュー1stミニアルバム『過去ツナグ未来』~自主レーベル設立1stアルバム『NEW STEP』までの18曲を再レコーティング、2ndアルバム『絶対的予感』、EP「DETOUR」、配信シングル「Light」までの11曲をリマスタリングした意欲作。全曲で昨年10月にバンドを卒業したまーきー(Gt)が参加している。そしてアルバム最後に収録された新曲「紫苑」は、そんなまーきーに贈る曲。まさに彼らの10年の集大成であり、次に進むための重要な1枚となった。今回は、彼らの地元・長岡天神駅のほど近くに位置する長岡公園で、メンバー全員インタビューを敢行。10周年やベストアルバム、自主企画『LIGHT YOU』、そして今後の展望について話を訊いた。ISATOは「ここで取材していただくと、また大事なタイミングが来たと思える」と語る。緑豊かで、池には鯉や亀が泳ぐのどかなロケーション。リラックスした雰囲気で、インタビューはスタートした。

10年間で変化した、地元・長岡京市への想い

ーー長岡京は、皆さんにとってどんな場所ですか?

ISATO:10年前にLOCAL CONNECTという名前をつけて、出発する時から「この街に帰ってくる時は数万人規模のライブができるようになって、地元に恩返ししたい」と思っていて。若い人に「長岡にこんな人たちいるんだ! 自分たちも音楽やろうかな。じゃあ自分はこんなことがやりたい!」と希望を持ってほしいし、地元の人には「こんなおもろい兄ちゃんいるんやな」と盛り上がってほしいというのが、僕の中での小さな夢でした。

ーー良いですね。

ISATO:この10年で楽しいこともたくさんあったけど、叶わないことも多かったので、これから数万人の前でライブをするまでに、その夢をどう形を変えて自分たちの中に置いておくのかを考えた時、「やればいいんじゃない?」のマインドで「自分たちで夢に辿り着く」という気持ちが芽生えてきて。メンバーや仲間に刺激をもらいながら考えを柔軟にした結果、僕の中では「満を持して帰る場所」から「今の自分たちの100%で地元に音楽の楽しさを伝える場所」に変わりました。なので自主企画イベント『LIGHT YOU』というチャレンジができたり。地元で久しぶりに演奏すると喜んでくださる方もいるので、そういうところに喜びを見出せる年の重ね方をしていますね。

Daiki:自分たちが地元を出て色んな景色を見て帰ってきたいというのは最初の目的でしたけど、色んな場所で色んな方と出会って、目指すものへの自分たちの進路やスピードを見た時に「LOCAL CONNECT=長岡京市」ではなくて、「長岡京市=LOCAL CONNECTがいる場所だ」とリンクするのは良いことじゃないかなという感覚が芽生えたのは、本当にここ数年ですね。

ーー最初は出身地を出すのが嫌だったとうかがいましたが、「長岡京発」はいつ頃から言い始めたんですか?

Daiki:メジャーデビューのタイミングですね。当時お世話になってた東京の事務所やレコード会社の方と話した時に「同級生で、同じ街で同じ景色を見て音楽を始めて、このステージに来るのはすごく大事にすべきことだ」と言っていただいて。僕たちもそれを大事にしたくてLOCAL CONNECTという名前にしたので。京都のアーティストはたくさんいるけど、「京都府長岡京市」に意味があるんじゃないかと皆で話をして、そこからはプロフィールに書くようにしてますね。

ーー10周年を迎え、皆さんで10年を振り返るタイミングはありましたか?

Daiki:特になかったです。気付いたら10年でした(笑)。でも僕らは毎年何かしら「今年はこういうことをしたいよね」と目標を掲げて、そこに向かって挑戦してたんですよ。だから変わらないバンドの雰囲気というか、これからも変わらず続いていくんだろうなという感じがしています。

LOCAL CONNECTらしい活動のひとつ、自主企画イベント『LIGHT YOU』

ISATO(Vo)

ISATO(Vo)

ーーお話にも出た自主企画イベント『LIGHT YOU』は、公園のすぐそばにある長岡京記念文化会館で2022年から行われています。定期的に地元でイベントを開催するようになって、LOCAL CONNECTというバンド名を体現できている感覚はありますか?

