松岡充×丸尾丸一郎「メイドインジャパンの演劇で世界に行きたい」ーーVOL.M『UME -今昔不届者歌劇-』劇中音楽にかける熱意語る

2026.1.10
レポート
舞台

松岡充、丸尾丸一郎 撮影=松本いづみ

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9年ぶりに再始動した松岡充(SOPHIA)と丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)のユニット・VOL.Mが、2月15日(日)の東京・サンシャイン劇場を皮切りに、大阪と和歌山で『UME -今昔不届者歌劇-』を上演する。大阪で行われた取材会に登壇した松岡と丸尾は、現在進行形で進むクリエイティブについて熱量高く語り、「本物の日本の演劇をここで僕らがやると決意してます」と意欲を見せた。SPICEでは、劇中の音楽にフォーカスを当てて話を訊いた。

<あらすじ>
轢き逃げ事件で殺された妻が残した生命保険。
しかし、受取人は書き換えられており、男は保険金詐欺を疑ってキャバクラに潜入する。
謎の保険屋によって手渡された「復讐のシナリオ」には、徳川幕府八代将軍、徳川吉宗の半生が描かれていた。
名君と呼ばれる吉宗には黒い噂が付き纏う。
地方藩主の四男だった吉宗だが、将軍候補が次々と謎の死を遂げ、将軍に登り詰めたのだ。
青梅のごとき月が輝く夜、吉宗に魂を売った男の復讐劇が始まる。
徳川吉宗の虚像と、保険金詐欺事件の実像が交錯する、傑作スリラーが音楽劇となって甦る。

津軽三味線とパーカッションで歌う「引き算」の音楽劇

本公演は、2017年に上演されたVOL.Mの旗揚げ公演『不届者』をベースにミュージカルとして進化させた新たなエンターテインメント作品。松岡は前回同様、主役の梅本/新之助(のちの徳川吉宗)を演じ、脚本・演出を手がける松尾は、天地/光貞を演じる。

今回丸尾は音楽家・劇伴作家のYOSHIZUMIとともに、20曲以上の新曲を創り上げた。丸尾は「音楽劇として引き算をしたかった。まず三味線の音のイメージが浮かび、松岡さんと話すうちにパーカッションがあった方がいいんじゃないか」と音楽劇の構想を語った。

本作では、江戸時代と現代が大胆に交錯する。舞台上でパーカッションと津軽三味線が演奏され、全編を通して津軽三味線が弾かれる和の空間の中で、ロックやヒップホップといった幅広いジャンルの楽曲や、三味線と松岡のボーカルのみという、想像するだけでドラマチックなパートがあることを明かす。

また、キャストには松岡曰く「一人芝居のような漫談に惹き込まれて、歌も上手い」街裏ぴんく、丸尾曰く「彼女をキャスティングしたことでこの作品を世界に開いてくれた」Beverlyといった、歌に精通した実力者が揃う。

松岡は昨年、SOPHIAとしてデビューして30周年を迎えた。これまで様々なステージに立ってきた松岡だが、生三味線で歌うのはレアだ。「津軽三味線は基本的に歌とユニゾンする楽器なんですよ。だから津軽三味線とのデュオみたいな形。パーカッションもリズムを打つだけじゃなくて、場面転換や世界の色を変えるための音色を用意している。僕らは音楽面でも挑戦していますよ、ということは届けたい」と語った。

松岡充がテーマソングを書き下ろし

さらに、松岡の作詞作曲でテーマソングを書き下ろすというスペシャルな報せも飛び込んだ。「作品を左右すると思っています」と気合いを見せる松岡は『UME』の音楽面について、「今出来上がってる楽曲も本当にクオリティが高いんですよ。僕は今まで色んなミュージカルや音楽劇に出演して、著名な音楽監督や作曲者と話をしてきたけど、大体何回もアレンジをする。だけど今回はほとんど1発OKでした。ねじ伏せられた感じ」と大絶賛。しかし、テーマソングはまだ空いているという。「稽古に入って気持ちがどんどん育っていかないと、曲にたどり着けないと思って。でも曲がないと稽古ができないので、今ギリギリのところです。どんな曲になるんでしょう」と笑う。

それを受けて丸尾は「復讐する男の物語だけど、やはり世界にはポジティブなメッセージを残さないといけない。そこがテーマソングにかかっているから、すごく難しいと思います。めちゃくちゃ楽しみです。松岡さんが僕の物語を捉えて考えて、言葉やメロディーで残してくれるというのは、アーティスト冥利に尽きる」と目を輝かせた。

「丸くんは「(脚本で)僕を当て書きした」と言うんですけど、今度は僕が当て書きしようと思ってます(松岡)」「そう思ってたんや(笑)(丸尾)」というやり取りからも、2人の関係性が垣間見えた。

