うらたぬき(浦島坂田船)「これからも最高のうらたぬきを見せ続けていきます」 アップデートし続ける彼のバースデーツアー・東京国際フォーラム公演をレポート

レポート
音楽
2025.8.28
うらたぬき

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Uratanuki Birthday Live 2025 -Update.-
2025.8.16 東京国際フォーラム ホールA

ボーカルユニット・浦島坂田船のメンバーでもあるうらたぬきが、誕生日を記念したホールツアー『Uratanuki Birthday Live 2025 -Update.-』を2025年8月に開催。そこには、愛するこたぬき(うらたぬきファンの呼称)のため自身をアップデートし続けるストイックな表現者の姿があった。ここでは、8月16日に東京国際フォーラム ホールAで行われた東京公演の模様をお伝えする。

遊園地で過ごす楽しい1日を思わせるオープニングムービーがあけ、ライブのキービジュアルそのままデニムのセットアップでステージに現れたうらたぬき。遊園地キャスト風のカラフルな衣装のダンサー陣を手招きした1曲目は、ツンデレが過ぎる「ライブラリ・ライブラ」だ。「今日は最高の1日にしよう!」と笑顔でこたぬきに呼びかけ、ダンサーが手にする色とりどりのヘリウムバルーン束から自身のイメージカラー・緑の風船を選び、「(風船)欲しい人! だめだ、これは俺のものだ! おまえらは俺のものだ!」とうらたぬきが宣言すると、こたぬきの悲鳴に近い大歓声が上がる。さらに、紫、赤、黄色という浦島坂田船のメンバーである志麻、となりの坂田。、センラのイメージカラー3色の風船をバルーン束から追加で選び取り、<好き、だよ>と直球告白。いきなり情報量が多すぎる。

うらたぬき

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「バウワウ」ではステージに持ち込まれたベンチに座りながら歌ったり、<君に夢中>に合わせて客席を指さしたり、笑顔でハートマークを作ったり。「Booo!」では「今日は集まってくれてありがとう。私事ですが、「おめでとう」って言ってください(8月9日に誕生日を迎えたばかり)」とお願いして、こたぬきからの「おめでとう!」を全身で浴びたり。「SWEETS DATE」では歌詞に合わせたドリンク&フードを模した小道具やテーブル&チェアがステージを賑やかに飾ったり。浦島坂田船のオリジナル曲をソロで披露した「SWEET TASTE PRESENT」ではスウィートな歌声とダンスで甘い恋が加速して、「かわいいだけじゃだめですか?」では歌声に表情に猫手ダンスにかわいいが限界突破。続けざま、8月1日にリリースされたソロアルバム『Alpha』に収録の「夢中Chu☆パンダ」ではこたぬきの大きな<天才だ>コールが響いて、「恋の魔法」ではうらたぬきが歌いながらジャンプしたり手を振ったりハートマークを送ったり。反則級にキュートがあふれすぎている。

うらたぬき

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緑を灯したペンライトの光が埋め尽くす客席を見渡して、「メロン畑ありがとうございます!」と感動しきりなうらたぬき。恋人との遊園地デート中、占いの館で「2人でずっと幸せにいられるにはどうしたらいいですか?」と占い師にたずね、星のチャームを授けられる……という映像が導いたのは、歌いだしから大歓声が上がった「ホシアイ」だ。「うらたぬき歌ってみた企画!」で募集した中から選ばれたこたぬきに愛され続けるナンバー、やっぱり美声がとても映える。

これまでのソロライブで使われた幕間映像や今回のライブ用に撮り下ろされた映像にしても、生声での<秘密だよ>にしてもこたぬきの心を掴んだ「初恋の絵本 -another story-」のあと、「次は星を数える曲を歌わせてもらいます」と前振りして優しい歌声で包んだのはアルバム『Alpha』に収録の「眠れる羊」。うらたぬきの相棒キャラ・やまだぬき柄のフラッグを手にダンサーとともに踊り、<やっとキミに出会えた>というフレーズでも沸かせた「恋はSurvival 愛はMagicalに」。「笑わないで聞いてほしいんだけど、俺と付き合ってくれませんか?」に始まり、2人きりになった観覧車で相手の左手薬指に指輪をはめ、「君の特別になりたい」と結んだ朗読からの、曲の途中で「いつまでも一緒にいてください」と呼びかけた「ラブソング」。バラの花束を手に「結婚してください」とプロポーズした「メリメリ」。こんな愛のこもった連打、こたぬきが萌え尽きてしまう。