ISATO:いつかは長岡京記念文化会館でライブがしたかったですし、仲間を引き連れて帰ってきたかったので、LOCAL CONNECTというバンド名、自分が思い描いたLOCAL CONNECTに対するビジョンがようやくしっかり合わさってきた感じがします。僕は10年前「周りから見たLOCAL CONNECTはこうあってほしい」という部分になかなか寄り添えなくて。ただ、『LIGHT YOU』の本番やJR長岡京駅前での路上ライブ、地元のお祭りでライブをして、「皆が求めている姿、これもひとつのLOCAL CONNECTの形だな」と思えるようになりました。地元に帰るからこその喜びを実感して、LOCAL CONNECTらしい活動ができてるのかなって、最近とても思います。

ーー地元でのイベントはやはり格別ですか?

Daiki:格別ですね。

ISATO:Natsukiは長岡京が地元ではないんですけど。

Natsuki:僕は年齢的には後輩で、高校も僕だけ違って。長岡京はローコネに入ってからできた思い出の方が多いので、3人とはまた角度が違うかもしれないですね。言うて僕も地元は近いので、友達も親戚も集まりやすいし、見せたかった姿を近くで見せられるのはめっちゃ大きい出来事ですね。

ーー家族や友人が観に来る、年に1回のイベントになっているんですね。

ISATO:やっぱり長岡京じゃないと来れない人がいるんですよ。ここでは老若男女幅広く来ていただけるので、普段のライブと景色が全然違う。でもやるライブや熱量は変わらないのがまた面白いです。

ーー今年のラインナップとして、BURNOUT SYNDROMES、BRADIO、YOURNESS、kobore、MCに桜井雅斗さんと、ローコネと馴染みの人たちが発表されていますね。

しゅうま:基本的に何かしらの繋がりや思い出があるバンドを呼びたくて。今発表されてる方も昔から関わってきた人たちで、そういうバンドを地元に呼べるのは嬉しいですね。

ーーちなみにしゅうまさんは、長岡京とローコネについて思うことはありますか?

しゅうま:奇跡やなと思いますね。この近くのスタジオにずっと入ってて、長岡京文化会館でライブをする日が来るなんて、結成した時は思いもしなかったので。もちろん色んな人の協力やメンバーの頑張りもあるんですけど、全部が理想通りにいったかと言えばそうじゃない。でもそのおかげでこのステージに立ててるんやなというのは1年目の『LIGHT YOU』で思いましたし、2年目は2年目で、噛みしめた上でいつものライブをさせてもらって幸せでしたし、3年目はどんな景色が見れるやろうと楽しみですね。

青春は若者だけに許されたものじゃない

Daiki(Vo.Gt)

Daiki(Vo.Gt)

ーーベストアルバムを出そうとなったキッカケは?

ISATO:「10周年やし何かしようか」ということでだいぶ前から計画はあって。楽曲も結構出してきてるし、「このタイミングでLOCAL CONNECTを再認識してもらおう」ということで、ベストアルバムを作ろうとなりましたね。

ーー全部で何曲ある中から、30曲を選曲されたんですか。

Daiki:70弱ぐらいから、半分にしか削れなかったです。

ーーどういう基準でセレクトされたんですか?

Daiki:メンバーで「あれ入れよう、これ入れよう」とやってたら、あっという間に30曲になってました(笑)。でも「この曲は自分たちにとって大事だよね」「ライブでよくやるよね」「LOCAL CONNECTを象徴してる曲だよね」という曲は外さずに、あとは「意外と良い曲やんな」「改めてこの曲伝えたいよね」みたいなところを皆で話し合って入れていきました。メイン曲というか本筋は割と早く決まった感じがします。

ーー新曲は1曲入れようと決めていたんですか?

ISATO:「1曲は新曲があった方がいいよね」と最初から話してましたね。

ーー『Youth』=「青春、若者」というタイトルは、皆さんで決められたんですか。

ISATO:タイトルは僕が決めました。ワンマンツアーのタイトルも『Connect Youth』なんですけど、僕の中で10周年で「Youth」という言葉を使いたい気持ちが漠然とあって。もちろん他の言葉も浮かぶので、悩んでタイトルを絞り出してたんですけど、結局「Youth」に帰ってきたので、つけるべくしてついたタイトルですね。そもそもバンド名を考える時に「Connect Youth」という候補もあったくらい、「Youth」には惹かれていて。ツアータイトルとしては「青春を全国に繋ぎに行く」という意味なんですけど、アルバムタイトルは短い言葉でドンとつけたくて。僕たちの結成のキッカケが高校の学園祭で、そこがまず青春ですし、音楽をやってると若い時の衝動がいつまでも忘れられない。僕たちも30歳を超える年になったんですけど、ライブ中やスタジオで音を出してる時は、地元のスタジオに入った時と同じ刺激が未だに体の中に流れてきますし、初ライブを思い出します。音楽ってライブって、そういうものをちゃんと思い出させてくれる。だから「その時の衝動を忘れないでおこう」という意味です。

