尾上右近、歌舞伎座『錦秋十月大歌舞伎』通し狂言『義経千本桜』の第三部に清元栄寿太夫として出演

2025年10月歌舞伎座、松竹創業百三十周年『錦秋十月大歌舞伎』で、通し狂言『義経千本桜』が上演される。三大名作のひとつで、時を超えて多くの人々を魅了してきた壮大な歴史ロマンは、悲劇の英雄・源義経を軸に、いがみの権太、碇知盛、狐忠信の三役がそれぞれの場面で活躍する。今回は、Aプロ・Bプロと配役を替えた三部制にて上演される。

この度、第三部「吉野山」のAプロで、尾上右近が清元栄寿太夫として清元の立唄を勤めることが発表された。

「吉野山」は満開の桜のなか義経の愛妾・静御前と義経の忠臣・佐藤忠信の姿を借りた狐忠信がみせる華やかな舞踊劇。Aプロでは市川團子、Bプロでは尾上右近が狐忠信を演じる。團子は澤瀉屋型（※「澤瀉屋」の「瀉」のつくりは、正しくは“わかんむり”）、右近は音羽屋型で勤める演出の違いにも注目してみてはいかがだろうか。

右近は歌舞伎俳優と清元の二刀流として、2018年11月歌舞伎座『十六夜清心』で清元栄寿太夫として出演して以来、歌舞伎座の本興行で清元の太夫を勤めるのは今回で4度となる。今年6月の『お祭り』では、清元の太夫をリードする立唄を歌舞伎座で初めて勤めた。10月に上演される「吉野山」ではAプロで清元栄寿太夫、Bプロで尾上右近として、歌舞伎俳優と清元の二刀流が実現する。また、右近が狐忠信を演じる「吉野山」Bプロでは、父・清元延寿太夫が立唄を勤める。

尾上右近　コメント

第三部「吉野山」のAプログラムには、清元の演奏家・清元栄寿太夫として参加させていただきます。
團子さん勤める忠信を、私は清元節の太夫としてサポートし、盛り上げる役割を担えたらと思っています。Aプログラム、そして私が佐藤忠信実は源九郎狐を勤めるBプログラム、どちらもご覧いただいた暁には、俳優と清元節の太夫という私の両面をお楽しみいただけますので、是非とも歌舞伎座にお越しいただきますよう、よろしくお願いいたします。