久石譲が導くミニマル・ミュージックが関西に初上陸『Joe Hisaishi presents MUSIC FUTURE with JCSO』まもなく開催
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9月30日(火)に住友生命いずみホールにて『Joe Hisaishi presents MUSIC FUTURE with JCSO』が開催される。
新音楽監督・久石譲とともに次々と新しい公演を打ち出している日本センチュリー交響楽団。
こうした中、また1つ彼らの新しい試みと言えそうなのが、9月30日(火)に住友生命いずみホールで行われる『Joe Hisaishi presents MUSIC FUTURE with JCSO』だ。ミニマル・ミュージックの巨匠、テリー・ライリーやスティーヴ・ライヒとともに久石自身の作品も取り上げたプログラムは、現代音楽の作曲家としての彼の本領を前面に押し出している。現在、久石とセンチュリーが手掛けるコンサートの中で、もっとも先鋭なものと言えるかも知れない。
久石譲、日本センチュリー交響楽団 (c)井上嘉和
『MUSIC FUTURE』は久石が2014年に東京で立ち上げたコンサート・シリーズだ。久石がミニマリストならではの視点で最先端の音楽をセレクト、日本では演奏機会の少ない海外の作曲家を紹介しながら彼自身の作品も発表していくというプロジェクトで、世界の現代音楽シーンの第一線とも密接に交流しながら2018年と2022年にはニューヨーク公演も実現。2023年にはテリー・ライリーと久石が共演を果たすなどの成果を挙げている。そこにあるのは音楽のベクトルを常に「現在」から「未来」に置く久石の発想だ。音楽は今、どんな進化を遂げているのか、音楽の未来はどうなっているのか。『MUSIC FUTURE』(未来の音楽)というシンプルなタイトルに込められたメッセージは深くて力強い。
久石譲 (c)s.yamamoto
『Joe Hisaishi presents MUSIC FUTURE with JCSO』は、そうしたスピリットを関西に移植する試みでもある。センチュリーの奏者たちによる自在なアンサンブルは、もう1つのMFB(MUSIC FUTURE BAND)とも呼べるものだ。今回、注目したいのが、前述のライリーやライヒと並んで取り上げられたポーランドの作曲家、ヴォイチェフ・キラールの管楽五重奏曲。「戦場のピアニスト」ほか、主に映画音楽で知られるキラールが1952年に作曲したこの曲は、60年代のミニマル・ミュージックの登場を予感させる細かな音の律動に満ちている。こうしたプログラムの面白さも本公演ならではと言えるだろう。関西初上陸、久石譲とセンチュリーが満を持して放つ「MUSIC FUTURE」に期待が募る。
取材・文 逢坂 聖也
公演情報
2025年9月30日(火) 19:00開演(18:15開場)
住友生命いずみホール
指揮:久石 譲
ヴァイオリン:松浦 奈々、池原 衣美 ヴィオラ:四家 絵捺 チェロ:北口 大輔
コントラバス:渡邉 玲雄 フルート:永江 真由子、伏田 依子 オーボエ:宮本 克江
クラリネット:持丸 秀一郎 ファゴット:安井 悠陽 ホルン:鎌田 渓志
トランペット:小曲 俊之 トロンボーン:西村 菜月 バス・トロンボーン:笠野 望
サクソフォン:福田 亨 打楽器:廣川 祐史、大森 香奈、圓山 未菜
ピアノ:森下 唯、佐伯 涼真 シンセサイザー :西川 ひかり
スティーヴ・ライヒ(1936-): Clapping Music
テリー・ライリー(1935-): G Song for String Quartet
久石譲(1950-): 2 Pieces for Strange Ensemble
ヴォイチェフ・キラール(1932-2013): Quintet for Wind Instruments
久石譲(1950-): MKWAJU for MFB
主催:公益財団法人日本センチュリー交響楽団