ーーなるほど。

ISATO:あとは去年『CONNECT YEAR 2023-2024 青春カムバック文化祭 編』という超ダサいタイトルで心斎橋BIGCATでイベントをしたんですけど、それがすごく良くて。青春は若者だけに許されたものじゃない。自分たちが今「面白い、感動する」というものさえあれば、年齢も性別も国境も関係なく、誰もが青春を感じられる。そういうものを改めて30曲で提示したくて『Youth』というタイトルをつけました。

ーーいざ楽曲を並べて聴いてみて、何を感じましたか?

ISATO:30曲って聴くの大変やなと思いがちなんですけど、全然聴けたし、むしろ面白かった。再録曲もあって、飽きないアルバムになりました。曲順も1枚目のアルバムから順に時系列で収録されているので、当時の気持ちや出来事を思い出しますし、「今もこうしてLOCAL CONNECTという形があって、チャレンジし続けられるのはすごいことやな」と思います。

今の自分たちを等身大で形にするために挑んだ、再レコーディング

しゅうま(Ba)

しゅうま(Ba)

ーー18曲を再録された意図というのは?

Daiki:大人の事情が7~8割です(笑)。でも過去の楽曲は絶対届けたかったし、「10年前に録った曲を今の僕たちがやったらどうなるんだろう」というのも楽しみだったので再録したいと思いました。実際に録ってみたら、同じフレーズでも力の抜け方や熱の入り方、同じ歌でも声の太さ、優しさ、力の入れ方、抜き方が、過去と今では違うことが初めてわかって。ファンの方もSNSで「同じ楽曲やのに全然違う」と言ってくれたので、すごく意味があったと思いますね。初心にも戻れるし、自分たちの成長も感じられたのが大きかったです。

ーーエンジニアの手塚貴博さんがSNSで「過去を超えることが目的じゃなく、今のローコネの音をしっかり出すことを目的に作業された」と書いておられました。

Daiki:ほんとにその通りで。僕たちがメジャーデビューした時の制作チームは、有名アーティストを手掛けているプロの方ばかりが揃っていたんですよ(当時ミックスを手塚が担当)。その中で右も左もわからず東京に行って。当然機材は金額に比例するので「100万円の機材借りてきたよ」「何百万のマイク使ってみよう」ということがすごくあって、良質な音で録音できたんですよね。

ーー恵まれた環境だったと。

Daiki:今回は京都の近くのスタジオで、自分たちの回りにある機材だけで表現をしないといけなかったので、その点で最初手塚さんからは「無理だよ」と言われたんですよ。「あの時集まった人たちと、その時のLOCAL CONNECTの熱量であれができたから、今同じことをやり直そうとしても、音質的にも絶対当時を超えることはできないよ」と。でも僕的には挑戦してみたかったし、僕の中では比べるというよりも、今の自分たちを等身大で形にしたかったので押し切らせてもらったんです。「手塚さんじゃないとダメなんです」とお願いして、しぶしぶOKをもらったんですけど、僕らがレコーディングしたものを聴いて「当時と全然違うし、荒々しいけどこれも良いな」と言ってくださって。そこからほぼ毎日電話して、どういう方向性にするか、楽曲ごとに決めていきました。昔はそれができなかったし、プロデューサーさんの意向でどんどん色付けしていただいたけど、今はそれぞれの音の指揮を全部自分たちでとらないといけない。ギターは僕の自宅で録ってるんですけど、なけなしのお金を使って、可能な限りの機材を揃えて。あとはもうリサーチだけ。どうしたらどんな音が出るのかを、夜な夜な調べて導き出せた音です。お金じゃない価値がきっと音にも詰まってると感じたので、それが体現できて良かったです。10年目にして新しい挑戦ができて、疎かにしていることや、逆に自信を持って突き詰めていった方がもっと良くなることに気付けたので、今後の楽曲にも活かせると思います。