うらたぬき

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幸せの絶頂を迎えたかと思ったら、「ありがとうございました」と言ってステージを去ったうらたぬき。いつもよりだいぶ早く終わってしまうのか……と心配になっていると、遊び心に満ちたエンドロールから幕間映像『うらたぬきのキュンキュンワイルドデート』上映へ。サファリパークでどんなワイルドな状況でも彼女をリードしていけるかが試される企画だったが、アジアゾウの背中に乗って座席位置が地上から約3mの高さになるゾウライドや、金網バスでお肉をあげる至近距離のライオンにはまったく動じない反面、アルパカやラマを怖がるうらたぬき。頼もしいやら微笑ましいやら、意外な一面が垣間見えた。

ラメがきらめくブルーグレーのスーツに黒シャツ&赤ネクタイを合わせ黒いグローブをはめて登場、キレッキレなラップで圧倒したのは『Alpha』に収録の「First Penguin」。黒衣装のダンサーを従え、ドSすぎる「愚かなオルカ」。赤ライトの下、巻き舌もダンスも高笑いも鮮烈な「スカーレ」。前半のラブリーモードなうらたぬきとは別人のようだ。

うらたぬき

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こたぬきのコールに加えバンドメンバーのコーラスもエモーショナルで高まった「You need “ESCALATING”」をはさみ、ファー付きのコートをまとい金色で縁どられた赤の玉座に悠々と腰かけて歌ったのは「KING」。ピストルやブランデーグラス、お札が飛び出すマネーガンなどワルな小道具も効いた「マフィア」にしても、連呼する<お願い>に狂気が漂った「ド屑」にしても、カオスな「スーサイドパレヱド」にしても、凄味がありすぎる。

うらたぬき

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うらたぬき

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バンドメンバーとダンサーの紹介パートをはさみ、フード付きテーラードジャケットの下に合わせた白シャツから引き締まった胸筋がのぞく色気ダダ洩れスタイルで登場したうらたぬき。歌声も表情も腰つきも最後の撃ち抜きポーズもたまげるほどセクシーな「Pink」。『Alpha』に収録、K-POP的な重いビートを乗りこなす歌もダンスも新境地を感じさせた「サディー」。ステージに立つたびに新たな扉を開けていくうらたぬきは、やっぱりすごい。

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「おまえらの心を離すつもりはないんで。これからも最高のうらたぬきを見せ続けていきます」

決意を胸に、「テオ」へ。歌にダンスに全力投球した本編最後、25曲目にしてまったく力と輝きを失わないハイトーンも、こたぬきの全力コールも、目を見張るものがあった。

白に緑が爽やかなジャージセットアップスタイルでうらたぬきが登場し、「Here we are」でスタートしたアンコール。ダンサー4人とうらたぬきが小声でつないだ<好き>も忘れがたい「恋のMAGIC」のあとには、10月11日発売の1st 写真集『う!』の中身をチラ見せするというまさかの大サービスも。そして、あまりにも大きなコール&レスポンスで彩られた「たぬきのぽんぽこ祭り2」「たぬきのぽんぽこ祭り」。圧巻の一体感だった。

ステージに立つたびに自分を超えていくうらたぬき。来年、またひとつ歳を重ねた彼がどんなアップデートを見せるのか、想像するだけで今から楽しい。

うらたぬき

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文=杉江優花
撮影=小松陽祐[ODD JOB]

セットリスト

Uratanuki Birthday Live 2025 -Update.-
2025.8.16 東京国際フォーラム ホールA

1. ライブラリ・ライブラ
2. バウワウ
3. Booo!
4. SWEETS DATE
5. SWEET TASTE PRESENT
6. かわいいだけじゃだめですか?
7. 夢中Chu☆パンダ
8. 恋の魔法
9. ホシアイ
10. 初恋の絵本 -another story-
11. 眠れる羊
12. 恋はSurvival 愛はMagicalに
13. ラブソング
14. メリメリ
15. First Penguin
16. 愚かなオルカ
17. スカーレ
18. You need “ESCALATING”
19. KING
20. マフィア
21. ド屑
22. スーサイドパレヱド
23. Pink
24. サディー
25. テオ
[ENCORE]
26. Here we are
27. 恋のMAGIC
28. たぬきのぽんぽこ祭り2
29. たぬきのぽんぽこ祭り
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