ジェフ・ミルズ、『Live at Liquid Room』30周年を記念したワールドツアーを開催 日本公演は大阪・JOULE&東京・LIQUIDROOMにて
-
ポスト -
シェア - 送る
ジェフ・ミルズ/Jeff Mills
ジェフ・ミルズの『Live at Liquid Room』30周年を記念したツアー『Jeff Mills - Live at Liquid Room 30th Anniversary Tour』の日本公演が、11月14日(金)に大阪・JOULE、11月15日(土)に東京・LIQUIDROOMで、それぞれ開催されることが決定した。
ジェフ・ミルズ(Jeff Mills)は、1995年に当時の東京・新宿LIQUIDROOMで『Live at Liquid Room』を開催した。今回のツアー『Jeff Mills - Live at Liquid Room 30th Anniversary Tour』は同イベントの30周年を記念したもので、大阪・東京のみならず、イギリスのロンドン、香港、フランスのパリ、オランダのアムステルダム、ドイツのベルリン、アイルランドのダブリン、アメリカ・ニューヨークなど世界各国の都市を巡る。
日本公演では、ジェフ・ミルズがアナログとオープンリールで当時のDJを再び披露するほか、『Live at Liquid Room』のDJセットを収めたフィルムに撮り下ろしインタビューも交えた映像作品『Jeff Mills - Live at Liquid Room』(日本初公開)を上映。大阪公演には、DJ Nobu、DJ Compufunkも出演することが決まっている。
『Jeff Mills - Live at Liquid Room 30th Anniversary Tour』トレーラー
イベント開催に寄せた音楽ライター・野田努氏のコメントは以下のとおり。
野田努
30年周期の気高き夜のために──「Live at Liquid Room」に捧ぐ
もう夜の10時も過ぎた。行こう。ぼくは渋谷駅から山手線に乗って新宿駅を降りた。東口から地上に出て、新宿リキッドルームへと急いだ。1995年10月28日、その夜がとんでもないことになるのは、あらかじめわかっていた。ジェフ・ミルズのDJを初めて聴いたのは、1994年のまだ夏が来る前のことだった。場所はブリクストンのVOXというヴェニューで、LOSTというパーティだった。セカンド・ルームではジミー・コーティとアレックス・パターソンがアンビエントを流していたが、そこには誰もいなかった。すべてのオーディエンスはデトロイトからやって来たDJで踊るため、フロアにいるのだ。フロア、スピーカーの上、それから夜が明ける頃には天上にぶら下がっている人もいた。ぼくがそこで体験したのは、娯楽としてのDJでも、アートとしてのDJでもなかった。精神的(ルビ:スピリチュアル)なジェットコースター、脳みそが吹っ飛ぶ認識の破局と再生――あれは、そのくらいの言葉で言わないと気が済まないのだ。精神の地殻変動をうながし、そして事実、ほとんどのオーディエンスの意識のなかにまで侵入するDJをぼくはそのときはじめて聴いた。
新宿リキッドルームでもそうだった。不朽の名ミックスCDとなった『Live at Liquid Room, Tokyo』をいま聴いても、あのときの感覚を思い出すことができる。ミルズ自身のトラック、シカゴのゲットー・ハウス、ヨーロッパのミニマル、こうしたものを使って繰り広げられるテクノが臨界点を目指す。未来の美学へようこそ。あれから30年、ふたたび「Live at Liquid Room」が実現することが、いまは嬉しくてたまらない。(野田努)
また、『Live at Liquid Room』のDJプレイを収めたミックスCD『Jeff Mills - Live at Liquid Room, Tokyo』が11月14日(日)に再リリースされることも明らかに。
そのほか、『Live at Liquid Room』30周年を記念したエキシビションが11月13日(木)・14日(金)・15日(土)の3日間にわたり、東京・KATA GALLERYで開催されることも決まっている。
『Jeff Mills - Live at Liquid Room 30th Anniversary Tour』東京公演の