プロとの仕事や経験が、それぞれ結実した

Natsuki(Dr)

Natsuki(Dr)

ーーベースもドラムも、京都で録音されたんですか。

Natsuki:そうですね、急ピッチで。レーベルに所属してた時は、東京のスタジオでドラムテックの方がドラムを持ち込んで、チューニングもやってくださって、音作りの方向性も決めてくださるんです。僕も興味はあるのでそれをずっと聞いて吸収していて。独立するタイミングで、ノウハウはある程度自分の引き出しにあったので、今回はその引き出しを開けながら自分で音作りしていく感じでしたね。曲の理想はアーティストが持っているので、そこは僕らが指揮をとるけど、エンジニアさんはマイクや部屋に対する録りやすさを詰めつつ、僕は僕で試行錯誤しながらチューニングできたのでめっちゃ楽しかったです。いかんせん5日間で18曲録ったので、1日4~5曲ぐらい。やり慣れてる曲たちなので、何とかかんとかいけた感じですね。

ーーベースはいかがでしたか?

しゅうま:僕は10年前から「ベーステックってつかへんのかな?」とずっと思ってて。

一同:(笑)。

Daiki:確かにな。

しゅうま:ギターやドラムに対しては、いつもすごく手厚いなって。ついてくださってたプロデューサーさんも全員ギタリストなんですよ。でもベースはリズムやフレーズに関しては厳しいけど、機材面に関してはちょっと冷たかったなと。フォローしてくれる人間がいないというか、個人的に「こういう事情あるんだよ」と思いつつも、その時の自分が言うとただの言い訳になってしまうし、言えない環境でもあったので。だから今、それだけメンバーに伝えとこうかなと。

Daiki:わははは!(笑)。

しゅうま:今回も「ベーステックついたらいいな」と思いながらやってましたね。

ーー再録でこだわったこと、工夫されたことはありましたか?

しゅうま:ないですね。メジャーの時に録った曲たちなので、いわゆるベースラインは引き算して仕上げたものなんですよ。他のパートは「ライブでよくやるアレンジを入れよう」とかあるけど、僕は「ベースラインを足すことで、当時の曲よりも悪くなってしまうんじゃないかな」と懸念してて。僕は楽曲として以前録ったものに負けたくなかったし、当時プロデューサーさんと決めて作ったリズムやフレーズを、10年前よりもレベルアップした今の自分がしっかり弾いた方が必ず良くなるという自信があったので、ほとんど変えてないですね。完成したものを聴いて「自分の選択は正しかったな」と感じました。

ーーISATOさんは、歌の面で今の自分を出す感じでしたか?

ISATO:僕は正直再録がすごく嬉しくて。当時の僕はスキルも知識もないし、「これでほんまにええの?」と思う部分が多くて。今は確実に得てきたものはある。それに今回の再録でジャッジをするのは、レコーディングエンジニアさんと僕とDaikiだから「好き放題歌えるな」と思って。

ーーなるほど。

ISATO:僕はDaikiの家で録る自分の歌が一番好きで。もうずっとワクワクしながら「ライブでこういう歌い方してるけど、音源には合わへんよな?」「いけよ、その方が楽しいやん、せっかく再録するねんし」「1回歌ってみよう」みたいな感じで完成して。地元の先輩に「この歌い方ばりアガるやん!」とリアクションをもらえた時は嬉しかったですね。ファンの皆さんに「前はこういう歌い方してなかった」という部分も楽しんでもらえたら。当時がなかったら今の感覚はないので、ほんまに感謝してます。当時やりたいことを言えなかった自分、言ってみたものの「なぜそっちがいいのか」を説明できなかった自分。そしてそれをちゃんと跳ね返してくれたチームのことも思い出しながら歌えたので、僕はすごく楽しかったです。

5人の音、愛しきまーきーに贈った新曲「紫苑」

ーー今作はまーきーさんが全曲ギターを入れておられ、5人での音が詰め込まれていますね。

Daiki:ベストアルバムの話はまーきーが抜ける前から10年の節目としてやることは決まってたんですけど、脱退が決まってからはベクトルが変わって、「とびきり良い新曲」から「まーきーに贈る新曲」が入ることになりました。やっぱり10年を5人で走り抜けてきたので、最後の作品として彼の音を入れることにすごく意味がありましたし、新章に進むために自分たちの歴史を全部詰め込めたらなと思って、まーきーには「全部録ってくれ」とお願いしましたね。

ーー新曲の「紫苑」ははなむけの曲でもラブソングでもあると感じましたが、どんな気持ちで作られましたか?

