全長37mの巨大恐竜が闇夜に浮かぶ『巨大恐竜展 2025』ナイトミュージアムをレポート「懐中電灯で照らして見ることで新たな発見」

2025.8.6
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巨大恐竜展 2025 閉館後貸切ナイトミュージアム 2025.07.26(SAT) 大阪南港ATCホール

8月29日(金)まで大阪南港ATCホールにて開催されている『巨大恐竜展 2025』。同展覧会は、ロンドンの大英自然史博物館で好評を博した『Titanosaur:Life as the Biggest Dinosaur』の国際巡回展。大英自然史博物館から初来日した全長約37メートルの「パタゴティタン・マヨルム」の全身復元骨格ほか、約46億年の地球の歴史のなかでも史上最大の陸上生物とされる「竜脚類」を含むさまざまな恐竜や、恐竜以外の生物の標本も集めて展示するなど、見ごたえたっぷりの内容となっている。

そんな『巨大恐竜展 2025』に関連した特別企画「閉館後貸切ナイトミュージアム」が7月26日(土)、同会場で実施された。

会場の様子

この「ナイトミュージアム企画」は『巨大恐竜展 2025』閉館後、暗くなった会場内を参加者たちが懐中電灯で照らしながらまわるというもの。恐竜の復元骨格などが暗闇に浮かび上がり、明るいなかで鑑賞するときとはまた異なる迫力が感じられる。

参加者の年齢層は、ちびっ子はもちろんのこと、学生、高齢世代まで実に幅広く、開場30分前から長蛇の列ができあがっていた。そのなかには、1993年に公開された恐竜映画の金字塔『ジュラシック・パーク』のTシャツを着た、気合十分の親子の姿も。

●暗闇に浮かび上がる、大迫力でちょっと不気味な恐竜の骨格標本の数々

トリケラトプスの親子(通常展示の明るさで撮影)

はじめにおこなわれたのは、『巨大恐竜展 2025』監修者で福井県立恐竜博物館の関谷透主任研究員による解説。関谷透研究員は、パタゴティタン・マヨルムが巨大化した理由が獲物の食べ方にあることや、トリケラトプスの成獣期と幼獣期ではツノの向きが違うことなど、「これを知っておけば展示がより楽しめる」という情報を分かりやすく説明した。

トゥリアサウルス(左)とステップマンモス(右)

そしていよいよ『閉館後貸切ナイトミュージアム』に。館内は真っ暗で、頼りにできるのは懐中電灯の灯りだけ。そんな“過酷”な冒険に出発した参加者たちを迎えるのが、大迫力でちょっと不気味な恐竜の骨格標本の数々。首が長いトゥリアサウルスは、頭が天井すれすれ。足元から上に向かって懐中電灯を照らす参加者は「これ、実物大?」とその大きさにびっくり。

ケツァルコアトルス

ティラノサウルス

ステップマンモスは太くて長い牙が反るような形で前に迫り出していて、明るい環境で見るよりも立体的に感じられた。天井から吊り下げられた翼竜のケツァルコアトルスは、まるで夜空を羽ばたいているかのよう。ちびっ子はケツァルコアトルスの力強いかぎ爪に光をあてて、「これで獲物を襲うのか」と口にしていた。恐竜のなかでも特に人気の高いティラノサウルスの頭部の隣で、ピースサインをして記念撮影する女性の姿もあった。暗闇のなかでの撮影で、またフラッシュ撮影は禁止とあって、きっと独特な雰囲気の“ツーショット写真”になったのではないだろうか。

スピノサウルス

フクイティタン

骨格標本だけではなく、皮膚のぬるぬるした感じや繊細な動き、鳴き声などを再現したフクイティタン、スピノサウルスなどのロボットも展示。トリケラトプスの下あごの実物展示は、とてつもない時間を超えて現代まで残されたことへの奇跡に感動すら覚えた。

トリケラトプスの下あご(手前)

