坂東巳之助扮する、武蔵坊弁慶の撮り下ろしスチールが公開 11月歌舞伎座『吉例顔見世大歌舞伎』昼の部『御摂勧進帳』
坂東巳之助勤める武蔵坊弁慶
2025年に創業百三十周年を迎えた松竹。節目の年を記念し、歌舞伎座では1月より意欲的な公演を行っている。11月2日(日)より上演される、『吉例顔見世大歌舞伎』昼の部では、大役が続く坂東巳之助が『御摂勧進帳』の武蔵坊弁慶を初めて勤める。
この度、坂東巳之助勤める武蔵坊弁慶の撮り下ろしスチールが公開された。
『御摂勧進帳』は、江戸の町人文化が花開いた頃、安永2(1773)年に江戸の中村座で初演された全六幕の時代物。中でも、奥州へ落ち延びる源義経一行が、武蔵坊弁慶の機転により関所を通過する「加賀国安宅の関の場」が評判となり、通称「芋洗い勧進帳」と呼ばれ親しまれると、現在でも度々上演される人気の一幕となった。
坂東巳之助勤める武蔵坊弁慶
舞台は、安宅の関。源義経は源平の合戦で功績をあげながらも、兄の頼朝から謀反の疑いをかけられ、奥州へ落ち延びようとしている。頼朝が各所に関所を設けているため、義経一行は山伏姿に変装して、安宅の関にやってきたが…。
坂東巳之助勤める武蔵坊弁慶
江戸後期に作られた歌舞伎十八番の『勧進帳』よりも早くに成立し、豪快で古風な江戸荒事の雰囲気に溢れる作品。弁慶が白紙の勧進帳を読み上げて難を逃れるという展開は『勧進帳』と同じだが、『御摂勧進帳』の弁慶は、毬栗(いがぐり)頭に紅隈(べにぐま)という荒事の豪勢な扮装で、松の木に縛られて泣きじゃくり、番卒を相手に大立廻りを見せるなど、歌舞伎十八番『勧進帳』とは異なり、勇猛かつ稚気のある役柄として活躍するのが特徴。義経の都落ちという悲壮な物語が、大らかな喜劇味のある作品として、楽しむことができる。
坂東巳之助勤める武蔵坊弁慶
江戸庶民から愛された豪放磊落な武蔵坊弁慶を、坂東巳之助が初役で勤める本舞台に期待しよう。
公演情報
『吉例顔見世大歌舞伎』
日程:2025年11月2日(日)~26日(水)
会場:歌舞伎座
初世桜田治助 作
利倉幸一 補綴
一、御摂勧進帳(ごひいきかんじんちょう)
加賀国安宅の関の場
武蔵坊弁慶:坂東巳之助
源義経:坂東新悟
富樫左衛門:中村橋之助
鷲尾三郎:市川男寅
駿河次郎:中村玉太郎
山城四郎:中村歌之助
常陸坊海尊:中村松江
斎藤次祐家:片岡市蔵
二、道行雪故郷(みちゆきゆきのふるさと)
新口村
万才鶴太夫:中村錦之助
亀屋忠兵衛:中村扇雀
二世藤間勘斎 振付
藤間勘右衞門 演出
三、鳥獣戯画絵巻(ちょうじゅうぎがえまき)
猿僧正:尾上松緑
女蛙:中村萬壽
男蛙:中村芝翫
従僧猿:坂東彦三郎
従僧猿:坂東亀蔵
女狐:中村時蔵
男狐:中村萬太郎
女狐:坂東新悟
同:中村米吉
同:尾上左近
男猿:坂東巳之助
同:中村虎之介
同:中村吉之丞
同:尾上菊市郎
男蛙:中村橋之助
同:中村福之助
同:片岡愛三朗
男兎:市川男寅
同:中村玉太郎
同:中村鶴松
女蛙:澤村宗之助
男蛙:中村松江
梟:河原崎権十郎
女蛙:市村萬次郎
鳥羽僧正:七代目尾上菊五郎
四、曽我綉俠御所染(そがもようたてしのごしょぞめ)
御所五郎蔵
星影土右衛門:尾上松緑
傾城逢州:中村米吉
子分梶原平蔵:大谷廣太郎
同 新貝荒蔵:中村歌之助
同 秩父重介:市川染五郎
同二宮太郎次:尾上左近
花形屋吾助:松本錦吾
傾城皐月:中村時蔵
甲屋与五郎:松本幸四郎
夜の部 午後5時~
一、當年祝春駒(あたるとしいわうはるこま)
曽我五郎時致:中村萬太郎
曽我十郎祐成:中村橋之助
化粧坂少将:中村玉太郎
小林朝比奈:中村虎之介
大磯の虎:中村米吉
三谷幸喜 作・演出
三谷かぶき
二、歌舞伎絶対続魂(ショウ・マスト・ゴー・オン)
幕を閉めるな
狂言作者花桐冬五郎:松本幸四郎
座元藤川半蔵:片岡愛之助
山本小平次:中村獅童
油屋遊女お久:坂東新悟
浅尾天太郎:中村福之助
市山赤福:中村歌之助
篠塚五十鈴:中村莟玉
坂田虎尾/狂言作者見習花桐番吉:市川染五郎
竹田出雲弟子半二:中村鶴松
附打芝助:片岡千太郎
囃子方五郷新二郎:大谷廣太郎
附師鍛冶屋為右衛門:澤村宗之助
大道具方儀右衛門:阿南健治
骨つぎ玄福:浅野和之
竹田出雲:市川男女蔵
榊山あやめ:市川高麗蔵
竹島いせ菊:坂東彌十郎
頭取嵐三保右衛門:中村鴈治郎
叶琴左衛門:松本白鸚
公式サイト https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/939