Daiki:とりあえず僕の思うことを全部書きました。俺らはまーきーといた時間を糧にしてこれからも夢を追うから、どうか一緒にやってた時間を後ろめたい部分にしてほしくない。彼がこれから生きる上で、僕らが一緒に過ごした10年を力に変えてほしい。苦労があっても「こんなんへっちゃらやで」と思いながら生きていってほしいし、このバンドで培ったものをお守りとして持っていてほしくて。お互いくじけそうな壁があった時にこの曲を聴いて、「まだ頑張れるな」となればいいなと思います。

ーーまーきーさんに曲を渡した時は、どんな反応でしたか?

Daiki:どう思ってたんでしょうね(笑)。まーきーがこの曲をステージで弾いたのは、最後のライブの1回だけ。その後まーきーが僕らの大事なイベントに来てくれた時、僕らが演奏した「紫苑」を初めて客観的に聴いて、とても良い顔をしてたらしいです(笑)。

ーーNatsukiさんは「紫苑」を演奏するにあたり、想いはありましたか?

Natsuki:一個人にかなりフォーカスされていて、その人と僕たちは時間を過ごしてきたから、正直気持ちを入れようと思ったら入りすぎるので、多分演奏に支障が出るんですね(笑)。ステージ上ではそこまで思わんようにしてるんですけど、1人で練習してる時は「ああ、まーきーさんの曲やな」と思ったりしますね。なんかうまく言えないですけどね。

ーーしゅうまさんは?

しゅうま:特にないですね。さすがにまーきー卒業の日はくるものはありましたけど、「いつも通りDaikiの素敵な新曲やな」と思いながら演奏してます。

ーーISATOさんは。

ISATO:初めて演奏した時は、まだまーきーがいたので感情ぐちゃぐちゃでしたし、それ以降は「どう歌ったらいいかな」と正直すごく考えました。Natsukiが言ったみたいに感情を入れようと思ったらなんぼでも入れられますし、余裕で毎回泣けますし。ただ聴いてる人は僕らのファンだけじゃない時もありますし、初めてだと僕らの曲が全部新曲に聴こえる人もいるので、そういう人にどうアプローチすべきか、私情を入れすぎたら届かないんじゃないかなと思って。やっぱり届けたいので「考えすぎたらあかんな」と思って。力が入らない程度に、自分の気持ちに正直に歌うように意識しだしてから、僕らのライブを初めて観た人に「あの曲めっちゃ良かったです」と言われて。その人はまーきーがどういう存在かも、彼が抜けた背景も知らないけど、やっと「これでいいな」と思いましたね。隠しすぎても出しすぎてもダメ。絶妙なバランスを歌で表現したい。でも気持ちは常に燃えてますし、表に出てないだけで歌うたびにずっと泣いてますね。

ーーMVは母校で撮影されたそうですが、念願だったんですか?

ISATO:いつか撮りたいなと思ってました。まーきーから「MVめっちゃ良かった、ISATOの衣装めっちゃ可愛かったで」というLINEが来たんですよ。「いや、俺はお前も含めて5人で行きたかったんや」と本音を言いました。でもこれも運命やと思ったので、「この4人で、この曲で母校にいこう」と腹を括りました。学校に直で電話して、想いも伝えたら認めてくださって。不思議な縁で、僕とDaikiの同級生のお兄ちゃんが学校で働いてたり、地元の1個上の先輩がバレー部の顧問してたり。それもあってスッと受け入れていただいて、無事に撮影できました。MVは何回見てもグッとくる。本当にこの曲にピッタリの、良い意味で素朴なあったかいMVが撮れました。母校じゃないと撮れない作品だと思います。

Daiki:あとたまたま僕が1年生の時の教室が撮影場所で、控え室が2年生の時の教室だったんですよ。やっぱり感慨深かったですね。

夢は変わらず大阪城ホール。ベストアルバムを機に、もっと僕たちのことを知ってほしい

ーー改めてベストアルバムは、バンドにとってどんな1枚になりましたか?