テーマソング以外の楽曲の作詞は全て丸尾によるものだ。初演から8年の時を経て「今なら松岡さんとアーティストとして対等に音楽劇を作ることができるんじゃないか」とチャレンジした歌劇。作詞での苦労はなかったのだろうか。「苦労ばかりです。メロディーがない中で感覚に訴える言葉を置いて、どうそぎ落とすか悩みました。稽古も始まりメロディーがつくと、松岡さんがディスカッションに加わってくれて。「ここは直接的な言葉がいいんじゃない?ここは言葉数少なくていいと思う」と毎日提案をしてくださるので、すごく勉強になります」と興奮したように語った。

歌詞の調整と稽古、台本の修正を同時並行で行なっているとのことで、ハードな様子がうかがえる。そんな丸尾を優しく見つめて「でもそれがすごく心地良くて。みんなの意見を聞きながら丸くんの中で創り上げて、またみんなにフィードバックする。それが面白いし、「クリエイトしてるな」という感じですね」と言う松岡。丸尾も「初日ギリギリまでこの作業が続くと思う。でもそれを楽しみたいです」と晴れやかな顔で述べていた。

最後に「松岡さんは、創ろうとしている作品が本当に目指したいものなのか、疑うことを忘れない。これは作品を創る人は忘れてはいけない感覚だと思うんです。必ず面白い舞台に仕上がっていると思うので、僕たちが足掻いた結果を見ていただけると、とても嬉しいです(丸尾)」「人間として、僕らの作品、叫び、音楽はどう伝わるのか、ということにチャレンジしたい。僕らは「メイドインジャパン」、日本人が創ったもので世界に行きたいんですよ。今作はそれができると本気で思ってます(松岡)」と力強く述べた両者。海外公演も視野に入れた本公演、どのような形で幕を開けるのか、楽しみで仕方ない。

取材・文=久保田瑛理 撮影=松本いづみ(オフィシャル提供)

公演情報

VOL.M 『UME -今昔不届者歌劇- 』

【日程・会場】
東京公演 2026年2月15日(日)〜23日(月祝) サンシャイン劇場 
大阪公演 2026年2月27日(金)〜3月1日(日)  クールジャパンTTホール 
和歌山公演   2026年3月7日(土)  紀南⽂化会館 ⼤ホール

【脚本・演出】 丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)
【振付】 辻本知彦(※「辻」の字はしんにょうの点がひとつ)
【主演】 松岡充
【出演】
街裏ぴんく、阪本奨悟、雷太
Beverly、 ⼤平峻也、山田ジェームス武、藍染カレン、橘輝
仲⽥博喜
丸尾丸⼀郎

【音楽】 YOSHIZUMI 【美術】平山正太郎 【照明】 吉澤耕一 【音響】 百合山真人
【衣裳】 車杏里 【ヘアメイク】 笹川知香 【舞台監督】 澤井克幸(黒組)
【宣伝美術】 藤崎健太郎 【宣伝写真】 小松陽祐 【演出助手】真壁愛
【WEB】 ブラン・ニュー・トーン(かりぃーぷぁくぷぁく、阿波屋鮎美)
【制作】 高橋戦車
【運営協力】サンライズプロモーション大阪(大阪・和歌山公演)
【主催】 株式会社オフィス鹿
 
料金
S席 :9,500円
<プレオーダー受付>
受付期間:受付中~1/12(月・祝) 23:59
アップグレードをご購入いただくと、S席を1階席12列目以内保証にアップグレード!
さらに!シートによって限定特典もございます。
<アップグレード受付(クレジットカード限定、抽選式)>
対象:公式先行・FC先行・プレオーダーで販売したS席
受付期間:1/15(木) 12:00~1/18(日) 23:59
①UMEシート
+5,000円(税込)
Aver 特典…1階席12列目以内保証+パンフレット・台本のプレゼント
Bver 特典…1階席12列目以内保証+限定グッズ(非売品)のプレゼント
Cver 特典…1階席12列目以内保証+キャストより当シートのためだけのご挨拶
②Vol.Mシート
+10,000円(税込)
特典…1階席12列目以内保証+パンフレット・台本・限定グッズ(非売品)のプレゼント、キャストより当シートのためだけのご挨拶
※アップグレード特典のキャストご挨拶につきましては、終演後に会場内にて実施いたします。
また、回によって参加メンバーが異なります。詳細はオフィシャルHPをご確認ください。
 
オフィシャルHP: https://shika564.com/ume/ 
公式X : @vol_M_official
お問い合わせ : ticket@shika564.com
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