●世界最大のパタゴティタン・マヨルム、「大きい」以外の言葉が出ない参加者たち

パタゴティタン・マヨルム

すべての参加者を驚かせたのはやっぱり、パタゴティタン・マヨルム。早くからその長い尻尾が展示エリアをまたいで見えていたが、いざその全貌が現れると「大きい」という言葉以外、なにも出てこなくなる。口がポカーンとなり、同伴者に「(口が)開いている」と笑われる男性もいた。

パタゴティタン・マヨルム

巨大な身体や長い首と尻尾とのバランスをとるように、頭部のサイズは思いのほかコンパクト。さらに首には何本もの棘突起があることが分かる。参加者は「本当にこんなに大きな恐竜がいたんだ」、「どういう(身体の)仕組み?」とすみずみまで観察していた。

デンバーサウルス

ナイトミュージアムの時間は60分ほど。そのあと館内が明るくなり、暗闇のなかで鑑賞するときとの見え方の違いを確かめることができた。関谷透研究員は「明るいところで見るときは恐竜の全体像を鑑賞しますが、暗闇のなかでは、懐中電灯を照らして一点、一点を見ることになります。そうやってじっくり見ることで、「こういう風に骨と骨が付いているんだ」と発見できたり、興味が湧いたりできるのではないでしょうか」と、通常展示とは違った醍醐味が「ナイトミュージアム企画」にはあると話してくれた。

『閉館後貸切ナイトミュージアム』は8月8日(金)も実施。また『巨大恐竜展 2025』は8月29日(金)まで大阪南港ATCホールで開催されている。

取材・文=田辺ユウキ 撮影=川井美波(SPICE編集)

イベント情報

『巨大恐竜展2025』
【会 期】 2025年7月26日(土)〜8月29日(金) ※会期中無休
【開館時間】 9:00〜17:00(最終入場は16:30まで)
【会 場】 大阪南港ATCホール[大阪市住之江区南港北2-1-10]
【入場料金】(消費税込)
一般 2,600円/高大生 2,000円/小中生 1,200円/3歳以上~未就学児 700円
※3歳未満は入場無料 ※学生要証明
※障がい者手帳等をお持ちの方は無料(要証明)ご同伴者は有料
※混雑時には入場制限を行う場合があります
 
■閉館後貸切ナイトミュージアム
【開催日】8月8日(金)※完売
【開催時間】17:00~19:00(入場は18:30分まで)
【参加方法】
「懐中電灯付きナイトミュージアム特別入場券」をご購入ください。
【参加料】
「懐中電灯付きナイトミュージアム特別入場券」3,600円(限定200枚)
※3歳未満無料
※中学生以下のみでの入場はできません。保護者の同伴をお願いいたします。
【特典】
巨大恐竜展2025ロゴ入り懐中電灯
【注意事項】
※会場内は暗くなっていますので、足元には十分お気を付けください。
※閉場45分前に照明を点灯し通常展示の状態もご覧いただけます。
※消灯時は、インタラクティブ(体験型)展示など一部の展示はご利用いただけません。点灯後、一部の展示は切り替えに時間がかかる可能性があります。
※係員の指示に従ってお進みください。
※入場は閉場の30分前までです。
※公演時に音声ガイドの貸し出しはありません。
※特設グッズショップは営業します。
※本券を購入してナイトミュージアムに参加できなかったご本人様に限り、本券持参で1回まで通常開催期間中に「巨大恐竜展2025」をご覧いただけます。(ただし、懐中電灯はお渡しできません)
※スケジュールは変更の可能性があります。
 
【主 催】 読売新聞社、関西テレビ放送、ATC
【協 賛】 清水建設、大和ハウス工業、非破壊検査
【共同企画】 大英自然史博物館、福井県立恐竜博物館、福井県立大学恐竜学部
【協 力】 北九州市立自然史・歴史博物館、群馬県立自然史博物館、天王寺動物園、徳島県立博物館
【お問合せ 】 06-4300-6583(音声ガイダンス)
【公式HP  】 https://giantdinos-ex.com/
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