Daiki:ベストアルバムを機に、もっと僕たちのことを知ってほしいです。30曲でどの曲が引っかかってもいいというか、それぐらい良い曲を詰め込んでいるので、何かの拍子に何かの曲が誰かに刺さって、最終的に僕らのライブに来てくれればいいかなと思うので、このアルバムがまだLOCAL CONNECTに出会ってない人たちの入口になれば嬉しいです。LOCAL CONNECTが唯一無二で出せる音楽が詰まっていて、どの世代の方にも刺さる作品になってると思うので、とにかく聴いてほしいですね。

ーー今のローコネの目標や夢は?

ISATO:達成してないことがたくさんあるので。

ーー夢が大阪城ホールというのは今も変わらず?

ISATO:そうですね。そこを諦めたら、多分4人になった時点で音楽を続ける選択肢はなかったと思いますし、自分の人生単位で考えた時に「叶えずに死ぬの嫌やな」というか。大阪城ホールに立ちたいし、それが原動力なので変わらず一番の目標ですかね。この公園で、数年前からずっと言ってますけど(笑)。その目標を達成した時に色んなところに恩返しできたり、ライブハウスに戻った時にまた面白いことができると思うので、もっと幅広く活動していきたいですね。

ーーこの後はワンマンツアーに続き、9月27日(土)に 『LIGHT YOU 2025』が、11月29日(土)に10周年記念ワンマンライブが長岡京記念文化会館で行われます。すごいスケジュールですね。

Daiki:全力疾走です。

Natsuki:「やるなら足ちぎれるぐらい走ろうや」という感じで(笑)。やりたいことを全部やろうという1年ですね。先に続くためのプランなので、気合い入れて頑張りたいです。

取材・文=久保田瑛理 撮影=Satoki Nishidono

ライブ情報

▷LOCAL CONNECT
10th Anniversary Oneman Tour「Connect Youth」
8月24日(日)大阪 Live House ANIMA
 
一般発売中!

▷LOCAL CONNECT pre. LIGHT YOU 2025
日程:2025年9月27日(土)
会場:京都 長岡京記念文化会館
時間:OP 12:00 / ST 13:00

<出演>
LOCAL CONNECT、BRADIO、BURNOUT SYNDROMES、kobore、ユアネス
MC:桜井雅斗
 

▷LOCAL CONNECT 10th Anniversary 
ホールワンマンライブ「SPARKLE」

日程:2025年11月29日(土)
会場:京都 長岡京記念文化会館
時間:OP 16:00 / ST 17:00
<公式ファンクラブ>https://fanicon.net/fancommunities/4525

リリース情報

10th Anniversary Best Album「Youth」
発売日:2025年6月4日(水)
品番:WRLM-1004
発売元:Willingness Records
販売元:PCI MUSIC 
価格:¥5,500(税込)
※音楽ストリーミングサービスおよび主要ダウンロードサービスにて同時配信予定
 
・Disc1
1.コスモループ (Re-Recording)
2.フォルメイカー (Re-Recording)
3.君の右手 (Re-Recording)
4.Paradise Lost (Re-Recording)
5.幸せのありか (Re-Recording)
6.Gold (Re-Recording)
7.コトバ と ココロ (Re-Recording)
8.ねぇ ねぇ (Re-Recording)
9.沈丁花 (Re-Recording)
10.スターライト (Re-Recording)
11.Power Song (Re-Recording)
12.ROAD (Re-Recording)
13.優シイ人 (Re-Recording)
14.ふたり (Re-Recording)
 
・Disc2
1.Hands (Re-Recording)
2.アンダーグラウンド (Re-Recording)
3.Sailing (Re-Recording)
4.ANSWER (Re-Recording)
5.Regulus (Remastered)
6.冬草 (Remastered)
7.Kiseki (Remastered)
8.Beautiful Day (Remastered)
9.デイライトブルー (Remastered)
10.By your side (Remastered)
11.再会の花歌 (Remastered)
12.Maybe You (Remastered)
13.RELOAD (Remastered)
14.羽根 (Remastered)
15.Light (Remastered)
16.紫苑
 
店舗CD購入者先着特典:アルバムジャケット缶バッジ 
▼LOCAL CONNECT「Youth」発売記念インストアイベント
・2025月8月1日(金) 19:00 START(入場18:30)
タワーレコード梅田NU茶屋町店
・2025月8月7日(木)19:00 START(入場18:40)
タワーレコード池袋店
 
▼LOCAL CONNECT
サブスクリプション&ダウンロードURL
シェア / 保存先を選択