沖縄で初代タイガーマスク/佐山サトルの新競技が熱狂の幕開け! 7/20開催市街地実戦想定の『ULTIMATE SHOOTING PRE MATCH』大成功に

2025.7.25
レポート
スポーツ

新格闘技イベント『ULTIMATE SHOOTING PRE MATCH』で奮闘するキャプテン☆アフリカ(中央上)

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格闘技イベント『ULTIMATE SHOOTING PRE MATCH(アルティメットシューティング プレマッチ)』が7月20日(日)、沖縄コンベンションセンター展示棟で開催された。

アルティメットシューティングは、総合格闘技「修斗」の生みの親・初代タイガーマスク=佐山サトルが1999年、掣圏道協会から打ち出したSAボクシング(エスエーボクシング)をベースとする。打撃(パンチ・キック)と投げ技を中心に、寝技ではパウンドのみを許容するという今回の競技は、そのSAボクシングのルール構造を受け継ぎつつ、現代的に最適化されたものといえる。

オープニングでは、宜野湾市の佐喜真淳市長が駆けつけ、「当イベントはクリエイターの可能性を最大限に引き出す新たなプラットホームとして人材育成からネットワーク構築、そしてグローバルな舞台へのチャレンジまで、多面的な支援を通して業界に関わる全ての人へ新たな機会を提供し、想像力が循環をし続けられる産業の未来に繋がるものとして期待をしているものであります」と、熱い激励の言葉を贈った。

続いて、アルティメットシューティング佐山聖斗プロデューサーが登壇、競技の基本的な理念として「実戦市街地型格闘技というものがテーマとしてあげられます。街中で誰かを守らなくてはならない時に、対人ひとりに対してずっと打撃していたり、ポジショニングを取りにいっていると、次の人にやられてしまったり、守るべき人を守れなくなったりとか、そういったパターンを想定して、次倒したら次、というポジショニングの展開の連発という競技となっております。このスピードと連続性を楽しんでいただければと思います」と話した。

さらに、同プロデューサーは佐山サトルが開発したバンテージ一体型の新たなアルティメットシューティング用グローブを紹介した。「中に巻いているバンテージを少し伸ばしていただいて、外側にくくりつけられる仕組みになっております。これによってフィット感が良くなったり、組んだ時の抜けが防止される仕組みになっております。今後の動きも含めまして、是非アルティメットシューティングを楽しんでいただければと思います」とし、活用を呼びかけた。

その後、アルティメットシューティングのルールディレクターであり 米軍截空道代表の平原伸泰氏が、沖縄開催にあたっての経緯並びに展望とルール説明を行った。

同氏は「25年の歴史を経て、初代タイガーマスク佐山サトルの息子、佐山聖斗さんによる第2期アルティメットシューティング、アルティメットボクシング、そして、武道掣圏第2章が始まりました。それがこの沖縄コンベンションセンターで始まります。この南の島から北上し、全世界に広がる新格闘技としてこれから展開していきます」と期待の弁を述べると、ルールに触れ、「パンチ、蹴り、投げ、そして、抑え込んでパンチ。単純で誰にもわかるルールで、明快に勝敗が決まります。立ち技、打撃系総合格闘技をコンセプトにしております」とした。

さらに、礼節も重んじている点に言及。「礼儀ある礼節ある闘いを日本の選手、沖縄海兵隊米軍のファイター、日米で親善大会としてやります。今、沖縄に取り巻く環境は、非常に緊迫しております。私は普段米軍基地で格闘技を指導して11年になりますけど、ここ2、3年本当にかなり、米軍基地の中では準備が進んでおります。それは具体的には言えません。基地の外には一切そういう情報も沖縄では流れません。しかし、闘うのはもちろん日本人といま会場に来ているベースの人間、それと私の弟子が、海兵隊即応部隊として日本の国土を守ります。きょうは平和な闘いとして日本選手とアメリカ兵士が死闘を繰り広げます。どうかみなさん、拍手と大きな声援でお願いします! 押忍!」と言葉に力を込めた。

第1試合

■『ULTIMATE SHOOTING PRE MATCH』試合結果

▼第1試合(85kg契約・2分2R延長1R) 
◎ Tyvon(米軍截空道/GFCウェルター級王者)
 vs 剣・ホカフウ・モヤキ(ワイルドシーサー)
 KO(1R 0分55秒/レフェリーストップ) 

スタート直後に剣がいきなりのラッシュを仕掛けるも、GFC王者タイボンが冷静に対処。 スーパーマンパンチからの連打で剣を一気に撃沈。 アルティメットシューティングの持つスピード感を体現した衝撃の試合となった。

第2試合

▼第2試合(フェザー級/65.8kg・2分2R延長1R)
○ TOMA(直心会TK68/元修斗環太平洋王者)
 vs Warren(米軍截空道)
判定 0-0(19-19,19-19,19-19)延長判定(10-9,10-9,10-9)

序盤から打ち合いの互角の攻防が続いた名勝負。 TOMAは第2R途中にドクターチェックを受けるアクシデントに見舞われつつも冷静に対応し、延長戦では修斗魂を感じるラッシュと手数でジャッジを制した。米軍Warrenの打たれ強さとフィジカルも高く評価された。

第3試合で完勝し、笑顔のキャプテン☆アフリカ

▼第3試合(ライト級/70.3kg・2分2R延長1R)
◎ キャプテン☆アフリカ(総合格闘技道場コブラ会/修斗世界ライト級王者)
 vs Ernie(米軍截空道)
KO(1R 2分00秒/レフェリーストップ)

修斗王者キャプテン☆アフリカが貫禄の圧勝。強烈な柔道の投げ技とパウンドで試合をコントロールし、1R終了と同時にKOとなった。立ち技の実戦性と華やかさを両立させた完璧なパフォーマンスに、Ernieの応援に駆けつけたアメリカ応援団も大盛り上がりだった。

※◎=KO勝ち、○=判定勝ち

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

第1試合は、時間にしてわずか55秒。タイボンが打撃の総合格闘技に相応しい衝撃のKO勝利で飾った。第2試合はアルティメットシューティングの真骨頂とも言える凄まじいまでの打撃戦となった。

そして、第3試合は、修斗創始者である佐山聡をリスペクトする現修斗ライト級王者キャプテン☆アフリカが、リアルに実戦を想定して24時間沖縄の海を守っている戦闘のプロ、米軍海兵隊の猛者アーニー・プレシアド・バロンとの決戦に挑んだ。結果は、打撃用寝技技術を駆使してアーニーを制圧したキャプテンの完勝だった。
 
格闘技の未来は立っている”。そう言わんばかりのスピード、破壊力、見せ場が詰まった3戦。日本修斗界のトップ選手 vs 米軍格闘家という国境を超えた構図やライト層でも分かりやすいルールにより、ファンの熱狂を誘った。このイベントはシリーズ化が検討されており、今後も展開予定。第2弾の早期開催が期待される。

大会ポスター